怖いことやでこれは。何ぼ控訴したいうても 第1審の判決受けてからも警察に本人を拘留しておくわけないやろし、本人がいないのに荷物だけは警察で預かっておくなんてこと、考えられへんのんとチガウ?第1審の途中でも弁護士から書面の開示を求めらて、検察庁になかったら「警察に残ってまへんか」いうて訊くぐらいするわなあ。
東京地検支部:裁判で証拠開示せず 控訴審では開示
毎日新聞 2012年09月13日 02時34分(最終更新 09月13日 02時51分)
東京地裁立川支部で7月、内装工の男性(51)が窃盗などの罪で実刑判決を受けた裁判で、弁護側の開示請求に開示されなかった証拠品や押収書面が、一転して東京高検により開示されていたことが12日、分かった。公判中に開示されれば判決の内容が変わる可能性もあったとして、弁護側は「証拠隠しではないか」と反発している。
新宿区のマンションで昨夏、住人女性のバッグ(時価10万円相当)などが盗まれた事件で、地検立川支部は昨年10月、警視庁田無署に逮捕された男性を窃盗と住居侵入の罪で起訴。公判で弁護側は、(1)バッグは路上の紙袋の中に入っていたもので盗んでいない(2)紙袋には自分のものではない作業着があり、翌日に持ち帰ったが、警察の家宅捜索の際に任意提出した−−と主張。主張の信用性を補強する材料として、公判中の4月に作業着と任意提出書などの書面を開示するよう求めた。
これに対し、地検支部は押収物はなかったとする捜索差押調書のみを回答。男性は7月、懲役2年6月の実刑判決を受けた。
しかし控訴した弁護人が8月末、東京高検に改めて開示請求したところ、田無署にあったとして、作業着の他、任意提出書など書面3点を開示した。
東京高検の杉山治樹公判部長は「1審の時点では作業着は地検に送致されていなかった」。田無署の本多雅文副署長は「事件に関係ないと判断したので送致しなかった」としている。【平林由梨】
第2審も、本人は出廷しないまま 死刑の判決が出ました。
さみしい社会です。
きのう、小さな工場を営む方のお話を一時間ほどお聞きする機会がありました。
勤め人では 全く分からないようなことですが、大企業から下請け、二次受け、三次受け…経費の削減だけが求められると。
人を大切にする社会のありようとはなんだろうと考えた一時間でした。
人との結びつき世に問うた 中島准教授が語る秋葉原事件
事件が投げかけたものとは何だったのか。一審公判のほとんどを傍聴し、被告の友人や職場の同僚などに取材して「秋葉原事件―加藤智大の軌跡」(朝日新聞出版)を著した中島岳志・北海道大公共政策大学院准教授に聞いた。
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事件は、毎年3万人以上が自殺する社会に一直線でつながっていると思う。暴力が自らにではなく外に向かい、無差別殺人を起こした。「特異な人物による事件」とは思えない。
手記には「孤立」という言葉が度々出てくる。仕事があり、居候できるほどの友達もいたが、彼は孤立感にとらわれていた。建前でない「本当の人間関係」への欲望は誰にでもある。彼はそれをネットで実現しようとしたが、失敗した。自らの存在そのものが失われたように感じてしまった。
手記には「誰かのために何かをさせてほしい」と思っていたとある。派遣労働で「お前の代わりはいくらでもいる」と突きつけられ続けた。部屋と職場を往復し、コンビニと牛丼屋に寄るだけの毎日。誰かのために存在しているという「かけがえのなさ」はなかった。
彼は事件前に自殺しようとした後、車を止めた駐車場の管理人に「料金は年末まででいい」と言われ、働いて返すのが生きる目的になったと振り返っている。ちょっとした人とのつながりが、彼にとって「ミラクル(奇跡)」だったのだ。
利害関係だけではない人との結びつきを、どれだけ社会につくれるか。これが事件が投げかけた問いだ。彼に似た思いを抱えた人は誰の身の回りにもきっといる。私たちは彼らに声をかけ、関係をつくろうとしているだろうか。
あれだけ騒がれた事件だが、もう誰も被告を見ていない。それでは事件の意味は生かされない。
彼は死刑が執行される時も、後悔しないだろう。社会に希望はないと思っているからだ。5分だけでも彼に会い、「君が死ぬのを悔やむような社会を僕はつくりたい」と言いたい。(聞き手・根岸拓朗)
秋葉原事件―加藤智大の軌跡 | |
中島 岳志 | |
朝日新聞出版 |