日没まで
ログで作られたテーブルに腰かけて、暫くのあいだ心と身体を澄ませてみたけれど、どれ位の時間だったろうか?凡そ九百秒ほどのTOKIの間に間を其の儘でいただろうか。
今日の此の黄昏には、降って来る何の気配もなくて、ただ南西の空の端に連なる竜門山脈に、今まさに落ちてゆこうとする日輪の夕陽の眩しさを一身に浴びて、僕は寡黙な仏像のように微動だにせずに居た。
太陽光はまだ充分に暖かく、北風が身を潜めたこんな夕暮れになら「日没まで」此処に紛れていてもいいと思った位で、そう想えば不意にその一瞬は確かに陽光に愛されているような気がして、確かにその瞬間には僕は特別な存在だった。
雲の欠片の一つだに見当たらない淡青の空は、もう直ぐそこだけ茜に染まり、その坩堝の中へ、今日の優しさを配り終えた日輪が沈んでゆく。
僕は静かに息を整え、”今日の温もりをアリガトウ!!”と、夕日に向かってそっと送信のキイを叩くのだ。
03/08 07:04 まんぼ