羽毛をつけて
僕は緩まず
いつだってこんな風に書いているけれど
切ないことに
書き物は
必要なhitoのところへ
自由に飛んでゆけない
せめてのことにと
冊子にしたり電波に載せたり
必要なanataに
届くようにとは目論んでいるけれど
さりとて
それさえも小さな世界のできごとで
とうてい満足できるものではないのだ
それは自力で飛び立てない活字を
拠り所に決めた
僕の限界のようでもある
哀しいことに
直ぐ傍に居て
いつでもその懐に触れられた
あのhitoはもういないし
長い間に亘って
気が付けば其処に居てくれるanataは
常時見つけられるanataではないし
ときどき僕を探してくれるhitoは
特定できる程の距離でもない
虚しいことは
確かにそうだけど
僕は他に方法を持たないから
それでも
いつか何かが稔るかも知れないと
暇を見つけ出しては
こんな風に
手紙のような詩のような
仄かなUtaのようなものを
ひと綴りしては
羽毛をつけて
中空へと解き放つのだ
03/08 06:43 万甫