能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

「能率」という言葉 上野陽一はコピーライターの才能を有した経営コンサルタント(能率技師)

2010年10月15日 | マネジメント

能率」という言葉は、いいニュアンス、悪いニュアンスを合わせ持った言葉。


生産性を高めより高いアウトプットを出すという意味、機械的・非人間的・無機質といった意味・・・・。


「科学的管理法の父」といわれるテーラーの愛弟子エマスンは、エフィシェンシーという言葉を使った。

「効率」という意味である。


二十世紀初頭、日本国内にこれを持ち込んだ池田藤四郎は、エフィシェンシー協会を設立し、効率概念を普及しようとする。


いっぽうで心理学者上野陽一は、「能率」という言葉に科学的管理法のコンセプトを乗せ、出版や講演活動で訴求。

結果、能率という言葉は、テーラーイズムを日本国内に普及拡大することになる。

ある意味、上野陽一は、コピーライターの才能を有した経営コンサルタント(能率技師)であった。


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「能率」とは何か?能率とは、目的と手段のバランスがとれていること・・・モチマエが活かされていること

2010年10月15日 | マネジメント

能率とは、目的と手段のバランスがとれていること。

これは、能率学者 上野陽一(1883年~1957年)の定義である。

上野陽一は、「能率の父」と呼ばれている。

20世紀初頭、新興産業国アメリカのフレデリック・ウィンスロー・テーラーがまとめ上げた科学的管理法を日本に紹介、自ら生産現場の最前線に立ち実践した。

1920年に小林商店(現ライオン株式会社)の歯磨き粉工場で実施した改善活動は、日本最初の経営コンサルティングと言われている。上野陽一は、日本最初の経営コンサルタントなのである。

能率とは、ムリ・ムダ・ムラをなくしていくことでもある。

目的>手段を「ムリ」、目的<手段を「ムダ」、そしてムリとムダを合わせたものをムラと称している。

このムラが積み重なると大きな問題を起こすと上野は語る。

そして、能率とはモチマエを活かすこと。自らの強みを最大限に発揮することである。P・ドラッカーの言う「強みの上に己を築け」である。

また、上野陽一のいう「能率」は、テーラーのような工場現場だけではない。

事務や間接部門や営業部門、そして家庭や自分自身や1日の生活まで、すべて応用可能としているのである。

上野陽一が主張し実践した「能率」は、現代においても日本産業界の通奏低音として生き続けているのである。


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