日経ビジネス誌2017.10.30の特集「最強・社会インフラ・コンビニ大試練」。
ちょっと考えさせられました。
店舗数は全国で約6万店。
売上は11兆円。
生活の中で欠かすことのできない社会インフラとなりました。
そのコンビニエンスストアを取り巻く環境が大きく変わりつつあります。
・少子高齢化による人手不足
・働き方改革という長時間労働の是正
・人件費の急騰
・一店舗あたりの売上の伸び悩み
・人々の価値観の変化、多様化
・トラック物流の限界・・・
「開いてて、良かった」という24時間営業も、いずれは終止符を打つと思います。
都市部では、コンビニが隣接するくらいの飽和状態。
競争は激化し、スクラップとなる店舗も多々出てきています。
同記事によると、この10年間(1996年と2016年)、数字面でもコンビニが大苦戦していることがうかがえます。
1.店舗当たりの市場が減少(国内総人口÷店舗数)4006人から2195人に半減
2.店員候補の若者減少 574人から211人に6割減
3.人件費の右片上がり 664円から958円に5割増し
これでは、コンビニオーナーも大変です。
しかも、コンビニ業界では、この20年間、イノベーションが起きていない・・・
2001年にセブン銀行が出来て以来、新たなサービスが出てきていません。
そんな状況の中、各コンビニのトップは、戦略・戦術らしきものを語ります。
セブンイレブン 古屋社長
「24時間営業は絶対に続けるべき。」「小商圏市場は肥沃で、まだまだ深い。年800店前後出店していく。」
ファミリーマート 沢田社長(伊藤忠系)
「間違いなく店舗は飽和状態。営業時間は縮小、まずは実験。」
ローソン 竹増社長(三菱商事系)
「複数店経営でオーナーを強くする。」「コーヒー提供、セルフ式も導入。」
どれも、過去の延長線上の戦略戦術です。
このまま行くと、消耗戦の後、セブンだけが生き残るという図式が見えてきます。
日本で独自の進化を遂げた社会インフラとしてのコンビニ・・・明日の姿が見えてきません。
かたや、amazonは、東京都市部を中心に新たなデリバリーサービスを開始・・・。
飽和状態のコンビニの隙間を、しっかりと突きつつあります。
恐るべし、アマゾン!
あと数年もたてば、
24時間営業をやめるコンビニ、
自動販売機を主体としたコンビニ、
サービスレベルを落として低価格にシフトするコンビニ、
外国人の店員さんしかいないコンビニなどが出てくると思います。
まさに、レッドオーシャンです。
コンビニエンスストア、今後どんな方向に進化していくのでしょうか?