能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

2020年、女性の半数が50歳超え・・・未来の年表 人口減少日本でこれから起きること 撤退戦を戦うニッポン

2020年01月22日 | 本と雑誌

少子高齢化を取り上げた河合雅司さんが書いた「未来の年表」。
40万部を超えるベストセラーになりました。
「未来の年表2」も刊行され、少子高齢化が加速する日本の未来図が示されています。

2018年 国立大学が倒産の危機に・・・一部ですが、経営統合が進んでいます。
2020年 女性の半数が50歳超え
2021年 介護離職が大量発生する
2023年 企業の人件費がピークを迎え経営を苦しめる
2024年 全国民の3人に1人が65歳以上
2033年 三戸に一戸が空き家に
2040年 自治体の半数が消滅
2042年 高齢者人口がピークを迎える
2065年 外国人が無人の国土を占拠する
そして、
西暦3000年 日本の人口が2000名に・・・
ちょっと想像もつかない撤退戦を戦い抜いた日本の近未来の姿が啓示されています。

「未来の年表 人口減少日本でこれから起きること」
「未来の年表2 人口減少日本であなたに起きること」
河合雅司著 講談社現代新書

著者の河合さんは、産経新聞社の論説委員で大正大学客員教授。
憂国の士として、「静かなる有事」に対処するための方策もまとめています。

日本の人口減少カレンダー・・・。
かなり、ネガティブなストーリーが展開されます。
これに対して、第2部では、「日本を救う10の処方箋」で10の解決策を提言します。
小さくとも輝くニッポンにしていくためには、AIやロボットといった夢物語に頼るのではなく、現実的な対応が必要だと説きます。


1.高齢者を削減・・・高齢者の定義を75歳以上とする
2.24時間社会からの脱皮 不便さもまたよし
3.非居住エリアを明確化 歩きたくなる街を目指す
4.都道府県を飛び地合併
5.国際分業を徹底 得意分野だけに資源を集中する

6.匠の技の活用 目指すはイタリアモデル
7.国費留学生で人材育成
8.中高年の地方移住推進
9.セカンド市民制度を創設 第二の故郷をつくる
10.第三子以降に1000万円給付 まず、お見合いの復権を

基本的なコンセプトは、「戦略的に縮む」「豊かさを維持する」「脱東京一極集中」「少子化対策」という4つの柱。


最終章では、「未来を担う君たちへ」という若者たちへのメッセージを送っています。
同著で語られるニッポンの未来の半分でも現実化すると、かなり悲惨な状況になります。
しかしながら、イタリアのようなデザイン、アート、ブランドで国際的競争力を持つ国に特化することにより、ちょっと尖がった国を目指すべきという意見には賛成です。


「未来の年表2 人口減少日本であなたに起きること」では、「戦略的に縮む」というコンセプトを提唱。今、「できること」として以下の提言をされています。


「個人ができること」
1.働けるうちは働く 60歳で隠居は早すぎる
2.一人で2つ以上の仕事をこなす 副業、兼業 知識やスキルを!
3.家のに中をコンパクト化する 使う部屋と使わない部屋を分ける

「女性ができること」
1.ライフプランを描く
2.年金受給年齢を繰り下げて、起業する


「企業ができること」
1.全国転勤をなくす
2.テレワークを拡大する 通勤は機会損失


「地域ができること」
商店街は時おり開く 週末だけの商店街構想

世界一の長寿国になった日本・・・
70年以上にわたり、戦争、飢餓、内戦、パンデミックなどで国民の生命が大きく損なわれることはありませんでした。
徴兵制やハイパーインフレもないジパング・・・
そういう意味では、日本に生まれて本当に良かった、本当に幸せだと思います。
戦後の日本で最も不幸な出来事、3.11を今一度かみしめながら、
同書の訴求する未来の出来事を考えていかなければならないと思います。
今こそ必読の一冊だと思います。


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 女子大初の建築学部建築学科... | トップ | 瀬戸大橋を渡って四国入り・... »
最新の画像もっと見る