ニッポンの十八番であった家電業界、半導体もアジアの新興諸国に追い上げられ、今やソニーやシャープも危機に瀕しています。
パナソニックや東芝も何とか踏ん張っているものの決め手を欠く状況です。
モジュラー化論や円高論などの原因論、サムソンに見ならえ論など、さまざまな意見もありますが、
やはり時代の一歩先を読んだイノベーションが必要不可欠なのではないかと思います。
「これから5年の競争地図 グローバルものづくりのトレンド」
中村吉明著 東洋経済新報社 1600円+税
著者の中村さんは、通産省などを経て、現在九州工業大学客員教授。
この著では、少し辛口なテイストも交えながら、もう一度世界で稼ぐためにニッポン株式会社に必要なことを解説しています。
少子高齢化による国内需要の減少傾向、ガラパゴス化した国内市場、工場の海外進出、地域経済の衰退・・・。
まさに課題先進国の日本。著者は、ベースは日本製造業の復活しか道はないと説きます。
いっぽうの米国でも、デジタル革命、3Dプリンタ、シェールガス革命などによる産業界の変革が起こっており、
ニアシェアリング・・・製造業も地産地消しているトレンドにあるそうです。
目次
1.これからも仕事は増えない
2.アメリカ製造業のトレンド 3Dプリンタと機械との競争
3.メイドインUSAの復活?
4.自動車産業はどうなる
5.電機産業はどうなる
6.バイオ産業はどうなる
7.これからのシナリオ
同書の最終章には、ニッポンの産業界のベストなシナリオ、現実的なシナリオ、そして最悪なシナリオがまとめられています。
まさにそのとおりだと思います。
このまま縮小均衡していくのか、それともイノベーションを起こし世界に発信していくのか。
今、岐路に立たされているニッポンです。