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能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

フジテレビの断末魔・・・将来的には、テレビ東京(TX)やテレビ朝日(ANB)などとの吸収合併などもあるかもしれません

2025年01月27日 | 社会・経済

まさか、こんな事態になるとは・・・。

タレントの不祥事に対して、文春砲が炸裂!

文春は、フジテレビの経営陣に対して、会社のあり方を強烈に批判しました。

港社長は、報道機関であるにも関わらず、テレビカメラを入れない、中身のない陳腐な回答で火に油を注ぎました。

さらには、日弁連が作ったフレーム「第三者委員会」ではなく、内輪で調査委員会を設置するという対応・・・。

このコンプライアンス、ガバナンスの時代に、東証プライム上場企業とは思えないフジテレビの対応に驚かされました。

そこに、SMAPのリーダーだった中居氏の突然の芸能界引退発言。

何だかなあ、という感じです。

フジテレビの社員も、経営陣に詰め寄り、身を守るため労働組合に加入・・・80人しかいなかった組合員が500名に増えたそうです。

実際に現場で働いているのはプロダクションや下請け会社の人々・・・これからどうなるか分からず本当に不安だと思います。

若き日、広告代理店にいた頃、フジテレビジョンは視聴率三冠王でした。

三冠王とは、全日、ゴールデンタイム、プライムタイムで最高の視聴率を取ること・・・。

でも、昨今のフジテレビは、キー局のブービーを争っています。

本業のテレビ事業では、振り向けばテレビ東京・・・。

フジテレビは、通販会社を傘下におさめたり、サンケイビル等の不動産事業を行ったり・・・本業で敗れ、副業で稼ぐという展開になっています。

フジメディアホールディングスは、テレビ事業の売上より、不動産業が支えているようです。

ちょっと寂しい状況です。

広告業界では、フジテレビのことをコールサインから「CX」、テレビ東京のことを「TX」と呼んでいました(広告代理店に入社した頃、小さなメモ帳に全国のテレビ局の略称をメモして覚えたものです)。

フジテレビの衰退は、地上波のテレビ業界の抱える課題についていけないことにあると思います。

放送とインターネットの融合、動画投稿サイトの興隆、ワンセグ放送の普及などなど・・・

フジテレビは、時代の流れについていけていません。

ちょっと前までは、テレビを観ながら、CMの間にスマホをつつく・・・という感じでしたが、今では、スマホやPC、タブレットがメインで、たまにテレビをチラ見するというライフスタイルに変わっています。

ペーパーテストに強い偏差値の高い新卒社員が入り続けたこと、ひと時の三冠王という一時的なプライドがイノベーションを退けたこと、現場がよく分からない経営陣が現場に口を挟み始めたこと、利益追求で下請けに製作を丸投げし始めたこと、尖がった番組を出せない集団意思決定主義・・・フジテレビ衰退の利用は、いろいろあると思います。

 

個人的に考えているのが、お台場への移転・・・俺たちは選ばれたエリート・・・と勘違いしたことから、衰退が始まったと考えています。

まさに、クリステンセン教授の言うイノベーションのジレンマです。

以前、フジテレビのあった河田町、曙橋は、新宿のそば・・・人々の息、呼吸の感じられる場で、CXの社員たちは番組製作に専念していました。

歌舞伎町で遊んだり、ゴールデン街で飲んだり・・・人間的な繋がりが視聴率の高い番組を産み出していました。

それが、お台場に移り、車通勤になり、飲み会もなくなりました。

チームワークが脆弱化し、首から上だけで考えるようになってしまった・・・。

社内の中央集権、官僚化が進み、稟議や決済といった書類仕事が増え、コンプライアンスの手続きの複雑化、さらには現場がよく分からない経営陣がマネジメント用語を振り回し始めた・・・それが、フジテレビが負け組になった原因であると考えています。

会長や副会長、社長、ホールディングス社長など70歳、80歳というおじいちゃま。

全員男性で女性や外国人もいません・・・多様性ゼロ。

まさに、老害が、フジテレビの未来を閉ざしてしまいました。

最近のフジテレビには、ワクワク感、ドキドキ感が皆無・・・。

冒険心、チャレンジ魂も感じられない番組がオンエアされて続けていました。

安い芸人をひな壇に上げたバラエティ番組、観ていて耐えられないクイズ番組、毎週見ようとは思えないドラマ番組・・・本当にコモディテイです。

そこに100社を超えるスポンサー企業がCMオンエアを中止要請。

150社のスポンサー企業の3分の2が飛び、ACジャパンのCFに差し替え。

ACフジテレビになりそうです。

今後は、フジテレビ系列の地方局の広告出稿にも波及すると言われています。

 

今回の事件で会社経営の根底がすべて覆りました。

不動産事業や関連事業があるため、すぐに経営危機や倒産はないと思うのですが、ここから復活するのは大変だと思います。

まずは、第三者委員会で会社の膿を出し切り、経営陣は総退陣、経営計画を刷新して、スポンサー、株主、視聴者などのステークホルダーに訴求していくしかありません。

ロケ地からはフジテレビ排除の動きも出ていることから、番組制作にも支障が出始めているそうです。

そうなると、過去のドラマや番組を再放送していくしかないと思いますが、出演タレントや関係者の反対で難しいかもしれません。

いずれにせよ、フジテレビの放送事業の縮小均衡は避けられないと思います。

将来的には、テレビ東京(TX)やテレビ朝日(ANB)などとの吸収合併などがあるかもしれません。

米国の外資系投資会社やホリエモンなどのモノ言う株主(アクティビスト)からの強い要請、要望に期待です。

今後は株主代表訴訟が起こされ、会長や社長をはじめとする経営幹部には巨額な賠償を求められることになると思います。

フジテレビの断末魔・・・その後を見ていきたいと思います。

今日の夕刻は、2回目の記者会見。

どういう所に落としていくのか、夕刻のニュースを見たいと思います。


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