はじめてお洒落を気にし始めたのが高校生の頃・・・。
中学では剣道をやっていたため、丸坊主・・・着るものなど何でもよかった時代でした(笑)。
高校時代、友人が着ていたボタンダウンシャツがカッコよくて、思わず買ったところから始まりました。
その白いボタンダウンシャツは、VANジャケットの製品。
ちょっと高価でしたが、流行に乗れたような気がしたことを覚えています。
それ以来、ワイシャツは礼装以外は全てボタンダウンで通しています。
お気に入りは、レジメンタルタイにJプレスの紺ブレ、オフィシャルの時はブルックスの紺のスーツです。
迷わなくていいですし、多少高くても長持ちします。
どこの会社もスーツ着用が義務付けられていた時代でした。
が、入社した広告代理店は、紺ブレOK、社名入りの紙封筒を自慢げに持って、肩で風を切って銀座通りを歩いていました・・・若かったんですねえ(笑)。
紺ブレは、小職の戦闘服であり、作業服でした。
その頃から給料も増え始め、石津謙介さんのマニュアルに従い、ワードローブをそろえていきました。
石津さんは、1911年、岡山県でのお生まれ。
レナウン研究所を経てVANジャケットを設立・・・アイビー、トラッドを日本に定着させた凄い人です。
2005年に94歳でお亡くなりになるまでアパレルの世界で活躍されました。
石津理論にハマりました。
タキシードを持っているというだけで、ガラコンサートやパーティに誘われたことも多々ありました。
当時のタキシードは、チャンスカードのようなものだったと思います。
冬には、トレンチコートやPコート・・・ビジネスパースンの鎧です。
時々、街なかでお洒落なお爺さんを見かけることがあります。
暑くても、白い帽子に白いスーツを着て背筋を伸ばして歩いています。
映画のワンシーンのような、なかなか素敵な光景です。
あんな爺さんになりたいなあと思う今日この頃です。
VANのロゴには、「若者と若い心を持った人のために」と書いてあります(最近気づきました・・・)。
石津謙介さんは、時代の先の先を読んでいた凄いアーティストでした。
晩年の石津さんの写真を見ると、アイビー、トラッドで決めた、実にお洒落で、素敵なお爺様でした。
その思想は、生涯変わることはありませんでした。
合掌!