コロナ禍の中、テクテク散歩の時間が増えてきました。
気分転換にもなり、遠藤不足を解消できるウォーキングが大好きです。
ブラブラ街歩き・・・川や海や緑の中を、何も考えないで、あるいは熟考しながら歩く・・・至福のひと時です。
川の街・広島。
「密」を避けるため、人がほとんどいないリバーサイドを歩くことがルーティンです。
最近では、ジョギングや自転車で身体を鍛えている人が増えていますが、小職は「歩き」派。
学生時代、体育会で散々走らされたので、もう気合と根性で走る、走らされるのはコリゴリです(笑)。
必死の形相でジョギングやサイクリングするのは、ノーサンキュー。
人類の特権である2足歩行を日々楽しんでいます。
病気にならないのも、体調を崩さないのも、テクテク散歩のおかげだと思います。
そんな散歩、ウォーキングが、さらに楽しくなる一冊を紹介させていただきます。
体と心がラクになる
和のウォーキング 松尾芭蕉の疲れない歩き方でからだをゆるめて整える
安田昇著 祥伝社黄金文庫 680円+税
著者の安田さんは、下掛宝生流の能楽師、そして米国の公認のロルファー(自分の身体を学ぶことを支援するトレーナー)をされています。
同書の中では、能や相撲の技から出てきた日本人のウォーキングが随所に紹介されています。
俳人松尾芭蕉は、「おくの細道」で、なぜあれだけの距離を歩くことができたのか?
著者は、ひきこもりやニートの若者たちと共に現代の「おくの細道」を歩かれているとのこと・・・時速一里、一日8時間、2週間歩き続ける・・・その中で若者のココロやカラダに大きな変化が現れると言います。
目次
1章 ゆっくり歩いてからだをリセット 全身協調性でラクになる
2章 和のウォーキングでからだを作る 日本人のための深層筋エクササイズ
3章 日本人の身体を考える 「気持ちいいからだ」感覚を取り戻すために
4章 ゆっくり歩けば、心にも何かが起こる 「いのち」を枯らさないために
5章 実践「和」のウォーキング 大名庭園「六義園」を歩く
同書では、能の「すり足」や相撲の腰割り、テッポウ、四股などのエクササイズが紹介されてます。
日本人に合った身体の調整の仕方だと思います。
著者は言います。
直立や2足歩行は、からだ中の筋肉がしっかりしていて、さらにそれが上手に連動すること、すなわち「全身協調性」によって初めて可能になるのです。
何も持たずに、正しい姿勢と正しい歩き方で、ただ、ぶらぶら歩く。
そうすることでからだが忘れていた本来のプログラムを思い出し、全身協調性が発動します。
なるほど。
松尾芭蕉も伊能忠敬も、時速1里のスピードで日本各地を巡ったのでしょう。
四国のお遍路さんも、お伊勢参りも、東海道五十三次も・・・とにかく日本人は昔からよく歩きました。
帝国陸軍の行軍の距離に、欧米の軍事視察団が舌を巻いたと言います。
日本人は、歩く民族なんですね。
日本人に限らず、人類は歩く動物。
アフリカ大陸で誕生した人類は、類人猿、アウストラロピテクスからホモサピエンスとなり、アフリカから中東、欧州、インドを経て中国、日本へ・・・そして北米、南米まで歩いて移動しました。
人類の歴史は、ウォーキングの歴史でもあります。
新型コロナウイルスは嫌いですが、コロナはウォーキングの楽しさを知るきっかけになりました。
身も心も整えられ、ストレスも飛び、しかもお金もかかりません。
レッツ ウォーク!
楽しいですよ!