「パーバス経営」という言葉が流行っています。
昨年は、「両利きの経営」がちょっとしたブームになり、既存事業と新規事業、知の深化や知の探索という切り口が取り上げられていました。
「パーバス経営」というのも流行歌のようにパッと出て消えていくのでしょうか?
パーパスとは、企業の存在意義という意味合い。
「なぜその会社は存在しているのか?」という問いかけに答えられることが組織のエンジンになるとします。
そのとおりだと思います。
最近では、パーパス経営を土台にティール組織なるものも出始めました。
このコンセプトは普遍的で昔から語られていていました。
ファッションやモードのように出ては消えて、また出てくるもののような気がします。
パーパス経営は、SDGsの文脈の中から出てきているように思います。
また、ESG(エコロジー・ソーシャル・ガバナンス)が当然のことになった現在、もう一度原点回帰しようという意思が込められているのではないでしょうか?
「マネジメント」を発明したP.F.ドラッカー博士も半世紀前に、「組織の存在理由」について語っています。
次のようなキーワードを出しています。
・われわれが直面している問題は?機会は?チャンスは?
・Tシャツに似合うシンプルな言葉
・いかに世の中を変えたいか?
・計画の5つの要素→廃棄・集中・成功しているものの強化・イノベーション・リスク
とてもドラッカー的な指摘です。
パーパス経営という観点からすると、むしろ「ドラッカー5つの質問」の方がしっくりします。
ドラッカー博士 5つの質問
1.われわれのミッションは何か?
2.われわれの顧客は誰か?
3.顧客にとっての価値は何か?
4.われわれにとっての成果は何か?
5.われわれの計画は何か?
この5つの質問に答えられることが、より大切な時代になっています。
SDGs、ESGの時代、パーパスを再定義することが大切になってきていると思います。
ドラッカー博士はわれわれの使命でもある「働くことの意味」も指摘しています。
博士のキャリア論です。
われわれのミッション(使命)・・・働くことの意味
・心を燃え立たせるもの
・行動を伴わなければ意味はない
・明日成果をあげるために今日何をするか
・重要なことで容易にコンセンサスが得られたときには、そのまま決定を行ってはならない。組織が行わなければならない決定は、重要であるだけでなく危険を伴う問題である。
・知識と意図を「行動」に変える
また、組織についてもドラッカー博士が解説しています。
組織が成果をあげるための8つの条件
1.いち早く変化をとらえる
2.ミッションを定期的に見直す
3.階層を排除する
4.前提を鵜呑みにしない
5.言葉を一貫させる
6.全員がリーダーシップを共有する
7.リーダーが確固たる存在である いかに行うかではなく何を行うか
8.成果をキチンと自己評価する
小職の師匠から言われた言葉。
「困ったときは、まずドラッカーの著作を読みなさい。そこに答えが書いてあります」
経営の原理原則の答えは、ドラッカー博士の言葉、著作にあります。