グロービスの嶋田毅さんの新刊が出されました。
フレームワークや思考法に潜む「落とし穴」「副作用」「裏技」を面白おかしく解説した一冊です。
MBAキーワードシリーズを出版している嶋田教授・・・大好きなコンサルタントです。
ダークサイド オブ MBAコンセプト
グロービス著 嶋田毅執筆 東洋経済新報社刊 1500円+税
仕事の世界には優秀なビジネスパースンがたくさんいるのですが、中には残念な人も多々存在しています。
それはなぜなのか?をロジカルに説明しているのが同書とも言えます。
嶋田さんにしては、かなりの辛口解説・・・悪魔の辞典を読むような爽快感があります。
目次
Chapter1 論理思考のダークサイド
Chapter2 戦略・マーケティングのダークサイド
Chapter3 アカウンティング・ファイナンスダークサイド
Chapter4 組織・リータ゜ーシップのダークサイド
Chapter5 創造・変革のダークサイド
帯には、「裏側を知らずに、現場では勝てない」・・・
「ダークサイドを知らずに、リアルでは勝てない」とあります。
なるほど、そのとおりです。
面白かったところを、ちょっとご紹介させていただきます。
ロジカルシンキング・・・論理で人が動くと勘違いすると反発を招くことも・・・ロジカル馬鹿の悲劇
ランキング・・・容易に作成者の都合に合わせて順位を操作できる一覧表
Win-Win・・・両者がウィンでも第三者がLoseなら問題が生じることも
ビジョン・・・実現性や共感度を無視すると遠からず破綻する
SWOT分析・・・客観的な分析のようで、実施者の意図の介入余地が大きい
バリューチェーン分析・・・鎖の輪だけに執着すると鎖の弱体化を招く
コアコンピタンス・・・強みは、いつでもどこでも強さを発揮できるわけではない
差別化・・・「違い」は必要条件であっても十分条件ではない
顧客満足・・・高い値を示しても実態を反映していないことがしばしば
ポジショニング・・・企業の思惑と顧客の認識は必ずしも一致しない
限界利益率・・・利益率が高い商品を作ることが正解とは限らない?
KPI・・・特定の指標を過度に意識すると全体のパランスが崩れる
昇進昇格・・・悪用すれば特定の社員を辞職に追い込むことも可能な制度
ダイバーシティ・・・アリバイ作りの導入では競争は高まらない
オープンイノベーション・・・安易な導入は自社の開発力を削ぎノウハウを流出させる
なかなか鋭い切り口・・・心地よいです。
MBAを違う切り口から学べる面白い一冊・・・秋の読書にうってつけ・・・おすすめ本です。