すごい本に出合いました。
電話帳のような厚さ・・・若い人は、電話帳と言ってもピンとこないかもしれませんが・・・笑。
なんと820ページあります。
菅野先生の「労働法」が950ページですので、それに次ぐ大著です。
なんと820ページあります。
菅野先生の「労働法」が950ページですので、それに次ぐ大著です。
世界標準の経営理論
入山章栄著 ダイヤモンド社 2900円+税
著者は、早稲田大学大学院ビジネススクール教授。
「世界の経営学者は今何を考えているか」「ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学」などの著で知られています。
同書は、ポーターのSCP理論とバーニーのRBV理論が全編を通じて通奏低音のように流れています。
また、著者は第3章でセンスメイキング理論を取りあげ、今、日本の経営で最も重要な事項として詳細な解説を加えています。「未来はつくりだせる」・・・お馴染みのハンガリーの偵察部隊のアルプスでの遭難事故から始まります。ぜひ読んでいただきたいセンスメイキング理論です。
目次
第1章 経済学ディシプリンの経営理論
第2章 マクロ心理学ディシプリンの経営理論
第3章 ミクロ心理学ディシプリンの経営理論
第4章 社会学ディシプリンの経営理論
第5章 ビジネス現象と理論のマトリックス
第6章 経営理論の組み立て方・実証の仕方
経営学がサイエンスであれば、再現性がありプロセスを踏めば必ず成果がでる・・・でもそうではないので経営「学」ではなく経営「論」だというのが小職の持論。
でも、最新の経営研究は経済学のように、データや数学を使った定量的なアプローチが世界の潮流のようです。
そういう意味で、暗黙知やストーリーといった定性的なアプローチをしている日本の経営「学」では国際的にはちょっと異端なのかもしれません。
第1章から経営理論の世界に引き込まれていきます・・・。
この章は、お馴染みのポーターやバーニーが登場するなかなか面白いセッション。
取引費用理論(TCE)、ゲーム理論、リアルオプション理論の解説は、腑に落ちる見事な解説です。
著者の言うように、同書は逆引きで読んだり、興味のあるところからアプローチするのが良いように思います。
分厚い大著「世界標準の経営理論」・・・ビジネス書界のサプライズです!
帯のキャッチコピーもすごいです(笑)。
世界の経営学の英知は、この一冊で完璧に得られる
ビジネスパースンが考え抜くための羅針盤はここに
圧倒的なわかりやすさと面白さで、どの章も驚くほど一気に読める!
史上初!世界の主要な経営理論30を完全網羅した解説書
この切り口は、著者が言う「史上初!」というコピーがまんざらウソではないような気がします。
年始に書斎にこもり、熱いコーヒーを片手にペラペラめくりたい一冊です。