立命館アジア太平洋大学(APU)の学長をつとめている出口治明さん。
博覧強記・・・歴史、地理、哲学など今まで一万冊以上の書籍を読み込んでこられたそうです。
年末にも、2冊の新書を出されています。
60歳でライフネット生命を起業して軌道に乗せ、70歳で立命館アジア太平洋大学(APU)学長に就任・・・本当にパワフルです。
そんな多忙な出口さんは、本の執筆も続けられています。
今年の冬休み・・・コロナ対策のステイホームで出口さんの本をまとめ読みしました。
自分の頭で考える日本の論点
出口治明著 幻冬舎新書 1100円+税
この本では、22の日本の論点を取り上げ、「基礎知識」を押さえた上で、「自分の頭で考える」ためのガイドをしていきます。
新型コロナウイルス、働き方、気候危機、憲法9条、安楽死、LGBTQ、少子化、移民難民、経済成長、自由貿易、投資、大学教育、財政赤字、海外留学などについて、出口節が炸裂します。
一刀両断の気持ちよさがあります。
付録には、「自分の頭で考えるための10のヒント」が掲載されています。
出口さんオリジナルの考えるための切り口が整理されています。
1 タテ・ヨコで考える(歴史軸・世界軸)
2 算数、すなわち「数字・ファクト・ロジック」で考える
3 外付けハードディスクを利用する 検索、読書・・・
4 問題を分類する「自分の箱」をいくつか持つ 「正解のあること」「正解のないこと」
5 武器を持った「考える葦」になる 武器となる基礎知識
6 自分の半径1メートル圏内での行動で世界は変えられると知る
7 「人はみんな違って当たり前」だと考える
8 人の真贋は言行一致か否かで見極める
9 好き嫌いや全肯定、全否定で評価しない
10 常識は徹底的に疑う
出口さんによると日本の教育は、5要素を重視してきたとのこと。
・偏差値が高い
・素直である
・我慢強い
・協調性がある
・先生や上司の言うことをよく聞く
これは、戦後の工場モデルに適応したものだとします。
いわば、この国の学校教育はサラリーマン養成講座・・・戦前は兵隊育成講座・・・。
組織や軍隊の中では、自分で考えることは不要・・・というかイケナイことです。
なぜ、失われた30年となったのか、なぜ日本にGAFAやユニコーン企業が生まれなかったのかがよく分かります。
歴史を活かす力 人生に役立つ80のQ&A
出口治明著 文春新書刊 860円+税
同書は世界史、日本史から80のトピックスを取り上げて、出口さんが解説を加えていきます。
マネー、失敗、リーダー、大逆転、女性、宗教、戦争、ライフスタイルといった10の切り口で解説を加えていきます。
出口さんの提唱する「めし・ふろ・ねる」から「人・本・旅」へ。
たくさんの教訓を学ぶことができます。
還暦からの底力 歴史・人・旅に学ぶ生き方
出口治明著 講談社現代新書刊 860円+税
同書は、去年のベストセラー。
出口さん初の人生指南書です。
新たな視点を学ぶことができます。
定年も不要・・・インスパアされる一冊でした。
出口さんの新書三部作・・・お薦めです。