博覧強記の出口治明先生の新刊本が出ました。
人類の5000年の歴史を4巻で解説していくという壮大な歴史書です。
人類5000年史Ⅳ 1901年~2050年
出口治明著 筑摩書房刊行 1012円
出口先生は、現在、立命館アジア太平洋大学(APU)名誉教授・学長匿名補佐。
APUの学長を6年間務められ、体調を崩されても執筆を続けておられます。
20世紀の時代は、第一次世界大戦、第二次世界大戦、冷戦の時代と続き、現在新しいステージにあると著者は言います。
同書では、著者の歴史解釈や見解をカットし、あくまでファクト(事実)ベースで書かれているため、自分でいろいろ考えながら読み進めることが出来ます。
また、各年代での各国のGDPの数値が掲載されており、各時代の各国の国力、経済力を俯瞰することが出来ます。
驚くのが、巻末にある参考文献の量。
数百冊はあります。
出口先生の読書量は驚くばかりで、先般亡くなられた松岡正剛さんと双璧だと思った次第です。
最終章では、「2050年の世界-見えない未来の考え方」から人類の未来の姿を三点指摘されています。
- 世界の中間層の台頭
- テクノロジーは進歩し続ける
- アメリカは偉大なグローバルリーダーであり続ける
あと数十年は、米国を中心に回っていくんでしょうね。
最後に著者は、歴史を学ぶ意義について解説して〆ます。
人間の脳はこの一万数千年、進化していないと言われています。
喜怒哀楽も、政治判断や経営判断も同じなのです。
将来、世界で何が起こるかは誰にも分かりません。
しかし、それに備える教材は過去にしかないのです。
歴史には、5000年生きてきた人間の豊穣なケース・事例が詰まっています。
それを学ぶことが、これからの人生でいろいろな場面に遭遇した時、何かの役に立つのだと思います。
読み応えのある一冊でした。
そういえば、現代史は、中学でも高校でも学ぶ機会が少なかったように思います。
明治時代に入ったあたりで学年が終わるという感じです(笑)。
改めて学び直して、スッキリ感を得ることが出来ました。
出口先生、ありがとうございました!