能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

事業承継・・・会社はゴーイングコンサーン(永続する企業)続けていくことは大変・・・社長へのお勧め本三冊

2021年04月27日 | 本と雑誌

コロナ禍の中、飲食やサービス、運輸などの中小企業は本当に大変な状況です。

雇調金、協力金などの国や行政の支援で何とか息をしている状況です。

ワクチンが行き渡り、集団免疫が形成されれば、必ず景気も回復すると思います。

それまでは、粘り強く現場で頑張りつづけて、資金繰りしていくしかありません。

朝の来ない夜はない、降りやまない雨はない・・・などと悠長なことは言ってはいれませんが、コロナをチャンスととらえてビジネス機会を作っていただきたいと思います。

もうコロナ前の状態には戻らないニューノーマル(新常態)の時代です。

コロナの今、脳に汗を流して考え抜いたデリバリーやネット活用、サブスクやレイバースケジュール・・・アフターコロナにきっと活きてきます。

コロナを機に自社の経営基盤が強化された、社員のスキルが上がった、新しいビジネスモデルが産まれた・・・と社史に残せる日が来る時も、もうすぐそこです。

今回は、事業承継のお話です。

事業承継・・・会社を次の世代にバトンタッチするための手続き。

社長の高齢化が進み、事業承継が進まず、廃業や解散、私的整理するところも出てきました。

長らく廃業率が開業率を上回っている日本の中小企業。

事業承継の失敗が更に会社数の減少に拍車をかけています。

 

創業社長が手塩にかけた会社を、次世代に繋ぐための手続きは、早くやることにこしたことはありません。

忙しい、時間がない、今考えなくても良い・・・それが、会社の存続を危うくするリスクがあります。

 

オーナー社長さんには、少なくとも次の5点を考えていただく必要があります。

1 後継者を誰にするのか?

2 自社株をどう引き継ぐか?

3 税金対策をどうするか?

4 退職金をどうするか?

5 相続をどうするか?

 

法務や税務、財務会計が絡む複雑な手続き・・・弁護士や税理士などの専門家の助言、指導を受けることが必要です。

種類株式や黄金株、持ち株会社(ホールディングス)、遺言書など、承継にあたって経営者の想いを引き継ぎためのテクニックもあります。

信金や地銀の言うなりではなく、セカンドオピニオンを取り入れながら、自身の考え、想いを組み込むことが重要です。

 

時間のない忙しい社長さんに読んでいただきたい3冊を紹介させていただきます。

「銀行主導にはさせない 事業承継のススメ」

谷敦著 幻冬舎 800円+税

ケース1 銀行の言いなりで20億円もの負債を背負うことに ホールディングス編

ケース2 本来の目的をはき違えると税務拒否され、ホールディングス化は無効に

ケース3 退職金を侮るなかれ。税務否認されると株価に大影響 退職金編

ケース4 後継者の急死で遺族に多額な相続税負担が発生 生命保険

ケース5 届かなかったラストラブレター。遺族を守るにはさらなる手立てが必要 種類株式編

ケース6 遺言と遺留分放棄を活用し、相続を円満に 遺言書編

実際の6つのケースをストーリー風に展開されて読みやすい一冊です。

著者は保険代理店社長アでNPO法人役立つ士業協議会の理事長を務めています。

そして、なぜか竹中平蔵さんが「中小企業の事業承継を救う一冊だ」と帯で同書を推薦されています。

2冊目は、会計士・税理士・社労士の資格を持つ士業が執筆した一冊です。

「二代目社長のための事業承継読本」

音田崇幸著  幻冬舎  800円+税

 

目次

第1章 事業を引き継いだあとに失敗する2代目社長たち

第2章 引き継いだ会社をつぶさない「財務編」資金繰りと税金のポイント

第3章 引き継いだ会社をつぶさない「労務編」人事のポイント

第4章 引き継いだ会社をつぶさない「新規事業編」新たなビジネス

第5章 引き継いだ会社をつぶさない「法務編」万全な相続対策

第6章 目指すは100年先を見据えた企業づくり

「社長の仕事は業務ではなく経営」

「経営を好きになることが事業承継を成功に導く一番の秘訣」

前の「事業承継のススメ」が現経営者の視点に立った一冊でしたが、こちらは二世、後継者の視点で書かれた一冊です。

そして、ご紹介する3冊目はワークブックです。

「事業承継に困らないバトンタッチノート」

WT税理士法人編著 ぎょうせい 500円+税

事業承継は、法律や税金、経営の問題が複雑に錯綜した応用問題・・・。
個別、ケースバイケースで高度な専門性を有するプロフェッショナルが関与しなければなりません。

自社株の引継ぎ、税金対策、退職金、事業承継計画策定、後継者教育・・・。
実際、自社株の引継ぎで経営権が分散したり、相続が争族になったり、高額な贈与税や相続税で後継者が自滅したり・・・さまざまな困難が待ち受けています。

もくじ
1.事業承継について
2.知っておきたい対策の進め方
3.実践!書き込んでみよう

実際にエンピツなめなめ書き込みながら、エンディンングノートのように作成していくことが出来ます。

事業承継・・・基本的な知識を持っているだけで、対応策は全く異なったものになります。

知っているだけで大違い。

知らないと大損。

出版社の回し者ではありませんが(笑)・・・

三冊買っても2000円以内・・・事業承継を進めていこうと思っている社長さんにお薦めです。

会社を存続させ、生き残るために!


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 広島・平和公園までテクテク... | トップ | 今日の広島は快晴です 清々... »
最新の画像もっと見る