う~ん、仕事、行き詰っているなあ。
毎週、上司から説教です。
毎日、と言ってもいいかな。
昨日は
Iさんと会って、久しぶりのお茶、ランチ。
彼女は社交的なので
すぐに新しい仕事が見つかって、快適に働いているようだ。
私も
以前より気楽な気持ちで働ける、と思ったが
そうはいかなかった、という話。
それについてはいずれ
書けるときに。
年末から年始にかけて
映画、ドラマを録画しておいたのを
集中して
休みの日に観たのだが
これを観よう、と思っていなかった
思いがけない映画に心を捕らわれた。
それが
先日取り上げた
「メトロマニラ」という映画である。
これを観てしまったら
他の観た映画がかすんで見えるくらいに
心に重く残ってしまった。
無名の、未公開の
だから
私も全く知らなかった映画。
どれほどの人が観たであろうか。
wowowの無数の映画の中で
有名なものがたくさんある中で
どれほどの人がこれをセレクトしたであろうか、と思った。
ストーリーとしては複雑なものではない。
純朴な、人の良い田舎の家族が
都会に出てきて
出会う人間に悉く騙されたり裏切られたり
そのうち
ズルズルと犯罪に引き込まれていくのである。
何度も、ここで立ち止まれ、ここで強い意志を貫け、
と心で叫ぶ。
そして
私の甘さというか
1人くらいは、正義の人間がいるであろう、と思ったのだが
最後の最後まで
容赦なく、裏切りと打算の人間が登場するのである。
観ていながら
日本の治安とか法律とか倫理とか
これが当たり前だと思っていたのだが
まだまだ
そうじゃない国があるんだ、と思い知らされる。
現金を運ぶ警備保障会社に勤めることは命懸け、だとは。
もちろん
日本のそれも、命懸けの仕事であろう。周囲を警戒しつつ運んでいるのであろう。
しかし
映画の中でのその仕事は、文字通り命懸け。
それで何人もの人間が命を落としている。
銃が日常茶飯事の如く使われる。
そんなに、輸送車を襲う人間があちこちにゴロゴロいるということ。
同じようなストーリーを日本という国を舞台にしたら
成り立たないような展開である。
輸送車の犠牲者の遺品を、社員が届けるのが慣習(かんしゅう)というフィリピンの
警備保障会社。
それをうまく生かしたクライマックス。
後半のスピード感、ハラハラ感が迫ってくる。
そのスピードについていけず
あ、そうだったのか!と気づいても
巻き戻して観るにも録画をしていない。
幸い
再放送が2度ほどあるので、録画ができた。
あとでもう一度見直してみようと思った。
しかし見直すにしても
余りに悲しい映画。
救いは最後にあっても、ほんの少しだ、ほんの少しの光。
あれしか救いはなかった。
貧しさから来る悲劇はいやだ、と書いた先日。
そうじゃないんだ、貧困という経済的なこと以上に
心が貧しい、倫理を失くすことがいやなんだ。
結局主人公も、弱さから犯罪に手を染めるけれど
その絶望感が観ていてつらかった。
正義を、倫理を貫けない弱さ。
罠に嵌っていく過程で、どこだったら後戻りできたか、と
考えてしまう。
心が重くなって、
夫に
「ああ~、泣いてしまった~」と言った。
他の映画が非現実的で、娯楽として観れば面白いのかもしれないが
この映画は、どこかの国で実際にありそうで、まだ、心の発展途上国のようで
リアル感があった。
そして
私と同じような気持ちの方がいらっしゃった、というのが
嬉しかった。
(コメントを書いてくださったやすぞう様です)
地上波で放映しないのかもしれない。
でもこれを観たら
絶対に、心に残ることは保証。
何とかの映画祭で、賞を取っているくらいだから
そこで観た人々の心におそらく焼き付いたことでしょう。
DVDでも発売されているようです。
観る機会があったらぜひ観てください。