人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

HJリムでチャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」を聴く~今年のマイ・ベストか!!

2014年12月01日 07時00分35秒 | 日記

12月1日(月)。わが家に来てから65日目を迎えた季節に敏感なモコタロです 

 

          

            おやぶん てーへんだぁ! 今日から12月ですぜー 油断できませんねぇ

 

  閑話休題  

 

昨日、サントリーホールで都響のプロムナード・コンサートを聴きました サントリーホールもクリスマス・イルミネーションがお出迎えです

 

          

 

プログラムは①スッペ「喜歌劇”美しきガラティア”序曲」、②チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番変ロ短調」、③ベートーヴェン「交響曲第8番ヘ長調」で、指揮は2011年のブザンソン指揮者コンクール優勝者・垣内悠希、②のピアノ・ソロは韓国のHJリムです

 

          

 

自席は2階C6列8番、センター左ブロックの左通路側です。会場は8~9割方埋まっている感じです ステージに楽員が登場します。コンマスは矢部達哉。第2ヴァイオリン首席にはエンカナ(遠藤香奈子)さんが健在です

1曲目はスッペの喜歌劇「美しきガラテア」序曲ですが、スッペはウィンナ・オペレッタ確立の立役者です 彼がいなければヨハン・ストラウスⅡ世の華々しい活躍もなかったかもしれません

タイトルだけではどんな曲なのか想像もつかないのですが、実際に聴いてみると、曲の冒頭の華々しいアレグロはどこかで聞き覚えのある曲想です 垣内+都響にとって、この曲は挨拶代わりの演奏です

 

          

 

ステージ左サイドからグランドピアノが中央に運ばれます。いよいよ待望のHJリムの独奏によるチャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番変ロ短調」です。サントリーホールで演奏するほとんどのピアニストはスタインウェイを弾きますが、HJリムはヤマハのCFXを弾きます

垣内悠希に伴われてHJリムがトレードマークの上下黒の衣装で颯爽と登場します 垣内のタクトでホルンが第1楽章の開始を告げ、リムのピアノが力強く入ってきます。リムは独特のアクセントをつけてガンガン弾き進めます 天下無敵、怖いものなし、疾風怒濤の演奏です 今まで何回この曲を生で聴いてきたか分かりませんが、これほど激しく、心の底まで響いてくる演奏に接したのは初めてです

第2楽章のアンダンティーノ・センプリーチェでは、フルートの優しいメロディーに導かれて穏やかな演奏を展開しますが、途中のプレスティッシモに移ってからは目にも止まらぬ速さで弾き切ります

そして第3楽章アレグロ・コン・フォーコに入りますが、ここでも唖然とするようなパワフルな演奏で聴衆を圧倒します。何ものも寄せ付けない力強いフィナーレは圧巻のひと言でした

何度もステージに呼び戻されたリムはアンコールに、超絶技巧曲のプロコフィエフの「トッカータ」を演奏し、またまた聴衆を唖然とさせ拍手の嵐を巻き起こしました

 

          

 

ここで、11月22日に開かれた「ベートーヴェン 4大ソナタ リサイタル」のプログラムに寄せたリムのメッセージをご紹介します

「もしもあなたが心地よさを求めているならば、申し訳ありませんが、ここにそのようなものはありません。優しさ、震えるような官能や愛撫、愛する人のことを思い浮かべた時の寒気がするような甘美な愛はあります。決してモノトーンの世界でも、静寂の世界でもないのです」

11月22日の演奏は、凄いとしか言いようのない演奏だったにも関わらず、会場がスカスカで、こちらもガッカリしていたのですが、昨日初めてリムの演奏を聴いた人は『生涯忘れることができない衝撃』を受けたのではないか、と思います これまで「知る人ぞ知る」存在だったHJリムは、この日のチャイコフスキーの演奏を境に、全国のクラシック音楽愛好者に知れ渡る存在になったと思います 今度12月12日にヤマハホールで開かれる「バッハ 平均律クラヴィーア曲集第1巻 リサイタル」は満席になると確信します

今年はこれまで169回コンサートを聴きましたが、この日のコンサートは間違いなく今年のベスト・スリーに入るでしょうし、あるいはマイ・ベストになるかも知れません

 

          

           

          

コメント
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