人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ゴーティエ・カプソン+ユジャ・ワンで「チェロ・ソナタ集」第1夜を聴く~ラフマニノフに酔う

2014年12月16日 07時01分46秒 | 日記

16日(火)。わが家に来てから80日目を迎えた中堅のモコタロです 

 

          

             tora家に来てからもう80日も経ってしまったよ

 

  閑話休題  

 

昨夕、トッパンホールでチェロのゴーティエ・カプソン(フランス。1981年生まれ)とピアノのユジャ・ワン(中国。1987年生まれ)による「チェロ・ソナタ」第1夜を聴きました プログラムは①ドビュッシー「チェロ・ソナタ」、②プロコフィエフ「チェロ・ソナタ ハ長調」、③ラフマニノフ「チェロ・ソナタ ト短調」です

 

          

 

自席はF19番、右ブロック左から2つ目です。会場は文字通り満席 会場の照明が落ち二人の登場を待ちます。ステージが明るくなり二人が登場します。ユジャ・ワンの姿を見て、一瞬「あれ?来るところを間違えたかな?・・・銀座5丁目の高級クラブに紛れ込んでしまったか??」と思いました 黒のセパレーツの水着、もとい、ドレスを身にまとっています。正確に言うと、セパレーツ水着のように上の部分と下の部分が分かれていて、お腹が丸見えなのですが、さすがに下はロングスカートです それでもひざ下は透け透けのシースルーです。これが彼女の”ウリ”なのでしょうか?ここは銀座5丁目のクラブではなく、トッパンホールであることを自分に言い聞かせて音楽に集中することにしました

この日の演奏曲目は3曲ともほとんど初めて聴く曲です。いずれもCDを持っていないので”予習”が出来なかったのです 1曲目のドビュッシーのチェロ・ソナタは、第1楽章「プロローグ。ゆっくりと」、第2楽章「セレナード。適度の活気をもって」、第3楽章「フィナーレ。活気をもって」から成ります 第1楽章冒頭、ユジャ・ワンの強打が会場に響き渡り、その後カプソンのチェロが入ってきます。「へーえ、ドビュッシーってこういう曲を作ったんだ」と感慨深いものがあります なにせ初めて聴くのでどこにポイントを置いて聴いたら良いか分からないまま全曲が終わってしまいました

 

          

 

2曲目はプロコフィエフの「チェロ・ソナタ ハ長調」です。解説によると、プロコフィエフはチェロの巨匠ロストロポーヴィチの演奏を聴いて刺激を受け、彼の協力を得ながらこの曲を作曲したとのこと ロストロポーヴィチってすごい人だったのだと、今さらながら思います 第1楽章「アンダンテ・グラ―ヴェ」、第2楽章「モデラート」、第3楽章「アレグロ・マ・ノン・トロッポ」から成ります。第1楽章冒頭はチェロの低音が腹の底に響く音楽です テンポを変えながら音楽が進みますが、時によってユジャ・ワンのピアノが前に出過ぎる場面が見られ、完全にカプソンのチェロの音が消されていました それが彼女の真骨頂だと言えばそうなのかも知れませんが、ちょっとやり過ぎかも、と思ったのは私だけだったでしょうか

 

          

 

休憩後、再びステージが明るくなり、二人が登場します。ユジャ・ワンの姿を見て、私はまた「あれ?ここは銀座6丁目のナイト・クラブだったっけ??」と頭がこんがらがりました 彼女は、お色直しをして、今度はブルーのノースリーブ、右足に大胆なスリットの入ったドレスで登場したのです 私はここでも、ここは銀座6丁目のナイト・クラブではなく、トッパンホールであることを自分に言い聞かせて音楽に集中することにしました

ところが、第1楽章から良いメロディーが流れる中、自席の左後方から”いびき”が聞こえてきたのです 少し後ろを振り返ると、センターブロック右通路側の太った中高年男性が下をうつむいたまま”いびき”をかいています。大きな音で音楽が流れている時は気にならないのですが、ピアノやピアニシモになった時は、”グー、グー”といういびきはすごく響きます。”いびき”は”ひびき”ます

よく考えてみましょうね。このコンサートの入場料は全席指定8,000円です。”迷惑いびきオヤジ”は8、000円も出して寝に来たのです その周りの聴衆は8,000円出して音楽を聴きに来たはずが、音楽の代わりに”いびき”を聞かされたのです これっておかしいですよね?チェロの演奏者はフレンチなのに、聴いている聴衆の一人がハレンチでは周囲の聴衆は救われません

そこで思い出したのは、先ほどこの曲が始まる直前、その席の周辺でトラブルがあり、女性が席を立って出て行ったのです 想像するに、”いびきオヤジ”の隣席の女性がイビキをかかないようにと注意したのに、「俺はいびきなどかいておらん」とか返答して、話にならないと思った女性が「それじゃあ、私が出ていきます」と啖呵を切って退席したのではないかと思います いい迷惑ですよね。8,000円も払って不愉快な思いをして自分が権利を放棄しなければならないなんて せっかくの楽しみが台無しですよね。こういう”迷惑いびきオヤジ”には、演奏中は口と鼻をふさいで欲しいと思います。できれば永遠に。プログラムに「アンケート用紙」が挟まれていたので、ここに告発してやろうかと思いましたが、休憩時間にゴミ箱に捨ててしまったことを思い出しました 普段、この手のアンケートには答えないことにしているのが裏目に出ました どうせならあのオヤジをゴミ箱に捨てたいくらいです

今夕もトッパンホールに二人のコンサート(チェロ・ソナタ第2夜)を聴きに行くので、もし”迷惑いびきオヤジ”を発見したら、アテンダントに”要注意人物”だと忠告するもんね 2日連続で犠牲になるなんて有り得ないしぃ。それでも”いびき”をかいているようだったら、何らかの方法でトッパンホールの危機管理態勢を問います

さて、気を取り直して、ラフマニノフの「チェロ・ソナタ ト短調」です。交響曲第1番が酷評され落ち込んでいたラフマニノフでしたが、ピアノ協奏曲第2番で復活、その直後に作曲されたのがこの曲だったのです したがって、全曲を通してピアノ協奏曲第2番の”精神”を受け継いでいるかのようにロマンに溢れた曲想です この曲の聴きどころは第3楽章「アンダンテ」でしょう。まさに、これぞ”ロマンティシズムの極致”です

会場一杯の拍手とブラボーに、二人はラフマニノフの「ヴォカリース」を演奏してくれました        

今聴いた演奏が良かったかどうかについて、私は「もう一度聴きたいと思うか?」というのと、初めて聴いた曲については「その演奏によって、その曲が好きになったか?」という基準を設けています その意味で、この日のラフマニノフの「チェロ・ソナタ ト短調」の演奏は、この曲が好きになり、もう一度聴きたいと思ったことを告白せざるを得ません これは決して、ユジャ・ワンのセクシーなステージ衣装のせいではないことを敢えて付け加えておきます

コメント (2)
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