7日(日)。わが家に来てから71日目を迎えた頭に手が届かないモコタロです
あったま かゆいんだよね 手が(前足が)届かないし
閑話休題
昨日、晴海の第一生命ホールで「モーツアルト・ガラ・コンサート」を聴きました 毎年、モーツアルトの命日である12月5日前後に開いている公演です ホールが入っているトリトン・スクエアの1階受付脇でクリスマス・イルミネーションがお出迎えです
プログラムは①フルート協奏曲第2番ニ長調K314、②ピアノ協奏曲第8番ハ長調K246、③ディヴェルティメント ヘ長調K136、④クラリネット協奏曲イ長調K622で、①のフルートは工藤重典、②のピアノは小菅優、④のクラリネットはチャールズ・ナイディック。バックを務めるのはN響のピックアップ・メンバー、指揮者なしでコンマスの山口裕之氏のリードにより演奏します
自席は1階15列25番、右ブロックの左通路側です。会場はほぼ満席 拍手の中、N響メンバーが登場します。山口氏以外で顔と名前が一致するのはヴァイオリンの宇根京子、チェロの向山佳絵子、コントラバスの吉田秀くらいです
1979年パリ音楽院で名手J.P.ランパルのクラスで一等賞を得て卒業し世界的に活躍する工藤重典氏が登場、山口氏の合図で「フルート協奏曲第2番」の第1楽章を開始します 実を言うとこの曲は私のクラシック音楽入門の曲です しかも最初に聴いたのはラジカセから流れてきたN響の演奏で、ソロは当時のN響首席・宮本明泰さんでした
明るく軽快な演奏を聴いていると、幸せな気分になってきます 各楽章のカデンツァにおける工藤の演奏は流石でした。モーツアルトの魅力を余すことなく引き出していました
スタインウェイがステージ中央に運ばれ、2曲目の「ピアノ協奏曲第8番」の演奏に備えます。この曲は「リュッツォウ」という綽名が付いていますが、これはモーツアルト家が親しかったリュッツォウ家の夫人マリーア・アントーニアのために書かれたことに由来します
拍手に迎えられ小菅優が、黒を基調とした一見着物のようにも見える鮮やかな衣装で登場し、ピアノに向かいます この曲はオケの序奏から始まり、途中からピアノが入ってくるのですが、小菅は第1楽章の序奏部分からピアノでメロディーを弾きます。当時のモーツアルトも即興で弾いていたかも知れません
軽快な演奏ですが、曲想としてはピアノで弾いていながらチェンバロ的な響きがします小菅は楽しげに生き生きと演奏します。モーツアルトはこうでなくっちゃ 第2楽章のアンダンテを聴いていて、やはり、生きてモーツアルトが聴ける幸せを感じました
休憩後の最初は12人の弦楽合奏でディヴェルティメントK138が演奏されます N響の弦楽アンサンブルは実に見事に揃っています 私はどちらかと言うとK136の方が好きなのですが、このK138も爽やかで味のある曲です
最後は晩年の傑作、クラリネット協奏曲K622です。ソリストのチャールズ・ナイディックが変わった形をしたクラリネットを持って登場します まるでコブラが鎌首をもたげたような形で、先頭が90度曲がっています。この楽器、確かに見たことがあるし、聴いたこともあると思って後で調べたら、2012年10月3日にJTアートホールでモーツアルトの「クラリネット五重奏曲」を演奏した人でした 彼の演奏するのは、いわゆる”ピリオド楽器”(古楽器)です。古楽器特有の木製の響きがあります
この曲は名曲中の名曲です とくに第2楽章アンダンテは、天国の音楽です。モーツアルトが雲の上から、この世に別れを告げているかのようです
初冬の土曜日の午後、モーツアルト三昧の2時間は幸せのひと時でした