7日(金).暑い日が続きますね 6月頃だったか,多くの気象予報士が「今年の夏は冷夏になる」なんて言ってませんでしたっけ 今になって彼らの予報成績を採点すれば”零か” ということで,わが家に来てから301日目を迎え,第3者の面前でガールフレンドの白ウサちゃんと熱いキスを交わすモコタロです
こらこら君たち この暑いのに 少しは遠慮しなさい!
閑話休題
昨夕,ミューザ川崎で昭和音楽大学のコンサートを聴きました これは「フェスタ・サマーミューザ2015」の一環として開かれたコンサートです.プログラムは①ムソルグスキー「禿山の一夜」(原典版),②ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番ハ短調」,③ムソルグスキー/ラヴェル「組曲”展覧会の絵”」.②のピアノ独奏は同大学博士課程在籍の加藤大樹,指揮は齋藤一郎です
自席は2Rb4列8番,2階の右サイド最前列左通路側です.4列目で最前列というのは,ミューザ川崎は2階席が二重になっていて,4列目が実質3階席の1列目の位置にあるからです.面白い作りです
学生たちが入場します.プロのオケと違うのは座席の順番に整然と順序良く入場してくることです.これは効率的です オケの後ろのP席と3階席はチケット販売の対象外らしく空席になっています.その他は,ほぼ9割以上の入りだと思います
オケ全体を見回して気が付くのは,これは”女子軍団”ではないか,ということです 全体で84人くらいのメンバーの中で男子は24人程度.ヴァイオリンとヴィオラに限ってみれば男子は36人中たったの2人に過ぎません コンマスこそ男性(多分,学生ではないな)でしたが,これが現在の日本の音楽大学の実態を表した縮図のようです
オケは左から第1ヴァイオリン,第2ヴァイオリン,チェロ,ヴィオラ,その後ろにコントラバスというオーソドックスな態勢をとります 斎藤一郎が登場,1曲目のムソルグスキー「禿山の一夜」(原典版)の演奏に入ります この曲は「聖ヨハネ祭前夜,禿山に地霊が現われる」というロシア民謡を基に書かれた作品です.”原典版”で演奏される「禿山の一夜」は,確かにいつも聴いているそれに比べると,よりワイルドと言うか,気味悪さが伝わってきます こちらの方がはるかに良いのではないかと思います
ピアノが右サイドからセンターに運ばれ,2曲目のラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番ハ短調」の演奏に備えます.ソリストの加藤大樹が齋藤一郎とともに登場し,ピアノに向かいます ピアノのソロから入り徐々にテンポアップしてロマンを奏でます 加藤は惜しいことに第1楽章で一か所外しましたが,後半にいくほど乗ってきて挽回しました.なかなかの力演でした 斎藤の指揮による分厚いオケがしっかりソリストを支えました
休憩後はムソルグスキー(ラヴェル編)の組曲「展覧会の絵」です.冒頭はトランペットの独奏により”プロムナード”が,曲全体のファンファーレのように奏でられますが,ソロを吹いた女子学生が素晴らしかった ここでこの演奏の成功を確信したほどです この学生は後の「サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ」でミュートによる速いパッセージを鮮やかに吹いて聴衆を唸らせました なかなか良いと思います
「ビドロ(牛車)」で演奏したチューバの女子学生も素晴らしい演奏でした フルートもオーボエもクラリネットもファゴットもホルンも,と挙げていったらキリがないほど管楽器奏者たちの活躍には目覚ましいものがありました もちろん,分厚い弦楽器群によるアンサンブルは言うまでもありません
演奏後,大きな拍手とブラボーが会場を満たしましたが,私の後方の上の方から「ノンちゃ~ん」(と私には聞こえた)という太い掛け声が掛かりました ステージ上の学生たちも客席の聴衆も声の発信地の方を見上げて笑っています 私はン十年前の「ランちゃ~ん」「スーちゃ~ん」「ミキちゃ~ん」というキャンディーズのオッカケ男子を思い起こしました 今の時代はさしずめAKB48か・・・多すぎね? あーた,48人も追っかけられないよ それにつけても,青春って素晴らしいなぁ.恥も外聞もなくて
この日の演奏を聴いて思ったのは,学生たちの演奏水準の高さです もうプロの領域に達しています.これで入場料が1,000円なんて申し訳ないくらいです
音楽大学の学生たちの演奏を聴いていつも思うのは,今はいいけど卒業したらどうするのだろうか,ということです いくつもの音楽大学があり,毎年多くの学生たちが巣立っていく訳ですが,彼らの将来はあるのだろうか.と他人事ながら心配になります 当の本人たちは今が楽しいのかも知れませんが,いつかは現実に向き合わなければなりません.頑張ってください.陰ながら応援しています