人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

上野千鶴子・湯山玲子「快楽上等!~3.11以降を生きる」を読む

2015年08月15日 07時27分27秒 | 日記

15日(土).わが家に来てから309日目を迎え,ケン・ラッセル監督映画「マーラー」のVHSビデオにイチャモンをつけるモコタロです 

 

          

            VHSを再生するデッキがないんだってさ 悲劇的だね!

 

  閑話休題  

 

上野千鶴子・湯山玲子「快楽上等!」(幻冬舎文庫)を読み終わりました 上野千鶴子さんは1948年富山県生まれ,東京大学名誉教授.日本における女性学・ジェンダー研究のパイオニア的な存在です 一方,湯山玲子さんは1960年東京都生まれ,著述家,ディレクターです

 

          

 

この本は,ひと回り年齢の離れた女性2人の対話集で,取り上げているテーマは3.11東日本大震災,恋愛,結婚,快楽,加齢など極めて身近な出来事です とくに女性が読んだら「うんうん,その通りだ」と共感するところがあちこちにあるに違いありません

二人の立場の違いは年齢差だけではなく,上野千鶴子さんが独身であるのに対し,湯山玲子さんは結婚していることです その点で考え方が微妙に違ってくるところがあります 例えば,3.11の時の上野さんの対応です.上野さんは語ります

「広瀬隆も知っていたし,チェルノブイリの原発事故の影響も知っていた.いろんな人たちが原発の危険を唱えていることも,全部知っていた」「しかし,私は動こうとしなかった」「そのことに内心忸怩たる思いがある.自分の中に引っかかってたものがあるから」「それは,チェルノブイリ事故後のエコフェミの動きに,『お母さん』という呼びかけがあったから」「母性はやっぱり女を分断する.女を呼ぶのに,なぜ,言うに事欠いて『お母さん』と呼ぶのか.そう呼ばれただけで,『じゃあ,私は入っていないのか』となる.女性差別の中で最たるものは,子供を産まなかった女に対する差別だから.女の中にも『女の上り』は子供をうむこと,母になることだという意識があるから,母にならなかった女は一生涯ハンパ者,未熟者,未完成品だというわけ

こういう意識は,多分共感できる女性も多いのではないかと想像します

ところで,湯山玲子さんは作曲家の湯山昭さんの娘さんだということが明らかにされています 私は不勉強で全く知らなかったのですが,湯山昭という人は東京藝大を卒業後,作曲活動を行い,主に合唱曲を多く作曲している方であることが分かりました 小学校や中学校の校歌なども数多く作っています そういう血筋なのでしょう.クラシックではないけれど,玲子さんは学生時代からバンドをやっていたそうです

「応援団作りとソーシャルネットワーキング」というテーマの中で,次のような会話があります

湯山:言葉って,上手,ヘタを含めて,人物そのものですからね.また中でも,短い言葉が力を持つ

上野:ワンフレーズ・ポリティクスね.あなたの『爆クラ(爆音クラシック)』もそうだけど,こういうフレーズがパワーを持つ

今ご覧いただいているブログの左下に「にほんブログ村」の「コンサート・演奏会感想」がありますが,そこをクリックしてみてください すると一番上にtoraブログがありますが,何番目目かにBakuklaというブログがあります.猫が首を振っているアイ・キャッチャーのブログです まさか,とは思いますが,上野さんの言われた湯山さんの『爆クラ(爆音クラシック』って,そのBakuklaなのでしょうか??? 多分そうなのだと思います 『短い言葉が力を持つ』というのは,そのBakuKlaを覗いてみると理解できます

400ページにも及ぶこの本は,二人の女性の視点から様々な問題について語り合っていますが,見出しだけ見ても興味が湧いてくる話題ばかりです いくつか挙げてみましょう

〇旧男類を黙らせる,技術としての『女装』パワー

〇子どもかキャリアか,女の生き方を分けた百恵ちゃんと聖子ちゃん

〇カツマー型アプローチの限界

〇『予測誤差』があるほど快楽の刺激は強い

〇加齢は誰にも選択できない

さあ,どうでしょう.どうしても読みたくなってきませんでしたか?消費税抜きで690円です

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする