人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

シューベルト「未完成」,ベートーヴェン「運命」,ドヴォルザーク「新世界より」を聴く

2015年08月17日 07時03分01秒 | 日記

17日(月).東京は昨夜から雨が降り続いているせいか,今朝は涼しいですね たまには雨も降らないと困りますが,大雨による土砂災害は御免です ということで,わが家に来てから311日目を迎え,ソフトバンク・タオルの白戸家のおとうさん犬に話しかけるモコタロです 

 

          

             君たちの出演料は3匹込み? それとも単独契約?

 

  閑話休題  

 

昨日,東京オペラシティコンサートホールで読響第3回東京オペラシティ名曲シリーズ公演を聴きました プログラムは①シューベルト「交響曲第7番ロ短調”未完成”」,②ベートーヴェン「交響曲第5番ハ短調”運命」,③ドヴォルザーク「交響曲第9番ホ短調”新世界より”」で,指揮はケン=デイヴィッド・マズアです

「マズア」という名前で想起するのはクルト・マズアです.旧東ドイツの指揮者で,ドレスデン・フィル,ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団,ニューヨーク・フィル,ロンドン・フィルの首席指揮者や音楽監督を歴任しています ケン=デイヴィッド・マズアは,彼の3番目の妻である桜井偕子との間の子です.父クルト・マズアが読響の名誉指揮者という立場にあることから子息に声がかかったのではないかと思います

 

          

 

自席は1階30列10番,左ブロック右通路側席です.会場は「三大交響曲」公演とあってか文字通り満席です  オケのメンバーが登場します.コンマスはダニエル・ゲーデ.オケの態勢は左から第1ヴァイオリン,第2ヴァイオリン,チェロ,ヴィオラ,その後ろにコントラバスといったオーソドックスな配置です 指揮者ケン=デイヴィッド・マズアが登場しますが,日独ハーフなので顔はほとんど日本人です 上のチラシではどこかの地味なおじさんという風貌ですが,本物はもっとスマートで精悍な顔つきをしています

さて,1曲目のシューベルト「交響曲第7番ロ短調」の演奏に入ります.私がクラシックを聴き始めた頃は第8番”未完成”と呼ばれていました 冒頭は低弦により地獄の底から湧きあがってくるような暗く物悲しい音楽が現われます マズアはタクトを左手に持ち,右手でオケから音を紡ぎ出すように指揮をします.そして軌道に乗ったところでタクトを右手に持ち替えます 第2楽章は天国的な美しさです.管楽器と弦楽器とのコラボレーションが素晴らしい音楽です

シューベルトはこの曲の第3楽章に入ったところで作曲を中断してしまい,自筆譜を知人に渡してしまったため,生前に聴くことがありませんでした.こんなに美しい音楽を聴かずに死んだなんて,気持ちが”未完成”で,本当に残念だったことでしょう

2曲目はベートーヴェン「交響曲第5番ハ短調」です.この曲はちょうど1か月前の7月16日にジョナサン・ノット指揮東京交響楽団による演奏で聴いたばかりです どうしても比較して聴くことになります.テンポの設定は両者とも高速で”現代のベートーヴェン”といったところです しかし,この曲に賭ける”気合い”という点ではノットの気迫あふれる演奏が一段上のように思います もちろんマズアの指揮が悪いということではなく,あまりにもノットの指揮が狂気に迫るほどだったので,劣って感じてしまうのです それでも第4楽章のフィナーレは読響の管弦楽フル動員で見事な演奏を展開しました

 

          

 

休憩後はドヴォルザーク「交響曲第9番ホ短調」です.「新世界から」という愛称はドヴォルザークがアメリカ(=新世界)滞在中に,故郷を想って作曲したことから付けられたものですが,曲全体がノスタルジックな印象に満ちています この曲はもちろん名曲ですが,第8番も負けず劣らず名曲で,個人的にはカラヤン指揮ウィーン・フィルの演奏がLP(CD)では一番好きです

マズアはこの曲でも,冒頭はタクトを左手に持ち,右手で音を紡ぎ出します オーボエ,フルートをはじめ管楽器が冴えています.第2楽章のラルゴはいつ聴いても良いですね イングリッシュ・ホルン(コーラングレ)によって有名なテーマが奏でられます このテーマは日本では「家路」という題名で知られています.「遠き山に陽は落ちて・・・」という歌詞です.私はこのメロディーを聴くと,小学生の時に入っていたボーイスカウトで歌ったのを思い出します.裏覚えですが,ボーイスカウトでは「野営の歌」と呼んでいたように思います

この楽章の終盤で,そのメロディーを弦楽器の首席奏者が室内楽的に演奏するところがありますが,何と美しいアンサンブルかと感動しました.この曲の演奏の白眉と言っても良いかもしれません

ティンパ二とトライアングルの強打によって開始される第3楽章を経て,間を置かず第4楽章に入ります 冒頭の弦楽器による序奏部分は,まるで機関車が動き出す時の音楽のようです.ドヴォルザークは鉄道マニアであったことは良く知られていますが,赴任先のニューヨークでも機関車を見に行ったようです そうしたことが,この第4楽章に反映していると言っても過言ではないでしょう

ケン=デイヴィッド・マズアは1977年生まれといいますから今年38歳.まだまだこれからの指揮者です マズアはこの日のプログラムと同じ演目によって今日(読響サマーフェスティバル:18時半~東京芸術劇場)と明日(読響三大交響曲:15時~パルテノンン多摩)指揮します.この機会にお聴きになっては如何でしょうか

 

  も一度,閑話休題  

 

コンサートが終わったのが午後4時10分.すぐに地下鉄で初台から神保町経由で日比谷に向かいました 有楽町の東京交通会館地下1階のシルバーサロンBで開かれている「第15回アトリエぱるる絵画展」に行くためです.この展覧会は画家の山内しず子さんの門下生による発表会の位置づけにあります 近くのマルイ1階の花屋さんで薔薇をブーケにしてもらい,アトリエに行きました 

 

          

 

昨年は鉛筆の素描画を出展した知人のKさんが,今年初めて油絵を出展するということで楽しみにしていました.幸いKさんがアトリエに居たのでブーケを渡して写真を撮りました 同じ門下生の女性に話を聞くと,Kさんの作品は初めて油絵を描いたとしては凄く上手だということでした 素人目にも素晴らしい作品だと思いました.そこに居合わせた3人の門下生は,私の持参したブーケを写真に撮ってそれを油絵に仕上げようと話し合っていました.そうしていただくと,持参した甲斐があります Kさんとは少し立ち話をして失礼しましたが,展覧会は今週土曜日午後5時まで開かれているそうです.沢山の方がお見えになると良いですね

 

          

コメント
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