人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

秋山和慶+東響でマーラー「交響曲第2番”復活”」を聴く~フェスタ・サマーミューザ

2015年08月10日 07時02分06秒 | 日記

10日(月).わが家に来てから304日目を迎え黒キューピーちゃんと戯れるモコタロです 

 

          

 

  閑話休題  

 

昨日,ミューザ川崎で「フェスタ・サマーミューザ・フィナーレ・コンサート」を聞きました 演奏曲は秋山和慶指揮東京交響楽団にるマーラーの「交響曲第2番”復活”」.ソリストはソプラノ=天羽明恵,メゾ・ソプラノ竹本節子,合唱=東京コーラスです

 

          

 

午後3時からの公演に先立って,2時20分からプレ・トークありました 音楽ジャーナリストが指揮者の秋山和慶氏にインタビューする形で進められました.秋山氏は「なぜ今マーラーの復活か」について次のように語ります

「今,世界で戦争が話題にされています.私は広島交響楽団で指揮をとっていますが,今日(9日)は長崎に原爆が落とされた日です.その1945年から70年が経ちました.マーラーの交響曲第2番は今から約120年前に作られましたが,その後の世界大戦を予告するかのような音楽になっています 私は,人間の性善説に立って,音楽の力によって人間の良い面を引き出していければと思っています.この曲の第4楽章にあるように,人間は死ぬために生きるのではなく,生きるために死ぬのだと思います」

 

          

 

さて,本番です.自席は1C8列31番,センターブロック右から2つ入った席です.会場は文字通り満席です 合唱団のメンバーがP席とその手前の左右の席に三々五々座って行きます.100数十名の合唱団は壮観です 男声を中にして女声が両サイドから挟む形です.オケのメンバーが登場します.いつもの通り左から第1ヴァイオリン,第2ヴァイオリン,チェロ,ヴィオラ,その後ろにコントラバスという態勢をとります.コンマスは・・・・・・さて,これはいたい誰でしょう?一度も見たことがありません 多分客員コンマスだと思いますが,まだ若い小柄な男性奏者です

ロマンス・グレイの秋山和慶が登場し,さっそく第1楽章「アレグロ・マエストーソ」に入ります この楽章は「交響曲第1番」で描かれた”英雄”への葬送曲です.冒頭の力強い弦楽器による総奏によって幕が開きます.集中力に満ちた演奏が展開します 第2楽章は,過ぎ去りし日の回想です.全5楽章の中で最も穏やかな楽章です

第2楽章が終ったところで,ステージの左サイドからソプラノの天羽明恵が,右サイドからメゾ・ソプラノの竹本節子が入場しスタンバイします

第3楽章「スケルツォ」は,夢から覚めたときの喧騒です.そして第4楽章は冒頭”芸術は爆発だ”とでも言いたくなるような激しい音楽が展開します そして,メゾ・ソプラノ独唱が神への帰依を歌い上げます.竹本節子は新国立オペラで何度も聴いていますが,今回のようなマーラーでの独唱も堂にいったものです 荒絵理子によるオーボエの素晴らしい演奏が支えます

舞台裏のホルンとステージ上のオーボエとの会話が素晴らしく響きます そして,バンダ(小編成楽団)がステージ上のオケとのアンサンブルを奏でます.ここで,ハタと思ったのは,彼らはどこのモニターカメラの映像を見ながら演奏していうのだろうか,ということです 前日のベートーヴェン「レオノーレ序曲第3番」の時のトランペットは,舞台袖の扉が全開されていたので,舞台裏のトランペット奏者は直接指揮者を見ながら演奏していたのではないか,と思っていたのですが,バンダは複数の奏者が演奏するので,それは不可能ではないかと思いました 何気なく2階正面を見上げると,パイプオルガン奏者が控えていて,彼の目の前にモニターテレビが指揮者を映している様子が見えました つまり,指揮者を映し出すモニターカメラはどこかに設置されている訳です.したがって舞台裏のバンダも同じカメラからの映像を見ているはずです.ただ,いったいどこにカメラがあるのかまったく分かりません

そうこうしているうちに,復活を呼びかける第5楽章に入ります 秋山の合図で合唱団が中央にまとまり,合唱が厳かに歌い出します.そして天羽明恵のソプラノが加わります.かなり前の席なのでソリストの顔が良く見えますが,彼女もちょっとお年を召したな,と思いました それでも美貌と歌唱力は衰えません.合唱も迫力があります

フィナーレは圧巻でした.管楽器が咆哮し,弦楽器が唸り,打楽器が止めを刺し,ソリストと合唱団が復活を呼び掛けます かなり前の席なので,音の塊りが上から下からビンビンと迫ってくるのが分かります

何度もカーテンコールがあり,ソリストがステージに呼ばれました 東響コーラスの皆さま,お疲れ様でした.素晴らしいコーラスでした

これで7月25日(土)にマーラー「交響曲第1番」で幕を開けた「フェスタ・サマーミューザ2015」も,昨日8月9日のマーラー「交響曲第2番”復活”」をもって終了しました この間,ミューザ川崎で9つのコンサートを聴いてきましたが,公開リハーサルあり,プレ・コンサートあり,プレ・トークありで,十分楽しませてもらいました お祭りが終わってちょっと寂しい気持ちがしますが,また来年を楽しみにしたいと思います

 

          

 

          

 

コメント
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