23日(日)。わが家に来てから317日目を迎え,久々にお兄ちゃんからご飯をもらうモコタロです
夏休み もう終わりだって? 理科系の大学って大変だね
閑話休題
昨日、ミューザ川崎でマーラー祝祭オーケストラ特別演奏会を聴きました プログラムは①ハチャトリアン「ピアノ協奏曲変ニ長調」、②マーラー「交響曲”大地の歌”」です。①のピアノ独奏はアルメニア出身のカレン・ハコビヤン,②のテノール独唱は今尾滋、アルト独唱は蔵野蘭子、指揮は井上喜惟です
マーラー祝祭オーケストラは,そもそも2001年に井上喜惟(ひさよし)氏が2001年に発足させた「ジャパン・グスタフ・マーラー・オーケストラ」を,今回アマチュアだけでマーラー全交響曲演奏を完結するという壮大な計画の最後を締めくくるため,「マーラー祝祭オーケストラ」と改称したものです 2001年からマーラーの交響曲だけを演奏してきて,残すところ「大地の歌」と第8番だけになり,今回「大地の歌」を取り上げることになったわけです
ミューザ川崎はこの夏「フェスタ・サマーミューザ」で9日間通い詰めた会場で,ほぼ2週間ぶりです 自席は1C7列15番,センターブロック左から2つ目です.会場は半分くらい埋まっている感じでしょうか
オケのメンバーが登場し,配置に着きます.左の奥にコントラバス,その前に第1ヴァイオリン,右にチェロ,ヴィオラ,第2ヴァイオリンという対向配置をとります カレン・ハコビヤンが登場し,ピアノに向かいます.井上の指揮で1曲目のハチャトゥリアン「ピアノ協奏曲変二長調」が開始されます.第1楽章を聴いていると,何となくショスタコーヴィチのような曲だな,と思いましたが,より民族色豊かな曲想です 激しいリズムで世界中に知られる「剣の舞」で有名なハチャトゥリアンです.第3楽章こそが,彼らしいリズム感に満ちた激しい音楽でした
休憩後はマーラーの交響曲「大地の歌」です.オケにマンドリン奏者2名,ハープ2台が加わります.テノールの今尾滋とアルトの蔵野蘭子が登場し,指揮者の前にスタンバイします.交響曲「大地の歌」はテノールとアルト(またはバリトン)の2人の歌手によって歌われますが,1,3,5の奇数楽章をテノールが,2,4,6楽章をアルト(またはバリトン)が歌います
この曲は,ドイツ人,ベートゲが編纂した「中国の笛」に基づいて,マーラーが作曲した交響曲と歌曲集を融合させた全く新しい形態の作品です 次の6つの楽章から成ります
第1楽章は「大地の悲しみについて酒席で歌う」
第2楽章は「秋に寂しき者」
第3楽章は「青春について」
第4楽章は「美しさについて」
第5楽章は「春に酔えるもの」
第6楽章は「別れ」
聴いていて思うのは,マーラーの交響曲だけを演奏するために,アマチュアの演奏家だけが集まって練習を重ねコンサートに臨むということがいかに凄いことか,ということです 管楽器にしても,弦楽器にしても,打楽器にしても,予想以上の水準を示し,”マーラーの音”を現出していました ソリストの今尾滋とアルトの蔵野蘭子も素晴らしい歌声を聴かせてくれました 何となく落ち着かなかったのは,私自身にとって全く初めて聴く指揮者とオーケストラだったため,いらぬ緊張感があったためだと思います 会員になっている在京オーケストラのコンサートだと,見慣れた顔ぶれなので安心感があり不必要な緊張感がありません.その点,初めての指揮者+オケは緊張します
残念だったのは,オケ側でなく聴衆側でした.最後の第6楽章「別れ」のフィナーレで,アルトが「永遠に,永遠に・・・・」と静かに繰り返し曲を閉じるのですが,バックのオケの音が消えるや否や,「待ってました!」とばかりに拍手が起こったのです その時,指揮者のタクトは上がったままでした.クラシックの聴き方としては最悪の態度です とくにこの「大地の歌」のように静かに終わる曲では,最後の音が消えてから指揮者がタクトを下ろすまでの”しじま”こそがクラシックを聴く醍醐味と言っても過言ではありません 指揮者は一旦拍手が止んでから,しばし間を置いてタクトを下ろしましたが,指揮者にとっても”余韻”に浸ることが出来ず残念だったことでしょう
もう一つ残念だったのは,カーテンコールの時に,ケータイでステージを写していた愚か者が私が分かる範囲で2人いたことです 一人は会場の係員に注意されていましたが,もう一人はうまく逃れおおせたようです
こうした人たちを見ると,クラシックの「アマチュア」はオーケストラの方ではなく,聴衆の方ではないのか,と思ってしまいます
さて,次回の最終公演は来年2月28日(日)午後2時からミューザ川崎で開かれます もちろんマーラーの交響曲第8番「千人の交響曲」が演奏されます.チケットは11月ごろ発売されるらしいので是非とも購入したいと思います