人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

真夏に『第9』を聴く~高関健+東京シティ・フィル~フェスタ・サマーミューザ

2015年08月09日 08時17分48秒 | 日記

9日(日).わが家に来てから303日目を迎え,ウーロン茶について思索を巡らすモコタロです 

 

          

              ウーロン茶って「烏」「龍」と 動物の名前が2つ入ってるよ

 

  閑話休題  

 

昨日,ミューザ川崎で東京シティ・フィルのコンサートを聴きました これは「フェスタ・サマーミューザ2015」の一環として開かれたコンサートです プログラムは①ベートーヴェン「序曲”レオノーレ”第3番」,②同「交響曲第9番ニ短調”合唱付き”」です.指揮は同オケの常任指揮者・高関健,②のソプラノ=市原愛,メゾ・ソプラノ=林美智子,テノール=錦織健,バリトン=堀内康雄,合唱=東京シティ・フィル・コーアです

 

          

 

午後3時からの公演に先立って,午前11時半から同じ会場で公開リハーサルが開かれました 自由席のため,例によって2階センターブロックの最前列を押さえました

合唱団のメンバーが入場し,オケのメンバーが続きます.ということは最初に第9のリハーサルをやるということです コンマスは客員コンマスの松野弘明.リハーサルのため楽員と合唱団はカジュアルなスタイルです いつの間にか指揮者の高関健が指揮台に立っています.彼は小柄なので,いつどこから登場してきたのか不明です  しかも地味なポロシャツを着ているのでなおさら目立たないのです そして,拍手の中ソリストの4人が普段着で登場します.しかし,さすがに普段着でもオーラがあります

第4楽章の冒頭から演奏に入りますが,極めて速いテンポです カラヤンが第9をCD1枚に収めるためにテンポを速めたという正にそのテンポではないか,と思いました 考えてみれば高関健はカラヤンのアシスタントを務めていたことがあるのです.師匠譲りのテンポ感と言ったら良いのでしょうか

高関は合唱に入る前は,演奏しては止め,オケに注文を付け,また再会するといったやり方で第4楽章のリハーサルを進めました 一言で言えば,高関健の演奏の特徴は冗長なところがない小気味の良いテンポ感です

10分間の休憩後は,オケだけで1曲目の「レオノーレ序曲第3番」のリハーサルです この曲の終盤で,舞台裏でトランペットが演奏するシーンが2度ありますが,最初はその部分のおさらいです.舞台裏でトランペットを吹くと,指揮台の高関が「もっと遠くで鳴っている感じで」と注文を出し,トランペット奏者が舞台裏の奥に引っ込んで吹くと,「あまり変わらないな すいませ~ん,控室の向こうの警備員さんが居るところ辺りで吹いてもらえますか」と注文,やっとOKが出たかと思うと,2回目の演奏が少し音量が足りないと注文が出ます.このやり取りを何度も繰り返し,やっとOKが出されました 続いて序曲を全曲通して演奏しこの曲のリハーサルを終えました 次いで,再度「第9」に戻り,第1楽章から第3楽章まで,演奏しては止め,注文を付け,再度演奏するというやり方で進めました 井上道義と違って,演奏の最中に注文を付けることはしません.人それぞれです この公開リハーサルはタップリ2時間かけました

 

          

 

さて本番です.自席は1C5列15番,センターブロック左通路側席です.会場は8割方埋まっている感じでしょうか オケは左奥にコントラバス,その前に第1ヴァイオリン,右にチェロ,ヴィオラ,第2ヴァイオリンという対向配置をとります.高関健の時は必ずこの態勢です.約120人の合唱団が入場します

いつものように高関健がタクトなしで登場,そのまま指揮台に上がります.1曲目はベートーヴェン「序曲レオノーレ第3番」です.例の舞台裏のトランペットのシーンに来たとき,私は若干トランペットの音が近すぎるように感じましたが,それは当然でしょう リハーサルの時は2階席で聴いていたのに,本番は1階席の前から5列目ですから,演奏者に近い席で聴いているのです.基準は指揮者の位置でしょう

高関の指揮によりメリハリの効いた迫力のある演奏が展開しました.やはり速いテンポが特徴です

休憩後はいよいよベートーヴェン「交響曲第9番ニ短調”合唱付き”」です.合唱団が入場し,次いでオケのメンバーがスタンバイします.高関の合図で第1楽章に入ります リハーサル通りかなり速いテンポで音楽が進められます.高関は時に音を床に叩きつけるような動作で気合を入れます ステージの床を伝わったオケの音は自席まで届いてきます 第2楽章も速いテンポです.第3楽章のゆったりした音楽が終わったところで,ソリストの4人が登場します.ソプラノの市原愛は銀と黒とブルーを散りばめた鮮やかなドレス,一方,メゾ・ソプラノの林美智子は黒の上下といったシックなドレスです

第4楽章は,やっぱり高速テンポです.この楽章はコントラバスとチェロで歓喜のテーマが奏でられ,ヴィオラ,ヴァイオリンへと受け継がれていくところがいいですね だんだん明るくなっていく様子が如実に表れています.ここだけでも”苦悩から歓喜へ”が表されています

4人のソリストはそれぞれ素晴らしい歌声で,歓喜を歌い上げていました 合唱団は迫力のある歌声を聴かせてくれました

フィナーレのたたみかけは凄まじいものがありました.これ以上速い演奏は不可能でしょう 聴衆を一気に歓喜の頂点へ運び上げました

4月から常任指揮者に就任した高関健と東京シティ・フィルは,「第9は年末に」という常識に戦いを挑み,「真夏に第9」を演奏することによって,クラシック音楽界に勝負を賭けた訳ですが,これが功を奏してシティ・フィルの定期会員が増えればいいなと思います 演奏水準は上がっていると思うので

 

          

 

          

コメント
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