人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

内田吐夢監督「飢餓海峡」を観る~光る三國連太郎の名演技

2016年03月01日 07時38分29秒 | 日記

3月1日(火)。今日から3月を迎え、神妙な顔で なぜ3月を弥生というのか 考えると眠れない、わが家に来てから520日目を迎えたモコタロです

 

          

                        それにしても 月日の流れは速いねえ わが家のお兄ちゃんも今月 大学卒業だよ

 

  閑話休題  

 

最近 早朝出勤が多く 疲れ気味の娘のために 昨日は 夕食に「豚肉のスペアリブ」と「生野菜とワカメとシラスのサラダ」を作りました これで体力を付けてもらおうと思います

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

昨日、池袋の新文芸坐で、水上勉原作・内田吐夢監督「飢餓海峡」を観ました 1965年公開の白黒・182分の大作です。ストーリーは

昭和22年に青函連絡船沈没事故と北海道岩内における大規模火災が同時に起きる 火災は質屋の店主を殺害し金庫内の金を奪った犯人による放火であると判明する その後、転覆した連絡船からは身元確認の出来ない2人の死体が発見される。それは質屋に押し入った3人組強盗のうちの2人であることが判明する もう1人の大柄な男(三國連太郎)は逃亡の途中、芸者の杉戸八重(左幸子)という女に出逢い、犬飼多吉と名乗り3万4千円の大金を手渡して去っていった 函館警察の弓坂刑事(伴淳三郎)は、事件の夜に姿を消した犬飼多吉を追って下北半島へ赴く

八重は犬飼から受け取った金で親の借金を返済することが出来、犬飼に恩を感じていた。彼女は恩人の思い出として、現金とともに自分で切ってやった大きな爪を大事に持っていた そんな折、新聞で犬飼そっくりな樽見京一郎という男が刑余更生事業資金に3千万円を寄付したという記事を見て、犬飼であるに違いないと確信し、会ってお礼を言うため舞鶴に赴く。しかし、樽見はしらを切り人違いだと言う 二人のやり取りの中で、とうとう しらを切り通せなくなり、彼は八重を挟殺し、その死体を見た書生も挟殺してしまう

しかし、八重が愛の記念に残した犬飼の大きな爪と3万4千円を包んだ岩内事件を報じた古新聞を証拠に追及する味村刑事(高倉健)に対し、樽見は自分が犬飼であることを認めざるを得なくなる しかし、彼は自分は質屋に放火していない、他の2人がやった、二人が死んだのはお互いに仲間割れをして殺し合いをしたのだ、と供述する。真相はどうなのか

 

          

 

この映画を観ようと思ったのは、過去に原作の「飢餓海峡」を読みそこなったからです。というのは、私が小学6年生か中学1年生くらいの時だったと思いますが、従兄のコーちゃんとセッちゃんが埼玉県S市のわが家に遊びに来たとき、コーちゃんが「これ読んでみるかい?」と言って私に手渡してくれたのが水上勉の「飢餓海峡」だったのです それに対し、セッちゃんは「まだ早いんじゃない!」と言ったのを覚えています

結局、その本は戴いたのですが、読まないうちにどこかにいってしまいました それ以来「飢餓海峡」とは無縁の人生を送ってきたので、昨日、映画を観て初めてストーリーを知ったのでした

映画では とにかく三國連太郎の演技が凄いです 最初は生真面目で小心者の大男・犬飼多吉を演じていますが、財を成し公的な地位も得た樽見京一郎としては、自分の過去についてしらを切り通す ふてぶてしい役柄を演じています それに、若き日の高倉健の突っ張った刑事がカッコいいです そして、「バンジュン」の愛称で呼ばれた伴淳三郎が味のある田舎刑事を演じています

それにしても、爪が証拠になって逮捕されるとは犬飼もツメが甘かったということでしょうか この作品は、日本映画史の中では「砂の器」と並ぶ傑作と評価されているようですが、確かに見ごたえのある大作だと思います

コメント
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