4日(金)。わが家に来てから523日目を迎え、テレビに夢中になっているモコタロです
あの二人 これからどうなっちゃうんだろうな?
えっ ナニ? いいところなんだから声かけないでよ!
チェッ 見逃しちゃったじゃないか 新聞に投書しちゃうから
閑話休題
昨日は、夕食に「鶏手羽肉スープ」と「生野菜と生ハムのサラダ」を作りました 「鶏手羽~」の材料は手羽先と手羽元、ダイコン、ニンジン、ジャガイモ、ホウレン草です
も一度、閑話休題
昨日、新宿ピカデリーでMETライブビューイング、プッチーニ「トゥーランドット」を観ました これは今年1月30日に米ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ録画映像です
キャストはトゥーランドットにニーナ・ステンメ(ソプラノ)、カラフにマルコ・ベルティ(テノール)、リューにアニータ・ハーティッグ(ソプラノ)、ティムールにアレクサンダー・ツィムバリュク(バスバリトン)で、指揮はパオロ・カリニャーニ、演出はフランコ・ゼフィレッリです
プッチーニのオペラというと、人はよく「お涙ちょうだいオペラだ」と皮肉ります 確かに彼の代表作を見渡すと「ラ・ボエーム」にしても「トスカ」にしても「マダム・バタフライ」にしても 、最後はヒロインが死んでしまう悲劇の典型みたいなオペラが多いのは事実です
しかし、この「トゥーランドット」に関しては、カラフとトゥーランドット姫との結び付きはリューの自己犠牲の上に成り立っているとはいえ、一種のサクセスストーリーです
プッチーニのオペラで一つだけ選べと言われたら、私は躊躇なく「トゥーランドット」を挙げます
さて、METの「トゥーランドット」といえばマリア・グレギーナのヒロイン像が強く目に焼き付いています これをステンメがどこまで払しょくできるかというのが今回の公演の関心の的です
ゼフィレッリの演出は1987年に初めてMETで登場して以来30年近くも続いているものですが、『絢爛豪華』という言葉がピッタリの舞台づくり・演出です 第1幕はどちらかといえば地味な舞台ですが、第2幕などは幕が上がると客席から拍手が起こるほど華麗な舞台が現れます
ヒロインのトゥーランドット姫は第1幕では舞台奧で顔だけ見せて 歌は歌いませんが、顔の表情だけで”冷酷な姫”を演じなければなりません
この点、ステンメはグレギーナと比べるとやや物足りなさを感じます。グレギーナの演じたトゥーランドット姫は”こんなに美しい姫がどれほど冷酷な女なのか”と思わせるに十分な迫力がありました
ただ、第2幕に入ってトゥーランドット姫が、なぜ自分が異国の王子を処刑するのかを語りカラフに3つの謎を出すシーンでは、さすがに「ワーグナー歌い」としてならしたステンメだけあって、ド迫力の声で歌い上げ 会場を圧倒します
カラフを歌ったイタリア生まれのマルコ・ベルティは申し分のないテノールです まったく無理のない発声で、第3幕のアリア「誰も寝てはならぬ」を歌い切りました
新メンバーによるこの公演で嬉しかったのは、3大臣のピン・ポン・パンを歌った3人の歌手たちです。顔つきから、前回の「トゥーランドット」にも出演していた3人だと思いますが、歌も演技も素晴らしいものがありました
さて、この公演で「グレギーナのトゥーランドット」を超える存在だと思ったのはリューを歌ったアニータ・ハーディッグです ルーマニア生まれのソプラノですが、2006年に「ラ・ボエーム」のミミでオペラ・デビュー、14年には同役でMETデビューを飾っています
この人は抒情的な歌も素晴らしいけれど、演技力も素晴らしいと思います
むしろ歌で演技が出来る人と言った方が良いかもしれません
最後に、この公演で一番の魅力は 何といっても30年近くも採用され続けてきたゼフィレッリの演出・舞台です この演出がプッチーニのオペラをより一層感動的なものにしています
「夢は何か?」と問われれば、「ニューヨークのメトロポリタン歌劇場でゼフィレッリの演出による『トゥーランドット』を観ることだ」と答えます