人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

コバケン+神尾真由子+東京フィルでチャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」他を聴く

2016年03月06日 08時10分24秒 | 日記

6日(日)。わが家に来てから525日目を迎え、公序良俗に反するという罪で逮捕直前のモコタロです

 

          

          カメラアングルで 怪しく見えるだけだよ お代官さま 勘弁して下せえ

 

  閑話休題  

 

昨日、文京シビックホールで「響きの森クラシック・シリーズ」公演を聴きました プログラムは①チャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲ニ長調」、②同「交響曲第4番ヘ短調」で、①のヴァイオリン独奏は2007年 第13回チャイコフスキー国際コンクール優勝者・神尾真由子、指揮は”炎のコバケン”こと小林研一郎、オケは東京フィルです

 

          

 

このシリーズはコストパフォーマンスが高いせいか、定期会員を中心にいつも満席です

オーケストラのメンバーが席に着きますが、コンマスは初めて見る人です プログラムで確かめると近藤薫とありました。これで東京フィルのコンマスは三浦章宏、依田真宣と近藤薫の男性3人態勢になります

黒を基調としたシックな衣装に身を包まれた神尾真由子が指揮者・小林研一郎とともにステージに登場します

1曲目のチャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲ニ長調」はラロのスペイン交響曲(実質的なヴァイオリン協奏曲)に感化され、1か月の短期間に集中的に作曲されました

コバケンのタクトにより第1楽章が序奏から始まります。そして神尾真由子の独奏ヴァイオリンが登場しますが、これを聴いて「ああ、カンタービレ」と思わず心の中で叫んでしまいました。何と歌心に溢れた演奏だろうか これぞチャイコフスキー と感じ入りました。第2楽章のアンダンテはまさにロシアのロマンティシズムとでも言いたくなるような甘美な楽想です。クラリネット、オーボエ、フルート、ファゴットといった木管楽器が素晴らしいフォローを見せました

そして第3楽章フィナーレは躍動感あふれる楽想です。チャイコフスキーが初演を依頼したレオポルド・アウアーに「演奏不能」と言わしめた難曲ですが、神尾は 難曲と意識させないほど軽々と演奏しました 最後の終結に向けて、コバケンはオケを奮い立たせ テンポをどんどん上げていき、フィナーレはコバケン+東京フィル対神尾真由子による「競争曲」を繰り広げ、聴衆を興奮の渦に巻き込みました

5回ほどカーテンコールがありましたが、神尾はチャイコフスキーで全力を使い切ったのでしょう。アンコールはありませんでした

 

          

 

休憩後はチャイコフスキー「交響曲第4番ヘ短調」です。この曲は1878年1月に静養先のイタリア・サンレモで完成しました このころ、鉄道王の未亡人フォン・メック夫人からの年金が約束されています。チャイコフスキーはメック夫人に宛てた手紙の中で、この曲について「自分自身の人生の苦悩を反映し『運命との闘いと勝利』を描いた音楽」だと書いています

第1楽章冒頭は、ホルンとファゴットにより「運命の主題」がファンファーレのように演奏されます。抗しがたい運命を表している楽章です 第2楽章は、まだ立ち直れない憂鬱な気分を表しているかのようです

第3楽章は一転、暗闇から脱出したかのような明るく力強い楽想です 弦楽器のピッツィカートによって始まり、次いで管楽器が加わりますが、管楽器と弦楽器とのアンサンブルが見事です この楽章までは、いつものようなテンポを大きく揺らすコバケンの特徴は見られません

しかし、最後の第4楽章に入ると、さすがにダイナミックな音楽づくりに徹し、フィナーレに向けて徐々にテンポアップして圧倒的なクライマックスを築き上げます。拍手とブラボーの嵐です

コバケンは前回公演での約束通りアンコールに応え、ブラームスの「ハンガリー舞曲第5番」を、「これ以上やりようがないだろう」と思うほどテンポを大きく動かして自由自在に演奏し、会場の温度を上昇させました 何しろ、コバケンは第1回ブタペスト国際指揮者コンクール第1位、ハンガリー国立交響楽団音楽監督を歴任、ハンガリー政府からリスト記念勲章、ハンガリー文化勲章を受章と、ハンガリーにまつわる音楽ならどんと来い状態でしょうから 自信に満ち満ちています

 

          

 

終演後、近くの喫茶店Vで待ち合わせていた当ブログの読者ゆえさんに会って、先日Nさんからお預かりした3月17日の読響定期公演のチケットをお渡ししました 彼女も昨日サントリーホールで広上淳一指揮日本フィルによるコンサートを聴いて来たばかりだったので、お互いにコンサートの感想を述べ合いました ゆえさんは作曲家ではドヴォルザーク・ファンで、指揮者では”飛んだり跳ねたりで面白い”広上淳一氏のファンだそうです 日本の指揮界の草分けに山田一雄という情熱的な指揮者がいましたが、指揮に夢中になって指揮台から転げ落ちたエピソードは有名です さしあたって広上氏は山田一雄系列に属する種族なのでしょうか 昨日はシューベルト「未完成交響曲」とベートーヴェン「運命交響曲」を指揮して、やっぱり跳ねてたそうです 

ゆえさんが「10月にウィーン・フィルが来ますよね、メータと。あれ聴きに行こうかと思っているんです」と言うので「ウィーン・フィルは毎年来てるね。今年は何を演奏するのかな?」と訊くと、すぐにスマホで検索して「7日がブラームスのピアノ協奏曲第1番(ピアノ:ブッフビンダー)、ドビュッシーの海、ラヴェルのラ・ヴァルス、10日がモーツアルトのリンツ、ブルックナーの第7番、12日がモーツアルトのリンツ、ベートーヴェンの第9ですね」とのことでした 「お薦めはブルックナーか第9だろうね」とお伝えしました。すると、「実は、3万円が出て来たんですよ」と言うので「ええっ!?」と驚いて訊き返すと「自分でも良く覚えていないんですけど、封筒からパラッと出て来たんですよね。これでウィーン・フィル聴きに行けるかな、と思って」とおっしゃいます

わが家にもないかな、3万円どこかに・・・・・・ないよな

ところで、彼女もクラシック・コンサートを聴く回数が増えてきたようで、「今月だけでサントリーホールに4回行きます」と報告していました。「クラシック道」を着実に歩んでいるようです お気の毒ですが、もう後戻りできません。まだ とても若いのに・・・可哀そうに

コメント
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