人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

バッハ・コレギウム・ジャパンでバッハ「マタイ受難曲」を聴く~日韓のバッハ歌いが競う

2016年03月26日 08時59分54秒 | 日記

26日(土)。わが家に来てから545日目を迎え、リビングのテーブルの下にたたずんで、「男はつらいよ」を口ずさむモコタロです

 

          

            どうせおいらはヤクザな兎 わかっちゃいるんだ妹よ ってか

 

  閑話休題  

 

昨日は、夕食に「豚肉の生姜焼き」「生野菜とシラスのサラダ」「ホウレン草のお浸し」を作りました またしてもキャベツは千切りならぬ百切りになってしまいました 原因は明らかです。キャベツの正しい切り方を知らないからです

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

昨夕、東京オペラシティコンサートホールでバッハ・コレギウム・ジャパンの第117回定期演奏会を聴きました プログラムはバッハの「マタイ受難曲BWV244」です 今回は「日韓バッハのスペシャリスト、ここに集う」という謳い文句で、日本のB.C.Jと韓国のバッハ・ゾリスデン・ソウルからバッハ歌いが揃いました。当初発表された出演者は、ハナ・ブラシコヴァ(ソプラノ1)、ソン・スンヨン(ソプラノⅡ)、青木洋也(カウンターテナー1)、ジョン・ミンホ(カウンターテナーⅡ)、パク・スンヒ(エヴァンゲリスト)、櫻田亮(テノール)、パク・スンヒョク(イエス)、浦野智行(バス1)、加来徹(バスⅡ)というメンバーでした

ところが会場に行ってみると、「出演者変更のお知らせ」が掲示されており、ハナ・ブラシコヴァが急病のため来日できなくなり、代わりに松井亜希がソプラノ1を務める、と書かれていました。この時点でガックリきました 彼女の透明な歌声を聴きたくて来たようなものだったからです まあ、代演で成功を手にする演奏家もいるから、やってみなければ分からないな、と自分に言い聞かせて素直に聴くことにしました

さて、この公演は3月の開催ですが、2016-2017シーズン第1回目のコンサートという位置づけです B.C.Jの定期演奏会は年度初めに「マタイ受難曲」か「ヨハネ受難曲」を演奏するのが習わしのようになっています。「マタイ」や「ヨハネ」を聴くたびに また1年が経ったんだな、と感慨にふけります

 

          

 

S席からA席に移って初めての定期演奏会です。以前は21列21番とほぼセンターの通路側でしたが、今度はずっと下がって後ろから3列目です。それでも長い間定期会員になっている功績が認められ(?)てか、通路側席が確保できました 会場は例年通り「マタイ」の時は ほぼ満席です 私は前回から公演プログラムを買わないことにしています。とくに今回は1冊1,600円と通常より500円も高い設定なのでなおさら買う気が起きません したがって、出演している演奏家はレギュラー以外はまったく分かりません。でも仕方ないことです

 

          

 

「マタイ受難曲」の時は、オケが左右対称の態勢をとります。向かって左側に第1群が、右側に第2群が配置されます 第1群のコンマスは寺神戸亮、第2群のコンマスは若松夏美。第1群にはフラウト・トラヴェルソの前田りり子、菅きよみ、オーボエの三宮正満、チェンバロの鈴木優人らB.C.Jを代表する古楽器演奏家が揃っています 日韓合同合唱団が入場し、2階パイプオルガンの下のバルコニーには13名の子どもたち(中高生か)がスタンバイします

鈴木雅明の指揮で1曲目「序:シオンの娘の対話」が演奏されます この曲を聴くと「さあ、これから正味3時間のバッハへの旅が始まるぞ」という気持ちになります。と、そこまでは良かったのですが、この曲が終わるや否や、後方の扉が開く音がして、ドヤドヤと遅刻者が入場してきました 通常は7時開演のところ、休憩時間を入れて3時間半かかる「マタイ」ですから開場が6時半と30分早まります。したがって、いつもは遅刻しない人が遅刻してしまうのはある程度仕方のないことだと思います が、ドヤドヤは止めてほしいと思います。あくまでも演奏の途中での入場なのですから、出来るだけ音を立てないように静かに歩いて 静かに席に着いてほしいと思います 音を立てない歩き方というのがあるのです。それが出来ない人は『下品な人』と呼ばれるのを覚悟しなくてはなりません

この曲は途中20分間の休憩を挟んで第1部と第2部とに分かれていますが、第1部での松井亜希と青木洋也の二重唱は聴きごたえがありました また、ソリストの中で一番良かったのは韓国ではイエスを歌ったパク・スンヒョク、日本ではカウンターテナーの青木洋也だったと思います とくに青木洋也はこのところメキメキと力を付けてきており、安定した歌声を聴かせてくれるようになりました。かつてはロビン・ブレイズの陰に隠れて目立たない存在でしたが、今や前面に出て堂々たる態度で歌っています

歌手と同じくらい 私がこの曲で楽しみにしているのは、歌手の歌に伴奏を付ける管楽器や弦楽器の演奏です フラウト・トラヴェルソの前田りり子と菅きよみの演奏、オーボエ&オーボエ・ダ・カッチャの三宮正満の演奏、ヴァイオリンの寺神戸亮、若松夏美の演奏、チェロの武澤秀平の演奏・・・・彼らの演奏は何回聴いても素晴らしいものがあります。いずれも伴奏の域を超越しており、演奏そのものが芸術です

毎年「マタイ」を聴いて思うのは、バッハはよくこんなに長い、しかも充実した曲を書いたものだな、ということです 最後の「哀悼と告別」が終わると、しばし しじまが訪れ、鈴木雅明の両手が下りると会場いっぱいのブラボーと拍手がステージに押し寄せました。例年の年中行事とは言え、いつも感動的なものがあります。1年後に「マタイ」を聴くとき 自分はどういう状況下にあるのだろうか、といつも思います

 

          

 

コメント
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