人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ケント・ジョーンズ監督「ヒッチコック/トリュフォー」を観る~映画監督のバイブルとなったロングインタビュー

2017年03月05日 08時49分51秒 | 日記

5日(日).わが家に来てから今日で887日目を迎え,中国の2017年の国防予算が前年比7%増の1兆元(約16兆5千億円)になるというニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

       

         トランプ米大統領が国防費を1割増やすと言ってるから 対抗心を燃やしてるのかな?

 

  閑話休題  

 

昨日,池袋の新文芸坐で,ケント・ジョーンズ監督「ヒチコック / トリュフォー」(2015年,アメリカ・フランス合作,80分)を観ました

 

       

 

ヒッチコックを敬愛するフランソワ・トリュフォーが,映画の巨匠に熱烈な手紙でインタビューを申し出たことから,1962年に1週間に及んだロング・インタビューが実現しました このインタビューは映画解説書「定本 映画術 ヒッチコック/トリュフォー」としてまとめられ,フランスとアメリカで同時出版されましたが,これはヒッチコックの評価を決定づけただけでなく,世界中の映画監督に多大な影響を与え,映画人のバイブルとなりました この映画は,そんな伝説的なインタビューの音源を元に,ヒッチコックの映画理論や具体的なテクニックを解き明かしたドキュメンタリー映画です

インタビュアーを務めるフランソワ・トリュフォーは「大人は分かってくれない」が代名詞のようになっているフランスの映画監督ですが,彼の映画を初めて観たのは「隣の女」でした それ以来,彼の映画を良く見るようになりました

いま「沈黙」で話題のマーティン・スコセッシやデビッド・フィンチャー,黒沢清など現代を代表する映画監督10人がインタビューでヒッチコックの映画について語っていますが,その合間を縫って,ヒッチコックの「鳥」「めまい」「北北西に進路を取れ」をはじめとする数々の映画の名場面がごく短く紹介されます 観ていると,もう少し長めに映してくれないかな,と思うほど引き込まれてしまいます

ヒッチコックの映画に対する考えは明快です.それは観衆に驚きを与え 喜ばせることです  この点は,世界に誇る日本の映画監督・黒澤明に通じるところがあります 「七人の侍」「椿三十郎」「用心棒」がいかに理屈抜きで面白いか

映画の中で ある監督が「時代が変わるにつれて,聴衆が映画に求めるものも変わっていく 現代の観衆はより大きな刺激を求め,映画はクライマックスの連続だ」と語っていますが,まさにその通りの現象が起きています.ヒッチコックの時代にはCG技術は初期段階で,いわば「アナログ」的な手法で映画を撮っていた訳ですが,現代では,何かというとすぐにCGに頼り,派手なばかりで中身のない映画が増えているような気がします

この映画を観て,あらためてヒッチコックの一連の映画を観たいと思いました 新文芸坐で特集をやってくれると嬉しいな

コメント
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