26日(日).わが家に来てから今日で908日目を迎え,映画「男はつらいよ」の主人公・車寅次郎の銅像がある京成電鉄金町線の柴又駅前に,妹さくらの銅像が建てられ,25日に除幕式があったというニュースを見て 国会で話題の夫婦に成り代わって感想を述べるモコタロです
これを見た安倍首相「男はつらいよ」 昭恵夫人「女もつらいよ」 モコタロ「自業自得だ」
6月9日(金)午後7時から東京芸術大学奏楽堂で開かれる「第381回藝大フィルハーモニア管弦楽団定期演奏会」のチケットを購入しました プログラムは①チャイコフスキー「瞑想曲」,②ストラヴィンスキー「ディヴェルティメント」,③チャイコフスキー「交響曲第6番ロ短調」です ヴァイオリン独奏と指揮はドミトリー・シトコヴェツキ―です
昨夕,上野の東京文化会館小ホールで「都響メンバーによる室内楽」を聴きました これは「東京・春・音楽祭」の参加公演です.プログラムは①シューベルト「アルペジョーネ・ソナタ」,②ナイクルグ「ギターと弦楽四重奏のためのAcequias」,③メンデルスゾーン「弦楽八重奏曲変ホ長調」です 出演はヴァイオリン=四方恭子,双紙正哉,吉岡麻貴子,渡邉ゆづき,ヴィオラ=鈴木学,村田恵子,チェロ=田中雅弘,コントラバス=池松宏,ギター=鈴木大介です
自席はE列19番,左ブロック右通路側です 1曲目はシューベルトの「アルペジオ―ネ・ソナタ イ短調」ですが,プログラムの解説によると「アルペジオ―ネ」とはチェロのように弾くギターとのことで,この曲はアルペジオ―ネのために書かれた曲としては現存する唯一の楽曲だそうです 私が知っている範囲ではチェロとピアノで演奏されるケースが多いように思います この日はいったいどの楽器の組み合わせで演奏するのだろうか,と思っていると,ヴィオラの鈴木学とギターの鈴木大介が現われました.どうやらダブル鈴木で演奏するようです ヴィオラのメロディーをギターの伴奏が支えるという態勢です.この曲は第1楽章「アレグロ・モデラート」,第2楽章「アダージョ」,第3楽章「アレグレット」の3つの楽章から成ります
冒頭はギターから入りますが,ヴィオラが哀愁を帯びたメロディーを奏でます シューベルトらしいな,と思うのは第2楽章から続けて演奏される第3楽章です.まさに「歌のシューベルト」です.何と言ってもシューベルトは歌曲です.その歌心がこの楽章には横溢しています
2曲目は1946年ニューヨーク生まれのマーク・ナイクルグ作曲「ギターと弦楽四重奏のためのアセキアス」です この曲は今回が日本初演ということなので,誰もが等しく初めて聴きます 四方,双紙,鈴木,田中の弦楽奏者とギターの鈴木により演奏されます
プログラムの解説に「(この曲は)スペインとアメリカの文化が混じりあうミューメキシコ州サンタフェの風土を濃厚に映し出している」と書かれていますが,私にはまったくそのようには聴こえませんでした まさに「メロディーがありそうで なく,なさそうで ある」といった典型的な現代音楽です また同じ解説によると「タイトルの『アセキア』とはアメリカ南西部で使われる言葉で『スペインの伝統的な灌漑用の水路』を意味する」らしいのですが,”考いよう”によってはそんな感じに聴こえるかな,と思って耳を傾けましたが,”推論”に過ぎず,”汗が際”に流れるだけでした(ちょっと苦しい)
休憩時間にロビーでNさんと立ち話をしました.Nさんは「ナイクルグの冒頭は雅楽のようでした 全体的には現代音楽ですね.演奏家は常に新しい曲を演奏していかないといけないのでしょうね」と言われていましたが,確かに,いわゆるコテコテの古典ばかりを繰り返し演奏してるだけでは 演奏家として成長しないのかも知れないな,と思いました
休憩後は待ちに待ったメンデルスゾーン「弦楽八重奏曲」です この作品は1825年,メンデルスゾーンが16歳の時に書きました.第1楽章「アレグロ・モデラート・マ・コン・フーコ」,第2楽章「アンダンテ」,第3楽章「スケルツォ:アレグロ・レッジエーリッシモ」,第4楽章「プレスト」の4つの楽章から成ります
メンバーは左サイドにヴァイオリンの4人が,右サイドにチェロ,コントラバス,ヴィオラ2人がスタンバイします この曲は本来チェロが2本ですが,今回はチェロの代わりにコントラバスを入れたようです.これが演奏にどういう影響を及ぼすかが聴きものです
第1楽章が四方恭子のリードで”前へ前へ”という推進力のある音楽が開始されます この楽章を聴いた段階で「円熟の演奏だな」と思いました これまで聴いた若手だけの元気溌剌の演奏とは異なり,落ち着きがあるというか,節度をもって演奏しているという印象を持ちました 第2楽章はとても美しい緩徐楽章です.8人の円熟した演奏スタイルが最も生きた楽章だと思います 一転,第3楽章「スケルツォ」では,高速で妖精が飛び回るような軽快な演奏が展開します
ここで,間を置かずに池松宏のコントラバスが炸裂します 次いでチェロ,ヴィオラ,ヴァイオリンへと8人のフーガでつないでいきます 第3楽章までは節度を保って演奏していた8人でしたが,この楽章に入ってからは,地下に溜まっていたマグマが爆発したかのように躍動感あふれる演奏を展開し若きメンデルスゾーンの記念碑的な作品のフィナーレになだれ込みました チェロの1本を池松のコントラバスに代えたことが功を奏したと言うべきでしょう
モーツアルトの「アレグロ」は哀しみが疾走します.メンデルスゾーンの「プレスト」は喜びが疾走します 8人は渾身の演奏で聴衆の期待に応えました 繰り返されるカーテンコールに応えて ステージに登場する8人の 誇らしげな表情が印象的でした
この日に取り上げられたシューベルトは31歳,メンデルスゾーンは38歳,そしてモーツアルトは35歳でこの世を去っています.天才はみな短命です 運命の前に「もし・・たら・・れば」は無意味です
「弦楽八重奏曲」は いつ聴いても感動的な曲です とても16歳の少年が作曲した作品とは思えないほど充実した 魅力たっぷりの楽曲です もっと演奏する機会が増えても良いと思います