人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

上岡敏之+河村幹子+新日本フィルでモーツアルト「ファゴット協奏曲」,シューマン「交響曲第2番」他を聴く / 新日フィル室内楽シリーズのチケットを買う

2017年03月19日 08時02分26秒 | 日記

19日(日).わが家に来てから今日で901日目を迎え,テレビ各局がしのぎを削る日曜夜の聴率競争で明暗がはっきり分かれている という記事を見て感想を述べるモコタロです

 

       

        その昔「面白くなければテレビじゃない」と宣言していた局は 今どうなってるの?

        お笑い番組ばかり作って垂れ流していた局も局だけど 観る方も観る方だと思うよ

 

  閑話休題   

 

新日本フィル室内楽シリーズ「ショスタコーヴィチとスターリン」のチケットを購入しました 5月9日(火)午後7時15分からトリフォニーホール(小ホール)で,プログラムは①ショスタコーヴィチ「弦楽四重奏曲第3番ヘ長調」,②同「ピアノ五重奏曲ト短調」です 演奏はヴァイオリン=チェ・ムンス,ビルマン聡平,ヴィオラ=井上典子,チェロ=森澤泰,ピアノ=野田清隆です ピアノ五重奏曲は大好きです

 

       

       

 

 

  も一度,閑話休題  

 

昨日,すみだトリフォニーホールで新日本フィルの第570回トパーズ定期演奏会を聴きました プログラムは①ベートーヴェン「交響曲第1番ハ長調」,②モーツアルト「ファゴット協奏曲変ロ長調K.191」,③シューマン「交響曲第2番ハ長調」です ②のファゴット独奏は首席の河村幹子,指揮は音楽監督の上岡敏之です

 

       

 

オケがスタンバイし,指揮者・上岡敏之が登場します 1曲目はベートーヴェンの「交響曲第1番ハ長調」です ベートーヴェンは1800年4月2日にブルク劇場で開いた自主演奏会でこの曲を初演しました.当時の演奏会はベートーヴェンに限らず,1つの演奏会の中で様々な曲を一緒くたに演奏するのが習わしでした この時は,自作の「ピアノ協奏曲第1番」と「七重奏曲」,モーツアルトの交響曲(どの曲かは不明),ハイドンの「オラトリオ『天地創造』」(アリアなど数曲抜粋)が演奏されました おそらく3時間以上かかったのではないかと思われます.初演演奏会でハイドンやモーツアルトの曲と並べて自曲を取り上げたのは,先輩音楽家への敬意とともにベートーヴェンの自信の表れでしょう

この曲は4つの楽章から成ります.第1楽章「アダージョ・モルトーアレグロ・コン・ブリオ」では,1月からオーボエ首席として正団員となった金子亜未の演奏が光りました 全楽章を通して,上岡は速めのテンポでサクサクと演奏を進めます.特に第4楽章「フィナーレ」はアダージョの導入部を終えてアレグロに移ってからは高速演奏で,いくら何でも速すぎだろう と思ってプログラムで確認すると「アレグロ・モルト・エ・ヴィヴァーチェ」となっており,上岡は楽譜を忠実に守っていることが分かります 爽快な演奏でした

2曲目はモーツアルトの「ファゴット協奏曲変ロ長調K.191」です この曲はモーツアルトが18歳の時に作曲しました.モーツアルトはこのほかに3曲ファゴット協奏曲を作曲したと伝えられているそうですが,その点モーツアルトに聞いてみたら「I have forgotton」と言っていました 冗談はさておき,モーツアルトが作曲し現在残されている唯一のファゴットのための協奏曲(3楽章形式)です

新日本フィル首席ファゴット走者・河村幹子がイエローの鮮やかなステージ以上で登場,指揮者の脇にスタンバイします 上岡のタクトで第1楽章「アレグロ」が軽快に始まり,河村のソロが明るく入ってきます 第2楽章「アンダンテ・マ・アダージョ」では,ファゴット特有の音色がソフトに美しく響きます そして第3楽章「ロンド:テンポ・ディ・メヌエット」では,河村のファゴットは低音から高音まで音色の変化が素晴らしく,ファゴットの魅力を再認識することができました

ところで,第2楽章の緩徐楽章を気持ちよく聴いている時,1階左サイド中央席辺りから「リリリーン」というケータイの着信音が鳴りました まだ居るのですね.非常識を絵に描いたようなウッカリモノが どうして緩徐楽章に限って鳴らすんでしょうね,まるで狙ったように.こういう人はどこに行っても同じような迷惑をかけているんでしょうね.周囲の者が大迷惑です

 

       

 

プログラム後半はシューマンの「交響曲第2番ハ長調」です この曲は,1845~46年にかけて作曲されました.どうやら当時のシューマンの頭の中には,シューベルトのハ長調交響曲『グレイト』があったようで,この第2番もハ長調で作曲しています この曲は4つの楽章から成ります

第1楽章は金管のファンファーレで開始されますが,この主題は第2楽章,第4楽章でも回帰されます 上岡の指示するテンポは相当速いです.第2楽章に入ってからもそのスピードは変わりません.まるで最終楽章のフィナーレの如くなだれ込むので,隣席のお年寄りは拍手しそうになり,思い止まりました

ところが,第3楽章「アダージョ・エスプレシーヴォ」に入り,金子亜未によるゆったりとしたメランコリックなオーボエを聴き,そして弦楽器による渾身の演奏を聴いたら,なぜ第1楽章と第2楽章を超高速で演奏したかが分かったような気がしました それはこのアダージョを生かすためだったのではないか,ということです シューマンはこの緩徐楽章に特別の想いを込めたのではないか,と想像します 第4楽章では一転,突き抜けるような明るい世界が開けます.上岡は再び,高速演奏を展開し,喜び全開のクライマックスに突入,ティンパ二の連打でトドメを刺します

隣席のお年寄りは興奮して,何度もブラボーを叫び大きな拍手をしていましたが,気持ちはよく分かります

定期演奏会です.『普通は』アンコールはありません.私は帰るつもりでした が,まさかのアンコールがありました.なぜかモーツアルトの「交響曲第41番”ジュピター”」の第4楽章が途中から演奏されました 正規のプログラムになかった交響曲の一つの楽章がアンコールとして演奏されるのは『普通は』ありません.なぜモーツアルトの最後の交響曲の最後の楽章だったのか あらためてこの日のプログラムは振り返ってみると,1曲目のベートーヴェン「交響曲第1番」も,3曲目のシューマン「交響曲第2番」も同じ「ハ長調」で書かれています.そして,言うまでもなくモーツアルト「交響曲第41番」もハ長調です そうした意味では,「ハ長調繋がり」でアンコール曲を選んだのかな,と思ったりしました 実際には上岡さんに聞いてみなければ分かりませんが,案外「ベートーヴェンもシューマンもモーツアルトも波長が合うんだよ」と言うかも知れません

 

       

コメント (4)
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