人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

秋山和慶+東響でショスタコーヴィチ「交響曲第9番」,ハイドン「交響曲第70番」他を聴く / 英国情報部のクラシック超絶問題

2017年03月06日 07時57分28秒 | 日記

6日(月).わが家に来てから今日で888日目を迎え,朝日新聞社が全国84自治体に「安倍政権が目指す2017年度末までに待機児童ゼロを達成できるか」尋ねたところ,「達成できる」という回答が31%の26自治体にとどまったというニュースを見て感想を述べるたモコタロです

 

       

         いくら保育園があっても保育士が足りなければ待機児童問題は解決しないと思う

 

  閑話休題  

 

昨日の朝日別刷り「GLOBE」のBooksコーナーで,昨秋にGCHQ(英国諜報活動の主要組織である政府通信本部)が出した「The  GCHQ  Puzzle Book」というクイズ本がベストセラーの一角を占めた という記事が載っていました たぶん2番目にやさしいクイズとして次の問題が出されています

「Brahmsの交響曲第1番,Elgarの第1,Mahlerの第5,Schubertの第8,Schumannの第3,Borodinの第2,Shostakovichの第9,Brucknerの第7,という順序の後にはまるBeethovenの交響曲は第何番でしょう?」

 クラシック通のあなた,わかりましたか? 正解はこのブログの最後に掲載します.

 

  も一度,閑話休題  

 

昨日,初台の東京オぺラシティコンサートホールで東京交響楽団オペラシティシリーズ第96回演奏会を聴きました プログラムは①ハイドン「交響曲第70番ニ長調」,②クロンマー「フルート,クラリネットとヴァイオリンのための協奏交響曲 変ホ長調」,③ショスタコーヴィチ「交響曲第9番変ホ長調」です ②のフルート独奏は東響首席・相澤政宏,クラリネット独奏は同・エマニュエル・ヌヴ―,ヴァイオリン独奏は同コンマス・水谷晃,指揮は秋山和慶です

 

       

 

この日のプログラムは東響創立70周年を記念して,3曲とも作品70番を揃えました

コンマスを務めるのはアシスタント・コンサートマスターの田尻順です.コンマスの水谷晃が2曲目でソロを弾くための臨時昇格です

1曲目はハイドンの「交響曲第70番ニ長調」です 1779年12月18日にハイドンが仕えていたエステルハージ爵の65歳の誕生日を祝して初演されました.第1楽章「ヴィヴァーチェ・コン・ブリオ」,第2楽章「アンダンテ」,第3楽章「メヌエット,アレグレット」,第4楽章「フィナーレ,アレグロ・コン・ブリオ」の4つの楽章から成ります

ロマンスグレイの秋山和慶が登場し第1楽章に入ります 第1楽章冒頭は,モーツアルトの初期の交響曲,あるいはドイツ舞曲に似た曲想で,弾むようなウキウキする音楽です ハイドンらしい明るい開始です.第2楽章「アンダンテ」を気持ちよく聴いていたら,1階右サイド後方でケータイのマナーモードの”ブーブー”と言う音が鳴り始め,しばらく続きました まだ居るのですね,あれほど事前のアナウンスでケータイの電源を切るように注意を促しているのに ご本人はマナーモードにしておけば良いと甘い考えを持っているのでしょうが,生のコンサートでは絶対に電源を切らなけらばならないのです 響きの良いホールでは,針1本落としただけで,会場の隅々まで聴こえると聞いたことがあります

第3楽章まで明るい曲想できたのが,第4楽章になるとニ短調になり,ちょっと陰りが射しますが,これもまたハイドンらしいところかも知れません 秋山和慶+東響はハイドンのエッセンスを凝縮したような軽快な演奏を展開しました

2曲目はフランツ・クロンマー(1759-1831)の「フルート,クラリネットとヴァイオリンのための協奏交響曲変ホ長調」です クロンマーはモーツアルト(1756-1791)とほぼ同じ年代に生きた作曲家です.この曲は1808年に作曲され1821年に出版されました 第1楽章「アレグロ」,第2楽章「メヌエット,アレグレット」,第3楽章「アダージョ,クアジ  アンダンテ」,第4楽章「アラ・ポラッカ」,第5楽章「フィナーレ,アレグロ」から成ります

ソリストを務めるフルートの相澤政宏,クラリネットのエマニュエル・ヌヴ―,ヴァイオリンの水谷晃の3人が登場,指揮台の左サイドにスタンバイします バックを務めるオケは管楽器はホルン2のみで,あとは弦五部です.全曲通して聴いた感じでは,同じ時代のモーツアルトと比べると天才と凡才の違いを見せつけられた感じです バックを務める弦楽器は,ヴァイオリンもヴィオラもチェロも同じ弓使いの部分が多く,アンサンブルとしては物足りなさを感じます それだけにソロが目立つと言えるのかも知れません.ヴァイオリンの水谷はさすがはコンマスという演奏で,遊び心も垣間見られました ヌヴ―と相澤はソロを務める意気込みを感じさせる見事な演奏でした 田尻コンマスも頑張ってました

 

       

 

休憩後は,ショスタコーヴィチ「交響曲第9番変ホ長調」です 前半でソロを務めた水谷晃がコンマス席に移ります.ショスタコーヴィチの交響曲第7番,8番,9番は「戦争三部作」と言われていますが,その最後を飾る曲です 当時のソ連当局は,ベートーヴェンの「第九」のような祝祭的な大交響曲を期待していたのだと思いますが,ショスタコーヴィチが作曲したのは,期待を見事に裏切る”軽い”そして”人をおちょくったような”こじんまりとした曲でした 1945年の夏に作曲され,その年の11月に初演されました.驚くのは,日本での初演はその3年後,1948年3月9日に上田仁指揮東宝交響楽団(現在の東京交響楽団)により挙行されたことです この曲は東響にとっては切っても切れない縁のある曲です

第1楽章「アレグロ」,第2楽章「モデラート~アダージョ」,第3楽章「プレスト」,第4楽章「ラルゴ」,第5楽章「アレグレット~アレグロ」の5つの楽章から成りますが,第3楽章以降は続けて演奏されます

第1楽章と第2楽章では,いつもはフルートを吹いている濱崎麻里子のピッコロが冴えわたり,第4楽章ではファゴットの福士マリ子のモノローグ的な演奏が沁みました それと同時に3本のトロンボーンの重厚感溢れる演奏が会場を圧倒しました

第5楽章のフィナーレは,人をおちょくったようにあっけらかんと終わり,われわれ聴衆は,心地よい演奏に乗せられていたのに,急ブレーキをかけられて,慣性の法則で前方に放り出されたような感覚に陥りました いかにもショスタコーヴィチらしいフィナーレと言えるでしょう

すべてが作品番号が同じというプログラミング,これから流行るかも知れませんね

 クイズの答え  第9番. Beethovenという単語の9番目の「n」を選べばBeethovenの綴りが完成する

「GLOBE」もたまには面白い企画をやるんだな

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする