29日(水).日経夕刊コラム「プロムナード」にN響首席オーボエ奏者・茂木大輔氏がエッセイを連載しています 昨日は「日本のオーケストラ」というテーマでした.超訳すると
「日本のオケは練習の段階から 隅々までピッタリ合っていないと物凄く気になるが,ドイツのオケは最初は好き勝手にやっていて,次第に流れがまとまってきて凄いクライマックスになる 日本の聴衆は非常に静かに集中して演奏を聴いている,と評価が高い 海外公演に行くと,開演しているのに客席がざわざわしているのが 曲の進行とともに次第に静まって,最後に熱狂的な喝さいを頂けたりする 一緒にコンサートを作っている感じがして なかなか良いものなのだ 試しに日本でも,少しざわざわして頂けますでしょうか?と言われたら,きっとイヤだろうなあ.なかなか面白そうではあるのだが」
これを読んで,「面白いかもしれないけれど,まっぴらごめんだ」と思いました.「ざわざわ」の中味が 止めのないおしゃべりだったり 袋や紙のガサガサだったり ジッパーを閉じる音だったりするわけで,そんなものはとても認められません 冗談も休み休み言って欲しい,と思います
ということで,わが家に来てから今日で911日目を迎え,27日に国連本部で始まった核兵器の使用を法的に禁ずる「核兵器禁止条約」の制定交渉で,日本の代表者が演説し「現状では建設的かつ誠実に参加することは困難」と不参加を表明した,というニュースを見て感想を述べるモコタロです
これが唯一の戦争被爆国の態度か! 北朝鮮の核開発を堂々と非難できるのか?
昨日,夕食に「鶏ももキャベツの味噌ガーリック」「生野菜とタコのサラダ」「野菜とベーコンのスープ」を作りました 「野菜スープ」はキャベツ,人参,大根,ジャガイモ,シメジ,トマト,ベーコンが入っています.コンソメ+鶏ガラスープの素を使っています
昨日,神楽坂のギンレイホールで「人間の値打ち」と「エル・クラン」の2本立てを観ました 「命の値打ち」はパオロ・ビルツィ監督による2013年イタリア・フランス合作映画(109分)です
不動産業を営むディーノは,娘セレーナの恋人の父親である投資家ジョバンニと知り合い,自分も投資で一儲けしたいと思い 彼のファンドに投資する そんな中,ジョバンニの家の近くで轢き逃げ事件が発生する 最初はセレーナが酔っていた恋人を庇って自分が運転していたと証言したのだと思いきや,後でそうではないことが分かる 物語はディーノ,ジョバン二の妻カルラ,セレーナそれぞれの視点から語られ,彼らが抱える問題をあぶり出していく
この映画は実話に基づきますが,クラシック音楽が3回のシーンで使われています ジョバンニの妻カルラが財団を設立しようと評議員候補を集めて初会合を開いた時,男性のケータイに電話がかかってきますが,着メロはヴェルディの歌劇「ナブッコ」の有名な合唱曲「行け わが想い 黄金の翼に乗って」でした あとの2回は,ヴィヴァルディの「四季」から「冬」と「秋」でした 監督がどういう意図をもってこれらの曲を選んだのか分かりませんが,「冬」は登場人物の不安な心理を表わしているかのように響きました
2本目の「エル・クラン」は,パブロ・トラベロ監督による2015年アルゼンチン映画(110分)です この映画も実話に基づいています
時は1983年のアルゼンチン.裕福なプッチオ家は父アルキメデスと母,5人の子供たちが幸せに暮らしていた 実はその裕福な生活はアルキメデスと長男アレックスの手による誘拐の身代金によって支えられていた アルキメデスは誘拐した相手を自宅の地下に幽閉し,相手の家族に身代金の要求をしていた.アレックスは恋人も出来たことから”足を洗いたい”が,父は許さない しかし,そんなことはいつまでも続かない.親子共々逮捕される
この映画も事実に基づく作品ですが,首謀者のアルキメデスは「自分がやったと認めて,家族を巻き込まないようにした方が良い」という説得に対し,裁判では「ある組織に脅かされて誘拐しただけだ」と主張し続けたのでした 普段は紳士そのものの顔をしていながら,誘拐となると冷血になるアルキメデスをギレルモ・フランチェラがクールに演じています
映画とは全然関係ないけれど,ダニエル・バレンボイムもマルタ・アルゲリッチもアルゼンチン生まれだったな,恐ろしい国で生まれたんだな,と思ったりしました