人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

東京春祭チェンバー・オーケストラ演奏会を聴く~ヴィヴァルディ「調和の霊感」,グリーグ「ホルベアの時代より」,モーツアルト「交響曲第29番」

2017年03月21日 08時08分13秒 | 日記

21日(火).わが家に来てから今日で903日目を迎え,東京都の専門家会議が,豊洲市場施設内の地下水から環境基準の最大100倍のベンゼンなどの有害物質が検出されたことを公表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

       

                   築地市場にも 豊洲市場にも 安全性に問題があるみたい 心が千々乱れる小池知事 てか

 

  閑話休題  

 

昨日,上野の東京文化会館小ホールで「東京春祭チェンバー・オーケストラ ~ トップ奏者と煌めく才能が贈る極上のアンサンブル」公演を聴きました プログラムは①ヴィヴァルディ「合奏協奏曲集『調和の霊感』」より「第5番イ長調」,②同「ヴァイオリンとチェロのための協奏曲変ロ長調」,③同「合奏協奏曲集『調和の霊感』」より「第8番イ短調」,④同「同 第10番ロ短調」,⑤グリーグ:組曲「ホルベアの時代より」,⑥モーツアルト「交響曲第29番イ長調K.201」です

 

       

 

自席はD28番,右ブロック左通路側です.会場は8~9割方埋まっているでしょうか

弦楽合奏のメンバーが登場し配置に着きます コンマスは元N響コンマスの堀正文.隣には東京藝大大学院在籍中の小川響子がスタンバイします.ヴィオラ首席にはN響首席の佐々木亮が,コントラバスは都響首席の池松宏がスタンバイし,それぞれオケの要を担います 全体は弦楽12人+チェンバロ1台という編成ですが,女性奏者はピンク系,ブルー系,グリーン系と彩りが鮮やかな衣装でステージが華やいでいます

プログラム前半はヴィヴァルディ特集です ヴィヴァルディは「急ー緩ー急」の3楽章形式による「協奏曲」のスタイルを確立した点で音楽史では重要な人物です

最初に「合奏協奏曲集『調和の霊感』」より「第5番イ長調」(2つのヴァイオリンのための協奏曲)が,桐朋学園大学2年在学中の北田千鶴と東京藝大大学院在学中の三輪莉子をソリストとして演奏されました 二人の掛け合いが気持ちよく聴けました.ヴィヴァルディは流麗です

次に東京藝大を首席で卒業したヴァイオリンの城戸かれんとチェロの辻本玲を独奏者に迎えて 「ヴァイオリンとチェロのための協奏曲変ロ長調」が演奏されました 辻本玲は日本フィルのソロ・チェロ奏者だけあって存在感抜群の深みのある演奏を展開しました ヴィヴァルディは あの大バッハにも影響を与えたと言われていますが,よく分かります

次に,先日 芸劇ブランチコンサートで聴いた大江馨と,東京藝大モーニングコンサートで聴いた小林壱成をソリストに迎え,「合奏協奏曲集『調和の霊感』」より「第8番イ短調」(2つのヴァイオリンのための協奏曲)を演奏しました  二人の掛け合いが楽しく聴けました

プログラム前半の最後は,ヴァイオリンの小川響子,三輪莉子,北田千鶴,城戸かれんをソリストに迎え,「合奏協奏曲集『調和の霊感』」から 「第10番ロ短調」(4つのヴァイオリンのための協奏曲)を演奏しました この曲は短調の魅力がたっぷりの曲で,その昔,テープに録音して初代ウォークマンで良く聴いていました ヴィヴァルディは耳に心地よく響きます

何とここで前半終了にあたってアンコールがあり,いま演奏したばかりの4人だけでテレマンの「4つのヴァイオリンのための協奏曲ニ長調」から第1楽章が演奏されました メロディーがカノンのように4本のヴァイオリンを左から右へ,そして右から左へと移り変わっていく曲で,流れるような楽しい曲でした

ソリストとして登板しなかったヴァイオリンの枝並千花,外園萌香をはじめとする弦楽奏者の皆さんの演奏も素晴らしかったです

 

       

 

プログラム後半の最初はグリーグの組曲「ホルベアの時代より」です ホルベアというのは「デンマーク文学の父」と呼ばれた人のことです グリーグは彼の生誕200年記念祭のために,最初にピアノ版を作曲し,次いで弦楽合奏用に編曲しました この曲は①前奏曲,②サラバンド,③ガボット,④アリア,⑤リゴドンの5曲から成ります.堀氏をはじめ15人の弦楽合奏で演奏されました.この曲では,弦楽合奏はもちろんのこと,時にソロを務めたチェロの辻本玲の演奏と,コントラバスの池松宏の何気ないながらも心に響くピッチカートが印象的でした

最後の曲はモーツアルトの「交響曲第29番イ長調K.201」です この曲はモーツアルトが3回目のウィーンへの旅からザルツブルクに帰った翌年の1774年(18歳の時)に作曲されました 弦楽奏者たちは堀氏をはじめとして指揮者なしでも乱れることなく演奏します この曲で初めて登場したオーボエの蠣崎耕三と森枝繭子,ホルンの安倍麿と大槻香奈絵の演奏も素晴らしく,弦楽と見事なアンサンブルを奏でていました 全体としてこの曲の特徴である軽快で優雅な雰囲気が良く出ていました

アンコールにモーツアルトの「ディヴェルティメントK.334」から有名な「メヌエット」が優雅に演奏され,コンサートを締めくくりました 華やかで楽しいコンサートでした

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする