人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「紀尾井 明日への扉」次年度のチケットをとる / 中川右介著「現代の名演奏家50~クラシック音楽の天才・奇才・異才」を読む~クラシック界の相関図

2017年03月28日 07時54分20秒 | 日記

28日(火).わが家に来てから今日で910日目を迎え,格安旅行の「てるみくらぶ」主催のツアーであった航空券の発券トラブルを巡り,同社は27日 「東京地裁に自己破産を申請し破産手続き開始の決定を受けた」と発表した,というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

       

       格安チケットは魅力だけど飛行機に乗れないんじゃ元も子もない Tell me 破産の理由 

 

                      

 

昨日の夕食はステーキでした.「野菜類の付け合わせ」と「生野菜サラダ」と「シメジとキャベツのスープ」は私が作り,娘が肉を焼きました

 

       

 

                     

 

紀尾井ホールの主催する「紀尾井  明日への扉」次年度のチケット(4公演セット:8,000円)をとりました 直接の動機は5月の公演にヴァイオリンの岡本誠司が出演するからです 2014年バッハ国際コンクール第1位,2016年ヴィエニャフスキ国際コンクール第2位の岡本の演奏はこれまで2回聴いていますが,演奏が素晴らしいのはもちろんのこと,演奏曲目への理解や,曲に取り組む姿勢もしっかりしています 現在 私の一押しの若手ヴァイオリニストです この他,カルテット・アマービレはメンデルスゾーン「弦楽四重奏曲第2番」を取り上げるのが嬉しいところです

 

       

 

                   

 

中川右介著「現代の名演奏家50~クラシック音楽の天才・奇才・異才」(幻冬舎新書)を読み終わりました 中川右介は1960年東京生まれ.早稲田大学第2文学部卒.2014年まで出版社アルファベータ代表取締役編集長として「クラシックジャーナル」誌や音楽家の評伝などを編集・発行.当ブログでは「怖いクラシック」(NHK出版新書)をご紹介しましたね

 

       

 

この本で扱っているのはクラシックの帝王カラヤン以下,フルトヴェングラー,カルロス・クライバー,クーベリック,ラトル,ベーム,アーノンクール,ミュンシュ,アバド,チョン・ミュンフン等の指揮者,アルゲリッチ,グルダ,ミケランジェリ,リヒテル,グリモー,ベルマン等のピアニスト,ムター,クレーメルらヴァイオリニスト,ロストロポーヴィチ,マイスキーらチェリスト,パヴァロッティ+ドミンゴ+カレーラスら三大テノール等々,音楽界の頂点で活躍した(している)音楽家たちです 

この本が他の類似本と大きく異なるのは,音楽家たちの生涯の概略を記した人物事典ではなく,それぞれの人生のある瞬間,ある期間を,他の音楽家との交流に焦点を当てて描いている点です 中でも,帝王カラヤンは様々な演奏家と交流や対立があったことが分かります

私が読んで一番面白かったのはヴァイオリニストのアンネ・ゾフィー・ムターを扱ったエピソードです 超訳すると

「多くのヴァイオリニストやピアニストは国際的なコンクールに入賞して初めて世界で認められる傾向にあるが,ムターは大きなコンクールでの入賞歴はなかった.カラヤンが優秀なヴァイオリニストを求めていた頃,「13歳のすごい少女がいる」という噂を耳にしたカラヤンは,ムターに自分のオーディションを受けさせ,自身が主宰するザルツブルク音楽祭に出演させモーツアルト「ヴァイオリン協奏曲第3番」を初協演し大成功に導いた その後のムターは「帝王カラヤンの秘蔵っ子」と呼ばれ,古今のヴァイオリン協奏曲を協演するとともに,次々と録音していった そんなムターをミュンヘン・フィルがソリストとして招きシベリウスのヴァイオリン協奏曲を演奏することになった時,リハーサルが始まると指揮者と意見が合わず,ムターの方からキャンセルを申し出た その時の指揮者はチェリビダッケだった カラヤンが天才と認めたヴァイオリニストをチェリビダッケは認めない・・・あまりにも分かり易い図式である

ここで「分かり易い図式」と言っているのは,ベルリン・フィルの首席指揮者だったフルトヴェングラーの後任候補としてカラヤンとチェリビダッケが跡目争いをして,結果としてカラヤンが勝ったことから,それ以降 二人の間には確執があった,さらに,音楽に対する姿勢が全く異なることによる確執があった,ということです すなわち,カラヤンはクラシック音楽の大衆化を図るため,積極的にCDやLDなど最新録音技術に関わっていたが,チェリビダッケは基本的には録音・録画は認めない主義で生の演奏に執着していたということです

一方,アンドレ・プレヴィンの項を見ると,ムターはプレヴィンの4度目の結婚相手(30歳以上の歳の差婚)として登場しています 二人はコルンゴルト,シベリウス,チャイコフスキーの協奏曲で協演していますが,多忙によるすれ違い生活のため4年後に離婚しています

他のアーティストについても面白く興味深いエピソードが満載です この本は,クラシック音楽界の相関図が描かれていると言ってもいいかもしれません クラシック好きにはたまらない本です

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