人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

木下千鶴のピアノを聴く~飯野ビル・ランチタイムコンサート / ピアニスト横山幸雄氏が上野学園大学を解雇されたって? / 田口久美子著「書店繁盛記」を読む

2017年03月16日 08時01分50秒 | 日記

16日(木).昨日の朝日朝刊・社会面に「上野学園大 ピアニスト横山さん解雇~経営問題で対立『業務妨害』理由に」という記事が載っていました 超訳すると

「上野学園大学が,教授の横山幸雄氏を13日付で解雇した 横山氏は1990年のショパン国際コンクール第3位入賞者.同氏は昨年8月,同大の経営陣を背任の疑いで東京地検に刑事告発している.昨年4月,当時教員だった指揮者の下野竜也氏らと『新しい上野学園を作る会』を立ち上げ,経営の健全化を訴えていた 同学園では,創設当初から石橋家による同族経営が続いている.同学園は『機密情報をSNSで漏洩し,業務を妨害するなどの行為があった.安心して勉学できる環境を確保するため,やむなく解雇処分とした 第3者委員会の指摘を受け,すでに経営改善を進めている』としている.横山氏は地位保全の仮処分を申請する意向

この記事が出るまで,同大学でそんな内部紛争があったとはちっとも知りませんでした 本当のところは当事者でなければ分からないでしょうが,こういうことが世間に明らかになると,大学のイメージ・ダウンは避けられません 都内だけでもいくつもある音楽大学の中で生き残りをかけて学生獲得競争を繰り広げているわけですが,一歩後退したと言われても仕方ありません.残念なことです 

というわけで,わが家に来てから今日で898日目を迎え,今春闘は経営側が労働組合側のベースアップ要求に4年連続で応じるが,引き上げ幅は前年実績を軒並み下回り,過去4年で最も小幅の回答が相次ぐ見通しだ とする記事を見てコメントするモコタロです

 

       

         政府が企業にベアを要請するなんて 一昔前は考えられなかった でも結局は大企業だけ

 

  閑話休題   

 

昨日,夕食に「クリーム・シチュー」と「生野菜とツナのサラダ」を作りました とにかく寒い日だったので温かいものが食べたくなりました  シチューはジャガイモとニンジンは皮付きのまま煮込んでいるので煮崩れがありません

 

       

 

  も一度,閑話休題  

 

昨日,内幸町のイイノホールでランチタイムコンサートを聴きました 早いもので今回は60回目を迎えるそうです この日の出演は大阪府出身のピアニスト木下千鶴さんです.2年前に青山学院大学経営学部を卒業,昨年 桐朋学園大学カレッジディプロマを卒業しました

ちょっと早めにロビーに着いたので,前から2列目に座りました プログラムは下のチラシの通りですが,シューマンとラヴェルの順を入れ替えて演奏しました

ベージュの衣装で登場した木下さんですが,後半に行くほど調子が出て来たように思います ショパンのバラードは熱演でした ビルのロビーという悪条件にも関わらず,飯野ビル自慢のベーゼンドルファー・インペリアルが良く響いていました ただ,室内ではないのでとにかく寒かった 聴いている最中,足元がスース―して寒気を感じていました 演奏する側の木下さんにもお気の毒でしたが,約1時間 (若干 大阪弁の)曲目解説を交えながら昼休みのひと時を充実したものにしてくれました これからの活躍を期待します

 

       

 

  最後の,閑話休題  

 

田口久美子著「書店繁盛記」(ポプラ社)を読み終わりました 田口久美子さんは1947年東京生まれ.東京外国語大学卒業.1971年にキティランド入社.73年書籍部門・八重洲店に配属,書店員としてのキャリアをスタート 76年に西武百貨店書跡販売部門(のち「リブロ」)入社.池袋店長を経て97年にジュンク堂に移る.現在は池袋店副店長を務めています

 

       

 

この本を手に取ってレジに持っていったのは,もちろんジュンク堂池袋店です この本の著者・田口久美子さんの姿も何度か見かけたことがあります.ある時は3階で,ある時は2階で ジュンク堂は私が勤めていた会社が入居する内幸町のNPCビル1階に書店を構えているので,現役時代はそこで本を買っていました そういう訳で,同書店には親近感があります

田口さんは本と書店に関しては何でも知っているカリスマ店員と言われている人ですが,この本は,自分の経験談を交えながら若い店員たちの日々の奮闘ぶりを描いたエッセイ集です

アマゾンをはじめとするネット書店の進出により,書店は「リアル書店」と呼ばれるようになるなど大きく業界地図が塗り替えられたという出版業界の話,絶えない万引き被害,無謀な客からの苦情対応,著者サイン会の裏話・・・などなど,書店を巡るリアルなエピソードが満載です

お客からの問い合わせで一番傑作なエピソードは次のようなものです

「お客さんがメモを見せた.『情事OLの1984』と書いてある.『すみません,ジョージ・オーウェルの”1984年”(ハヤカワ文庫)でしょうか?』.『そう書いてあるでしょう』」

これには笑っちゃいました

ジュンク堂の特徴としては,「専門書のジュンク堂」という経営方針のもと,法律・経済・経営・政治などのアカデミック部門に力を入れて来た,ということがありますが,池袋店に関してはコミック売り場も結構集客力があるようです 田口さんが,コミック売り場の青年に「今までどんな作家を見つけた?」と問うと,彼は「まず,新海誠,かな.学生の頃,インディーズで書いているのを見つけて(『ほしのこえ』),いつかサイン会をやってほしい,ってその時思って,徳間書店から一昨年DVDが出て,一生懸命売りました サイン会が実現できた時は本当に嬉しかった」と答えています

この話はこの本が単行本で出た2006年頃の話ですが,新海誠と言えば昨年来日本の映画界の話題をさらったアニメ映画「君の名は.」の監督です 10年前にジュンク堂の若き書店員が目を付けていた訳ですね ジュンク堂には各売り場に目利きの店員が揃っているようです

この本を読むと,目に見えないけれど,普段からいろいろなトラブルや悩みを抱えながら働いているんだなあ,と今まで以上に書店と書店員への親近感が湧いてきます 本好きのあなたにお薦めします

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