人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

小林研一郎 ✕ キム・ボムソリ ✕ 読売日響でブルッフ「ヴァイオリン協奏曲第1番」、フランク「交響曲ニ短調」、ビゼー「カルメン」第1組曲を聴く ~ 読響第623回名曲シリーズ

2019年06月19日 07時18分38秒 | 日記

19日(水)。わが家に来てから今日で1720日目を迎え、刑事事件の容疑者を中国本土に引き渡すことを可能にする香港の「逃亡犯条例」改正案に対し抗議活動が続いている問題で、林鄭月娥・行政長官が教育関係者らと面会し、改正手続きの延期について、「事実上の撤回に等しい」と述べた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     一般市民や学生が200万人も反対デモに参加したら 撤回せざるを得ないだろうよ

 

         

 

昨日、夕食に「鶏肉とジャガイモのトマト醤油煮」と「生野菜サラダ」を作りました 「鶏肉~」は近藤幸子先生のレシピです。初挑戦ですが、何とか美味しくできました

 

     

 

         

 

昨夕、サントリーホールで読売日響の第623回名曲シリーズを聴きました プログラムは①ビゼー:歌劇「カルメン」第1組曲、②ブルッフ「ヴァイオリン協奏曲 第1番 ト短調 作品26」、③フランク「交響曲ニ短調」です ②のヴァイオリン独奏はキム・ボムソリ、指揮は小林研一郎です

 

     

 

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの読響の編成。コンマスは小森谷巧です

1曲目はビゼー:歌劇「カルメン」第1組曲です この曲はジョルジュ・ビゼー(1838-1875)が作曲した歌劇「カルメン」から、彼の友人の作曲家エルネスト・ギローが、主だった楽曲をピックアップして組曲に仕立てたものです 第1組曲と第2組曲がありますが、この日演奏される第1組曲は①前奏曲(第1幕への前奏曲後半部分)、②アラゴネーズ(第4幕への間奏曲)、③間奏曲(第3幕への間奏曲)、④セギディーリャ、⑤アルカラの竜騎兵(第2幕への間奏曲)、⑥闘牛士(第1幕への前奏曲前半)と続きます 「間奏曲」でのフリスト・ドブリノヴのフルートや、蠣崎耕三のオーボエが素晴らしい演奏を展開しました 最後の「闘牛士」では、コバケンは先を急ぐことなく、堂々たる闘牛士の入場を描き出しました

曲目はブルッフ「ヴァイオリン協奏曲 第1番 ト短調 作品26」です    この曲はマックス・ブルッフ(1838-1920)が1866年、28歳の時に作曲し、1867年から68年にかけて改訂した作品です   第1楽章「(前奏曲)アレグロ・モデラート」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「(終曲)アレグロ・エネルジコ」の3楽章から成ります

ヴァイオリンを独奏するキム・ボムソリは韓国生まれの新鋭です ソウル大学を経て米ジュリアード音楽院で学びました ミュンヘン国際コンクール最高位、ヴィエニャフスキ国際コンクール第2位、モントリオール国際音楽コンクール第2位など輝かしい受賞歴を誇ります

黒と金をベースにしたオシャレな衣装のキム・ボムソリがコバケンと共に登場し、さっそく演奏に入ります キムの演奏は、予想通り確かな技術に裏づけられた音楽性の高いもので、高音から低音まで完璧にコントロールされて会場の隅々まで届きます コバケン✕読響はピタリとつけます ヴァイオリン独奏のないオケだけの部分では、テンポを落として歌わせます ソリストを最大限に引き立てるのはコバケンならではでしょう

満場の拍手とブラボーに、キム・ボムソリはイザイの「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第4番」から第4楽章を超絶技巧で演奏し、会場の温度を上昇させました


     


プログラム後半はフランク「交響曲ニ短調」です    この曲はセザール・フランク(1822-1890)が1886年から1888年にかけて作曲した晩年の傑作です   この作品は、一つの主題や動機が変容を遂げながら全曲に登場する「循環形式」を採用していることで知られています  第1楽章「レント~アレグロ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アレグレット」、第3楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」の3楽章から成ります

コバケンは比較的ゆったりしたテンポで演奏を展開します 特筆に値するのは第2楽章冒頭における北村貴子のコールアングレの演奏です 全曲を聴いて思ったのは、コバケンはこの5、6年で随分変わったのではないか、ということです それ以前は「恣意的な指揮ぶり」というか「いかにも受け狙いで、作っている」と感じたものですが、最近は、音楽の流れが自然に感じます 彼はもう79歳。歳とともに余分な意識が抜けたのでしょうか それだけに、読響の演奏が素直に素晴らしいと感じました

コバケンはいつものように管楽器からセクションごとに立たせ、賞賛の拍手を求めます そして、拍手を制して「アンコールはマスカーニの『カヴァレリア・ルスティカーナ』間奏曲で祈りの世界に入ります」と言って、演奏に入りました 悲しくも感動的なこの曲を聴きながら、コバケンの言う「祈りの世界」とは、彼の出身地であるフクシマへの鎮魂と復興への祈りなんだろうな、と思いました 読響の面々はコバケンの祈りに渾身の演奏で応えました

コメント
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