26日(水)。わが家に来てから今日で1727日目を迎え、トランプ米大統領はホワイトハウスで記者団に、北朝鮮の金正恩氏からの親書がトランプ氏の誕生を祝うものだったとし、金正恩氏あてに返信の親書を送ったと語った というニュースを見てトランプの親書の内容を推測するモコタロです
金ちゃん バースデーカードありがとう おれ本当の友達がいないから嬉しかったよ
昨日、夕食に「アボカドと鶏ももの塩だれバター炒め」「まぐろの山掛け」「生野菜サラダと生ハムのサラダ」「モヤシ豚汁」を作りました 「アドカド~」は崩れやすいので熱加減が難しいです
昨夕、東京都交響楽団の第880回定期演奏会Bプロを聴きました プログラムは①ペンデレツキ「平和のための前奏曲」、②同「ヴァイオリン協奏曲第2番”メタモルフォーゼン”」、③ベートーヴェン「交響曲第7番イ長調」です ①の指揮は急きょ代演となったマチェイ・トヴォレク、②ヴァイオリン独奏は庄司紗矢香、②と③の指揮はクシシュトフ・ペンデレツキです
クシシュトフ・ペンデレツキは1933年 ポーランド生まれ(今年86歳)の作曲家です 日本では「広島の犠牲者に捧げる哀歌」で多くの人々に知られています 作曲家としての顔のほか、毎年5月の連休に開かれる「ラ・フォル・ジュルネ音楽祭」に毎年のように来日して演奏しているポーランドの「シンフォニア・ヴァルソヴィア」の音楽監督に就任(1997年)、2003年以降は芸術監督を兼任しており、指揮者としての顔も持っています
1曲目はペンデレツキ「平和のための前奏曲」です この曲は、第二次世界大戦の始まり(1939年9月1日)から70年という節目に当たる2009年に委嘱された作品で、同年9月1日にクラクフで、ワレリー・ゲルギエフ指揮ワールド・オーケストラ・フォー・ピース2009により初演されました
事前に配布された「謹告」によると、「(作曲者本人から)高齢に伴う体力的な問題から本番における全曲指揮が困難であるとの申し出を受け、ペンデレツキ作曲『平和のための前奏曲』のみ、アシスタントとして同行している指揮者マチェイ・トヴォレクが指揮を務めることになりました」ということです プログラムを見ると、この曲の演奏時間は5分、2曲目のヴァイオリン協奏曲が40分、ベートーヴェンの第7番が38分と表示されています。つまりペンデレツキ氏は5分の自作の指揮だけ代演を立て、後の2曲を振るというのです これが自作は2曲とも自分で振るが、ベートーヴェンは代演を立てるというのなら理屈は分かるような気がするのですが、どうもよく理解できません よほど5分の曲が体力を使うのでしょうか
ホルン、トランペット、トロンボーン、テューバといった金管楽器とティンパニ、大太鼓、シンバルなどの打楽器が所定の位置に着きます マチェイ・トヴォレクの指揮で冒頭のファンファーレが会場に鳴り響きます。その後はカノンが演奏されます 一時不穏な曲想になりますが、再び明るさを取り戻し、平和を願うかのように明るいフィナーレを迎えます 都響のブラス・セクションと打楽器セクション、なかなかやるじゃんといった感じです
2曲目はペンデレツキ「ヴァイオリン協奏曲第2番”メタモルフォーゼン”」です この曲はアンネ=ゾフィー・ムターとの出会いが契機となって、1992年から95年にかけて作曲され、1995年6月24日にライプツィヒで、アンネ=ゾフィー・ムターの独奏、マリス・ヤンソンス指揮MDR交響楽団によって初演されました
オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという編成。コンマスは矢部達哉です 「メタモルフォーゼン」とは「変容」のことで、単一楽章40分の中で曲が次々と変容していきます 白のシンプルな衣装の庄司紗矢香がペンデレツキとともに登場し、さっそく演奏に入ります 後半に長大なカデンツァがありますが、庄司紗矢香は超絶技巧を駆使して正面から対峙します 曲全体としては重苦しさを感じる曲想です。独奏ヴァイオリンはほぼ鳴りっぱなしですが、庄司紗矢香の集中力は終始途切れず、表情豊かにストラディバリウスの美しい音色を会場の隅々まで届けました
ソリストはアンコールにバッハの「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番」から第3楽章「ラルゴ」をしみじみと演奏、聴衆のクールダウンを図りました
プログラム後半はベートーヴェン「交響曲第7番イ長調」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1811年から13年にかけて作曲し、1813年12月8日にウィーンで初演されました 第1楽章「ポコ・ソステヌート~ヴィヴァーチェ」、第2楽章「アレグレット」、第3楽章「プレスト」、第4楽章「アレグロ・コン・ブリオ」の4楽章から成ります
ペンデレツキの指揮で第1楽章に入りますが、テンポは速すぎず 遅すぎず、極めて中庸です この楽章の後半を聴いていると、どうしても「のだめカンタービレ」を思い出してしまいます 都響は弦楽器が優れているとはよく言われることですが、それが良く表れたのは第2楽章でした 葬送行進曲風の曲想ですが、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスすべてのアンサンブルがとても美しく響きました 第3楽章に入ると、今度は木管と金管のアンサンブルが美しく響きました この曲の白眉は第4楽章です。ワーグナーがこの曲について「舞踏の聖化」と呼んだように、激しいリズムが曲に推進力をもたらします ペンデレツキはこの楽章ではテンポを一気に上げます 私がこの曲で一番好きなところは、この楽章の終盤でチェロとコントラバスがうねる様な演奏を繰り広げるところです バランス感覚ゼロの指揮者だとまったく低弦のメロディーが浮かんでこないのですが、さすがは作曲家であり指揮者でもあるペンデレツキは しっかりとバスを強調し全体のバランスを取ります とても86歳の人の指揮とは思えない矍鑠とした指揮ぶりでした
満場の拍手にカーテンコールが繰り返されますが、最後にペンデレツキは譜面台のスコアブックを持ち上げ、「拍手はベートーヴェンに」と言いたげな表情を見せ、拍手の中、それを抱えて舞台袖に引き上げました とても良いコンサートでした