人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

マイケル・チミノ監督「ディア・ハンター」を観る ~ ロシアン・ルーレットとテーマ・ミュージック=スタンリー・マイヤーズ作曲「カヴァティーナ」が印象に残る作品 / シャルル・デュトワ現職復帰?

2019年06月22日 07時24分29秒 | 日記

22日(土)。わが家に来てから今日で1723日目を迎え、北朝鮮を訪れている中国の習近平国家主席は20日夜、数万人の市民が参加するマスゲーム公演を観覧した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       個人無視のマスゲームでは さすがの中国も金正恩独裁者国家に かなわないだろう

     

         

 

山形に単身赴任している息子が東京出張を機に、わが家に戻ってきました 毎日自炊している関係で料理の上達が著しい息子は、昨日の夕食に「ステーキ」を焼き、「ブロッコリーのスープ」「野菜と卵サラダ」を作ってくれました 言うまでもなく、牛肉代(1枚350グラム✕3人前)は私持ちです ブロッコリーのスープは初めて食べましたが、絶品で驚きました

 

     

 

         

 

昨日の朝日朝刊 文化・文芸欄に「『音で描く物語』生んだ感性とは 指揮者シャルル・デュトワ、ベルオーズ『幻想交響曲』を語る」という見出しの記事が載っていました スイス生まれの世界的指揮者、シャルル・デュトワが先月、大阪フィルを振ってベルリオーズ「幻想交響曲」を演奏した際に朝日新聞の吉田純子編集委員がインタビューしたものです 主なデュトワの発言は次の通りです

「ベルリオーズの感性はゲーテやシェークスピア、ギリシャ悲劇から影響を受け、歴史的にも地理的にも広く開かれていた ワーグナーも神話を音楽にしたが、素材にしたのはドイツの中のできごとだけ。国際感覚は対極的だ

「N響に限らず、当時の日本の楽団は、いずこもドイツ系がベースだった。折り目正しくきっちりやることに、楽員も聴衆も『居心地の良さ』を感じていた フランス音楽が最も大切にするのは『色』。音楽にどのような光を当て、無限のプリズム、虹のグラデーションを引き出すかが鍵だが、そうした価値観をドイツ系の楽団に理解してもらうのは、実はとても難しい 彼らは人生をかけて、音楽の精神という『核』に突き進むことが使命だと訓練されているのだから

「いまのN響には、私が音楽監督をしていた頃のエスプリがしっかり残っている エスプリとは、喜びをもって音を出す、色をうみだすということ。オーケストラは、もっと多様な世界へと開かれている

シャルル・デュトワはN響との関係が深く、1996年から常任指揮者、98年から音楽監督、2003年から名誉音楽監督を務めています(現在も)。そのデュトワに関するセクハラ疑惑報道が出たのは2017年12月のことだったと思います オペラ歌手4人の女性から1985年から2010年にかけてセクハラを受けたと訴えられたというものでした その報道以後、デュトワはN響のコンサートに登場していません

5月に大阪フィルを指揮した、ということは、セクハラ疑惑が晴れたということでしょうか? 「訴えられた」というからには裁判沙汰になったと思われますが、判決でも出たのでしょうか? しかし、そのような報道は見たことはありません 個人的にはデュトワの指揮するコンサートは素晴らしいと思うし、彼に対して何の恨みもありませんが、過去の疑惑が晴れたのか晴れないのか、あやふやなままで日本のオケの指揮をしたというのは気持ちの良いものではありません あるいは世間の情報に疎い私が知らないだけなのでしょうか? どなたか真相をご存知の方がいらっしゃったら教えていただければと思います

 

         

 

昨日、池袋の新文芸坐でマイケル・チミノ監督による1978年アメリカ映画「ディア・ハンター」(184分)を観ました これはベトナム戦争で心身ともに深い傷を負った若者たちの苦悩と友情を描いた映画です

 

     

 

1960年代末、米ペンシルバニアの製鋼所で働いていたマイケル(ロバート・デ・二―ロ)、ニック(クリストファー・ウォーケン)、スティーヴン(ジョン・サベージ)たちは休日となると鹿狩りをして楽しんでいた スティーヴンとアンジェラの結婚式を兼ねた壮行会が開かれ、やがてマイケルたちは徴兵されベトナムに派兵される 彼らは戦場で再会するが、捕虜となり残酷な拷問ゲーム、ロシアン・ルーレットを強要される マイケルの機転で3人は脱出に成功するが、途中で3人はバラバラになり、スティーヴンは両足を失い軍の病院に収容され、ニックは行方不明になる 故郷に帰ったマイケルはニックを探すために陥落寸前のサイゴンに赴く。やっと探し出したニックはロシアン・ルーレットの賭けに参加する伝説のアメリカ人となっていた 薬物で意識が朦朧としているニックは、やっとマイケルを認識しようとした矢先に拳銃の引き金を引き 弾丸が頭を貫く

この映画の前半では、スティーヴンとアンジェラとの結婚式を兼ねた壮行会の歌ありダンスありの賑やかなシーンが、これでもかというくらいに延々と続きます それだけに、中盤からのベトナムでの強制された「ロシアン・ルーレット」の恐怖が対極的な世界として浮き彫りにされます 実際に自分自身がその場にいて、回転式拳銃の弾倉に弾を1発だけ込めて弾倉を回転させて引き金を引くことを想像すると、恐怖で気が狂ってしまうのではないか、と思います

この作品には、ニックが壮行会の会場で突然結婚を申し込む相手のリンダを、デビュー間もないメリル・ストリープが演じています 魅力的な女優ですが、当時は、今日ほどの大女優になるとは誰が予想できたでしょうか

この映画では、スタンリー・マイヤーズ作曲「カヴァティーナ」がジョン・ウィリアムス(スター・ウォーズの作曲者ではありません)のギターで演奏されますが、このテーマ・ミュージックが素晴らしい また、映画の序盤で、連れ立って鹿狩りから帰ってきて酒場に入り、仲間がピアノでショパンのマズルカ(多分)を弾く場面がありますが、愛する故郷をあとにして戦場に赴かなければならないマイケルたちの心情が反映されたかのような音楽で、とても印象に残るシーンです

3時間があっという間に過ぎ去りました 良い映画の条件です

コメント
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