26日(金)。血液型別の新型コロナウイルス感染リスクについては10日付の当ブログでご紹介しましたが、一昨日の日経夕刊のコラム「がん社会を診る」に、他の病気を含めた血液型別発症リスクが載っていました 東京大学病院の中川恵一准教授の解説を超訳すると、
「血液型と病気のリスクに関する研究は、世界中で行われている 新型コロナウイルスでは、A型の血液型を持つ人は感染や死亡のリスクが高く、O型が最もリスクが低いことが分かっている A型の人はマラリアなど、他の感染症にも弱いとされている がんについても血液型によって、発症リスクに差があるという研究結果がある 2009年に米国立がん研究所が医療スタッフ約10万人を8年以上にわたり追跡した研究では、『O型の人はA、B、AB型の人に比べ、膵臓がんになりにくい』と結論付けている 膵臓がんの発症リスクはO型が一番低く、B型のリスクはO型に比べ約1.7倍、AB型は約1.5倍、A型は約1.3倍だった スウェーデンとデンマークの100万人以上の献血者のデータを分析した結果では、A型の人の胃がんの発症リスクはO型に対して2割も高くなっていた 逆に、胃や十二指腸の潰瘍はO型に多い傾向がある また、救命救急センター2施設に運ばれてきた901人のデータでは、O型の人の死亡率はO型以外の人の2倍以上になっていた O型の人では、血液凝固因子の一つが他の人より3割も少ないため、大けがによる出血が止まりにくいことが原因の一つとされている O型に心筋梗塞が少ないのも同じ理由だろう。血液型を変えることはできないが、生活習慣を変えることはできる 禁煙、節酒と運動でがんの予防は十分に可能だ コロナ禍でもこのライフスタイルを守りたい」
私はO型ですが、この記事を読むと必ずしも楽観できないと思いました 要は確率の問題なので、病気になる人はなるし、ならない人はならないのです せいぜい栄養バランスを考えて食事作りに励み、毎日8000歩を目指して歩こうと思います
ということで、わが家に来てから今日で2095日目を迎え、河井夫妻の公選法違反容疑事件で、広島県府中町の繁政秀子町議が25日 報道各社の取材に応じ、昨年5月に広島市内の河井安里議員の事務所に行った際、前法相の河井克行議員から「安倍(晋三)さんからです」と言われ、現金30万円が入った封筒を手渡されたことを明らかにした というニュースを見て感想を述べるモコタロです
モリ・カケ・桜・検察庁の次は1億5千万円支援による河井夫妻公選法違反疑惑
昨日、夕食に「豚バラ麻婆茄子」「チンゲン菜の中華スープ」を作りました 麻婆茄子はピリカラで美味しかったです
昨日、池袋の新文芸坐でケン・ローチ監督「家族を想うとき」とセバスティアン・レリオ監督「ロニートとエスティ」の2本立てを観ました
「家族を想うとき」はケン・ローチ監督による2019年イギリス・フランス・ベルギー合作映画(100分)です
イギリスのニューカッスルに暮らすターナー家。フランチャイズの宅配ドライバーとして独立した父のリッキー(クリス・ヒッチェン)は、苛酷な現場で時間に追われながらも念願のマイホーム購入の夢を叶えるため懸命に働いている そんな夫を支える妻のアビー(デビー・ハニーウッド)もまた、パートタイムの介護福祉士として時間外まで一日中働いていた 家族の幸せを思っての仕事が、いつしか家族が一緒に顔を合わせる時間を奪い、高校生のセブと小学生のライザ・ジェーンは寂しさを募らせてゆき、セブが喧嘩をして相手に怪我をさせたり、万引きをしたりして親が呼び出される そんな中、リッキーが配達中に窃盗事件に巻き込まれ身体中怪我を負ってしまう
この映画は「わたしは、ダニエル・ブレイク」でカンヌ国際映画祭の最高賞パルムドールを受賞したケン・ローチ監督による、現代社会が抱える様々な労働問題と家族を描いた問題作です 父親の立場からみれば、「毎日 朝から晩まで家族のために頑張っているのに、子どもは親の気持ちも知らないで問題行動ばかり起こしてイライラする」というリッキーの気持ちが良く分かります また、母親のアビーだって「仕事で必要だった車を宅配用のバンを買う為に手放し、バスで訪問先をハシゴしなければならなくなりストレスが溜まりイライラする」というのも良く分かります 要するに二人とも働いた分しかお金が入らないし、仕事を休めばそれだけ収入が減るのです。これは、独立した仕事といえば聞き映えしますが、ほとんど「出来高払い」のフリーランスの仕事に近いと思います
この映画を観て一番良かったと思うのはラストで、怪我だらけのリッキーが「自分が働かなければ借金も返せないし、家族も養えない」と言い、家族の止めるのを振り切って宅配用バンに乗り込んで出発するシーンです これが、最後に「リッキーはキツイ宅配の仕事を辞めて 新しい仕事が見つかりましたとさ、チャンチャン」・・・という終わり方だったら台無しになっていたでしょう 唯一の救いはセブがリッキーに心を開いたことですが、それ以外は、借金が減るどころかむしろ増えたし、リッキーの怪我が治ったわけでもないし、それでも歯を食いしばって働くしか選択肢がないし、と 問題が何も解決されないまま終わるところが良いのです ケン・ローチ監督は「これが社会の現実だ。さあ、どうしたらいい?」と観衆に問いかけたいのだと思います
「ロニートとエスティ」は、セバスティアン・レリオ監督による2017年イギリス映画(114分)です
超正統派ユダヤ・コミュニティで生まれ育ったロニート(レイチェル・ワイズ)とエスティ(レイチェル・マクアダムス)は女性同士 互いに惹かれ合っていたが、コミュニティの掟は二人の関係を許さなかった やがてロニートはユダヤ教指導者の父と信仰を捨てて閉鎖的な故郷を去り、残されたエスティは幼なじみのドヴィッド(アレッサンドロ・二ボラ)と結婚してユダヤ社会で生きることになった 時が経ち、父の死をきっかけにロニートが帰郷し、二人は再会を果たす 心の奥に封印してきた熱い思いが溢れ、二人は信仰と愛との間で葛藤する そして、エスティは本当の自分を取り戻すため、夫に「自由にさせてほしい」と訴える
この映画は、イギリスの女性作家ナオミ・オルダーマンの自伝的デビュー作をもとに、厳格なユダヤ・コミュニティーで育った女性二人の赦されざる愛を描いた作品です 最初のうちは、この映画のテーマは何かが分からないのですが、終盤のシーンで原題の「disobedience」の意味が理解できます つまり、ロニートは厳格なユダヤ・コミュニティで ごく普通に結婚して平穏に過ごすという生き方が嫌で父と信仰を捨ててニューヨークに出て行ったし、結婚はしたものの閉鎖的なユダヤ・コミュニティに閉塞感を感じていたエスティも本心では夫を愛しておらず、自由になりたかった つまりこの映画のテーマは「disobedience」つまり、反抗、不服従です 邦題よりも原題の方が作品のテーマを良く表しているケースは数多くあります