5日(土)。月間クラシック情報誌「モーストリー・クラシック」創刊編集長だった田中良幸氏が編集長を務める「月刊音楽祭」が相次いで次のようなツイートをしています
「ロシア・モスクワのボリショイ劇場のウラジーミル・ウリン総支配人らモスクワの芸術家がプーチン大統領に対し、『ウクライナでの特殊作戦』を止めるよう訴える請願書を提出した 請願書にはウリン以下17人が署名し、ヴァイオリニストで指揮者のウラディーミル・スピヴァコフも名を連ねている
」(※勇気のある行動だと思います
)
「ミラノ・スカラ座が2日、新制作のチャイコフスキー『スペードの女王』の指揮者交代を発表した 初日の2月23日の公演をロシアの指揮者ワレリー・ゲルギエフが指揮したが、翌24日にロシアのウクライナ侵略が始まったことで、ミラノのジュゼッペ・サーラ市長がゲルギエフに対して非難声明をすぐに出すように要求していた
現地のメディアによると、劇場のドミニク・マイヤー総裁と合意の上で、サーラ市長から行動に移さない場合は解任するという手紙がゲルギエフに送られたという
しかし、マイヤー総裁は『手紙に対するゲルギエフからの返答はありません』と述べており、解任されることになった
代役として5日の公演から指揮台に立つのはロシア・北オセチア共和国生まれの27歳、ティムール・ザンギエフ。モスクワ音楽院でゲンナジー・ロジェストヴェンスキーに指揮を学んだ
」(※代役もロシア出身者なのですね。どういう基準なのでしょうか
)
「オランダのロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団が1日、ロシアの指揮者ワレリー・ゲルギエフとのすべての関係を終了すると発表した オーケストラはロシアのウクライナ侵略を非難する声明を発表、ゲルギエフに対しても、プーチン大統領の行動から公然と距離を置くように求めていたが、2月28日に行われた電話での話し合いでも溝が埋まらなかったという
」(※ゲルギエフは世界の音楽界から締め出しを食った形ですね
)
「英国を拠点に活動するロシア出身の指揮者ワシリー・ぺトレンコ(45)が声明を発表し、モスクワを本拠地とするスヴェトラーノフ記念ロシア国立交響楽団の芸術監督を辞任したことを明らかにした 声明でぺトレンコは『ウクライナで起こっている悲劇は、既に今世紀最大の道徳的失敗と人道的災害の一つです。私が誇りに思っているロシアとウクライナの人々の間の歴史的および文化的なつながりは、ロシアの侵略を正当化するために使用することはできません』と述べて、ロシアのウクライナ侵略を非難している」(※指揮者としてのスヴェトラーノフは大好きなのでちょっと残念なニュースです
)
「フランス・トゥールーズのジャン=リュック・ムーデンク市長が3日、この18日にトゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団を指揮するトゥガン・ソヒエフに対し、ロシアのウクライナ侵略についてコメントを発表するよう要請していることを明らかにした ソヒエフは北オセチア生まれの44歳。ゲルギエフ記念ウラジカフカス芸術学校を卒業、サンクト・ペテルブルク音楽院で学んだ。ソヒエフは2005年からトゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団の首席指揮者や音楽監督を歴任する一方、2014年からモスクワのボリショイ劇場の音楽監督を務めるなど、プーチン政権に近いと見られている
現地での報道によると、ソヒエフはコメントを出すことは了解しているが、トゥールーズとウクライナの首都キエフは1975年から姉妹都市関係にあり、市長はそれに満足せず、政権との距離をもっと明確にするよう求めているという
」(※ソヒエフはN響定期公演でお馴染みの指揮者です。これからの客演はどうなるのでしょうか
)
「ニューヨークのメトロポリタン歌劇場のピーター・ゲルブ総裁がウクライナの人々と連携するというビデオ声明をSNS上で発表し、プーチン大統領を支援する芸術家、プーチン大統領の支援を受ける芸術家や組織との関係を断ち切ることを明らかにした ゲルブ総裁は特定のアーティストの名前を挙げておらず、4月30日にプッチーニ『トゥーランドット』に出演する予定のアンナ・ネトレプコの出演については言及を避けた
ネトレプコは自身のSNS上の投稿で『この戦争に反対している』と発言しているが、2014年のプーチン大統領によるクリミア半島侵攻を支持していた
」(※ネトレプコはゲルギエフが見出して育てた世界的なソプラノです。METがどう対応するか微妙なところですね
)
そして、一番気になるのは今月、東京フィルを指揮することになっているプレトニョフ氏の動向です
「ロシア・ナショナル交響楽団のスイス・ツアーの中止が発表された。スイス政府の決定で、ウクライナへの武力侵攻に抗議する『ロシア・ボイコット』の一環 創設者のミハイル・プレトニョフに率いられて、3月にチューリッヒ、ジュネーブ、ベルンで演奏会を行う予定だった」(※プレトニョフ氏はすでに来日しています
)
こうして一連のツイッターを見ると、自ら辞任を申し出る人もいれば、周囲からプーチン批判を強いられたり辞めさせられたりする人もいて、同じロシアの芸術家でもプーチン寄りかそうでないかで周囲の対応が異なるようです いずれにしても、諸悪の根源はプーチン大統領です
プーチン政権は無実の人々を殺し、政治・経済だけでなく文化の分野でも世界に大きな損害を与え、ロシア国内を含めた世界の「戦争を止めろ」の声を無視してウクライナへの攻撃をエスカレートさせています
こんなことが許されるわけがありません
ということで、わが家に来てから今日で2611日目を迎え、格付け会社のS&Pグローバルは3日、ロシアの外貨建て長期債務格付けを「ダブルBプラス」から信用リスクが極めて高い「トリプルCマイナス」まで8段階引き下げた というニュースを見て感想を述べるモコタロです
プーチンの長期格付けはトリプルKGBマイナスだな これ以上下がりようがないよ
昨日、夕食に2週間に一度のローテにより「鶏の唐揚げ」を作りました 今回も最高の出来でした。3分+2分の2度揚げです
新国立劇場から「2022/2023シーズン オペラセット券 フルシリーズ継続案内」が届きました 新シーズンは今年10月から来年6月までに全10公演が上演されますが、今年は「新国立劇場開場25周年」とのことで、フルシリーズの継続をすると記念特典としてプログラム引換券をS席1セットにつき10枚、A席6枚、B席4枚を進呈するとのことです
1冊1000円のプログラムは基本的に毎回購入していたので、このサービスは有難いです
私は現在S席フルシリーズのプルミエ(初日)会員なので全公演とも買う必要がなくなります
2002年から同じ席を継続してきたので会員歴20年になります。当然現在の席で継続します
なお、2022/2023シーズン のラインナップは以下の通りです
①ヘンデル「ジュリオ・チェーザレ(新制作)」:10月
②ムソルグスキー「ボリス・ゴドゥノフ(新制作)」:11月
③モーツァルト「ドン・ジョバンニ」:12月
④ワーグナー「タンホイザー」:1月
⑤ヴェルディ「ファルスタッフ」:2月
⑥オッフェンバック「ホフマン物語」:3月
⑦ヴェルディ「アイーダ」:4月(開場25周年記念公演)
⑧ヴェルディ「リゴレット(新制作)」:5月
⑨リヒャルト・シュトラウス「サロメ」:5月
⑩プッチーニ「ラ・ボエーム」:6月(開場25周年記念公演)
新シーズンの特徴は「新制作」が3作品あることと、ヴェルディの作品が3つ取り上げられていることです なお第1作:ヘンデル「ジュリオ・チェーザレ(新制作)」は2シーズン前に計画されていた公演で、新型コロナの影響拡大で中止になったものです
また、第7作:ヴェルディ「アイーダ」は新国立劇場オープンの際や開場10周年、20周年の際に再演されてきた記念すべき演目で、フランコ・ゼッフィレッリによるスケールの大きい絢爛豪華な演出・舞台が話題になりました
いずれも楽しみです