人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

東京・春・音楽祭で「N響メンバーによる室内楽」を聴く~モーツアルト「ピアノと管楽のための五重奏曲 変ホ長調 K.452」他 / ロシアのキーシンら、グネーシン音楽学校校長に抗議声明

2022年03月25日 06時50分37秒 | 日記

25日(金)。月刊音楽祭のツイッターは「グネーシン音楽大学の教員とキーシン、トリフォノフら卒業生がプーチン支持のホフロフ校長に抗議声明」という記事をツイートしています 超訳すると次の通りです

「モスクワのグネーシン音楽大学で22日、教員と卒業生、学生オーケストラのメンバーが 指揮者で校長を務めるミハイル・ホフロフに対する抗議声明を発表した プーチン大統領によるウクライナ侵略を支持する「Z」の文字の入ったTシャツを着て学生オーケストラを指揮したホフロフに対する抗議声明で、エフゲニー・キーシンやダニール・トリフォノフも署名している ホフロフはこの6日、学生オーケストラとベートーヴェンの交響曲第5番の第1楽章を演奏、その様子を YouTube チャンネル『 Gnessin  World  Channel 』に投稿した。しかし、それが未成年の学生を動員してのプーチン大統領を支持するための政治活動であるといった批判が殺到、21日に投稿が削除されるという事態に発展した 声明は『この行為は、世界最高の音楽学校の一つであるグネーシン音楽大学の評判を著しく傷つけ、有名な元教員たちの名誉と記憶を侮辱するものである 校長がこの醜い宣伝のために未成年の生徒を集め、自分の個人的な軍国主義的世界観の表現手段として利用したことは忌まわしいことだと考える 私たちの学校の元生徒、卒業生、教師は、この恥ずべき行為を最も強い言葉で非難し、学校の歴史に恐ろしい汚点を残したと考える』と強烈に非難している

これに関連して、Duneという方がツイッターに「ホフロフはグネーシン音楽大学(音楽アカデミー)ではなく、グネーシン音楽学校の校長。公開状も学校の教師、卒業生、生徒182名の連名による」と投稿しています グネーシン音楽学校といえば、ピアニスト・松田華音が卒業生ですね ロシア国内でのこうした行動は勇気のいることだと思います ロシア国民が真実を知ってプーチンを大統領の座から引きずり降ろさないとこの戦争は終わらないのではないか、と思います その意味では今回の行動は大きな一歩だと思います

ということで、わが家に来てから今日で2631日目を迎え、海外メディアによると、ロシアのタブロイド紙「コムソモリスカヤ・プラウダ」が21日、ウクライナでの「特別軍事作戦」でロシア軍の死者は9861人に上り、1万6153人が負傷したという記事を掲載したが、すぐに削除された  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     ロシア側は軍の犠牲者を明らかにしていないが  相当にダメージを受けているはず

 

         

 

昨日、夕食に「三元豚バラカルビと にんにくの芽炒め」「生野菜とアボカドのサラダ」「卵スープ」を作りました 豚カルビ美味しかったです

 

     

 

         

 

昨夕、東京文化会館小ホールで東京・春・音楽祭参加公演「N響メンバーによる室内楽」を聴きました プログラムは①ダンツィ「木管五重奏曲 変ロ長調 作品56-1」、②モーツアルト「アダージョ 変ロ長調 K.411」(木管五重奏版)、③同「ピアノと管楽のための五重奏曲 変ホ長調 K.452」、④ヒンデミット「小室内音楽 作品24-2」、⑤トゥイレ「六重奏曲 変ロ長調 作品6」です     演奏はフルート=甲斐雅之、オーボエ=吉村結実、クラリネット=松本健司、ファゴット=水谷上総、ホルン=今井仁志、ピアノ=萩原麻未です

 

     

 

自席はセンターブロック5列目の通路側です。会場は半分くらいの入りでしょうか N響メンバーの室内楽としては寂しいような気がしますが、必然のような気もします その理由は①玄人好みのプログラミングと②比較的高い料金設定です ①については、全5曲のうち良く知られているのはモーツアルトの「ピアノと管楽のための五重奏曲 変ホ長調 K.452」くらいで、あとの4曲は見たことも聴いたこともない、という人がほとんどではないかと思います 私はこの日演奏されるダンツィもヒンデミットもトゥイレも生まれて初めて聴きます このうちの1曲でもベートーヴェン「ピアノと管楽のための五重奏曲」とかモーツアルト「管楽のためのセレナード」のどれかにしたら、もっと客入りは期待できると思います 今回のプログラムは「聴衆が聴きたいプログラム」というよりは「演奏者が演奏したいプログラム」だったと思います また、②についてはS席:5,500円、A席:4,000円という料金は若干高いのではないか、と思います 500円ずつ下げたらイメージが違うと思いますが、どうでしょうか

また、せっかくセンターブロックE列(5列目)のかなり”いい席”を取ったのに、すぐ前席の男性の背(座高)が高く、吉村さんも萩原さんも良く見えませんでした こういうのは不運としか言いようがないですね 私の場合、チケットを単発で取る時は結構ツイていて、すぐ前席が空いていて見通しが良かったりするのですが、今回はツイていませんでした たまにはこういうこともあります

さて、1曲目はダンツィ「木管五重奏曲 変ロ長調 作品56-1」です この曲はフランツ・ダンツィ(1763‐1826)が作曲した9曲の木管五重奏曲のうち最も人気のある作品です 第1楽章「アレグレット」、第2楽章「アンダンテ・コン・モート」、第3楽章「メヌエット:アレグレット」、第4楽章「アレグレット」の4楽章から成ります

演奏者は左からフルート、オーボエ、ホルン、ファゴット、クラリネットという並びです

ダンツィはモーツアルトを敬愛していたということだけあって、演奏を聴いていると曲想がモーツアルトによく似ています 吉村結実のオーボエ、甲斐雅之のフルートが良く歌っていました

2曲目はモーツアルト「アダージョ 変ロ長調 K.411」(木管五重奏版)です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756‐1791)が1782年から翌83年にかけて作曲した作品で、オリジナルは2本のクラリネットと3本のバセットホルンのための曲です モーツアルト研究家のアインシュタインは、この曲はモーツアルトが所属していたフリーメーソンの儀式のために書かれたと主張していますが、そう言われてみれば穏やかで宗教的な神秘さを感じます

3曲目はモーツアルト「ピアノと管楽のための五重奏曲 変ホ長調 K.452」です この曲はモーツアルトがピアノ、オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットのために1784年に作曲した作品です 第1楽章「ラルゴ ~ アレグロ・モデラート」、第2楽章「ラルゲット」、第3楽章「アレグレット」の3楽章から成ります

ブルー系の衣装を身にまとった萩原麻未がピアノに向かい、オーボエの吉村を筆頭に4人の管楽奏者とともに演奏に入ります    萩原の演奏はソフトで気品があります 一音一音の粒立ちがきれいで流麗に音楽が流れます そんな萩原の演奏に呼応するかのように吉村のオーボエが、水谷のファゴットが、今井のホルンが、松本のクラリネットが優しく気高く歌います とても優雅なアンサンブルでした

 

     

 

プログラム後半の1曲目はヒンデミット「小室内音楽 作品24-2」です この曲はパウル・ヒンデミット(1895‐1963)が1922年にわずか5日で書き上げた、フルート、オーボエ、ホルン、ファゴット、クラリネットのための作品です 第1楽章「快活に、適度な速さの四分音符で」、第2楽章「ワルツ、一貫して非常に静かに」、第3楽章「落ち着いて、素朴に、八分音符で」、第4楽章「速い四分音符で」、第5楽章「非常に生き生きと」の5楽章から成ります

第1楽章はまるで楽器同士のおしゃべりを聴いているような賑やかな曲想が続き、ヒンデミットのユーモアを感じました 第2楽章はワルツはワルツでもいびつなワルツという感じの曲です ラストは鶏の鳴き声が聞こえました 第3楽章はちょっと幻想的です 短い第4楽章を経て、第5楽章ではそれぞれの楽器が快活に吹き鳴らされ、喧騒の中で曲を閉じます とても面白い曲でした

最後の曲はトゥイレ「六重奏曲 変ロ長調 作品6」です この曲はトゥイレが、リスペクトしていたリヒャルト・シュトラウスの父で名ホルン奏者だったフランツ・シュトラウスに華を持たせるように書いた作品です 第1楽章「アレグロ・モデラート」、第2楽章「ラルゲット」、第3楽章「ガヴォット:アンダンテ、クアジ・アレグレット」、第4楽章「フィナーレ:モルト・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります

この曲では再びピアノの萩原麻未が加わります 萩原のピアノのトレモロに導かれて今井のホルンが牧歌的な第1主題を奏でますが、この演奏が素晴らしかった 第2楽章に入ると、次第にスケールの大きな演奏が展開します 第3楽章のガヴォットは軽快そのものの演奏が続きます 吉村のオーボエが良く歌います 終盤ではピアノと木管楽器群との丁々発止のやり取りが素晴らしく、熱狂のうちにフィナーレを迎えました

この日のプログラムは初めて聴く曲ばかりで緊張しましたが、N響の木管奏者はやはりソリスト級のテクニシャンが揃っているな、と思いました やはり室内楽は個々の奏者の実力の裏付けがあるからこそ見事なアンサンブルが達成できるのだと、あらためて思いました

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする