14日(月)。今日はなぜか全国的にホワイトデーということで、私も1か月前を思い出して、昨日コンサート帰りに、娘にチョコを買ってきました 夕方の池袋東武のデパ地下はチョコ目当ての買い物客でごった返していました 左は SAISON DE SETSUKO の「ショコラの調べ 春」、右は RUYS DAEL の「クリーミーショコラ ミカドコーヒー」です
ということで、わが家に来てから今日で2620日目を迎え、ウクライナのゼレンスキー大統領が俳優時代に主演したコメディードラマ「国民の奉仕者」の放映権を求め、スウェーデンのストックホルムにある「エコー・ライツ」社に世界から問い合わせが殺到している というニュースを見て感想を述べるモコタロです
放映権料はウクライナに寄付されるそうだけど 現実はコメディでなくトラジディだ
昨日、東京芸術劇場コンサートホールで読売日響の土日マチネーシリーズ公演を聴きました 前日の土曜マチネーを日曜マチネーに振り替えました プログラムは土日共通で、①ベルリオーズ:劇的物語「ファウストの劫罰」から「妖精の踊り」「鬼火のメヌエット」「ハンガリー行進曲」、②ショーソン「詩曲」、③ラヴェル「ツィガーヌ」、④ルベル:バレエ音楽「四大元素」、⑤ラヴェル:バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲というオール・フランス音楽です 演奏は②と③のヴァイオリン独奏=前橋汀子、指揮=マキシム・パスカルです
マキシム・パスカルは1985年生まれ。パリ国立高等音楽院でフランソワ=グザヴィエ・ロトに師事、2014年にフランス人として初めてネスレ・ザルツブルク音楽祭ヤング・コンダクターズ・アワードを受賞し、欧州で活躍しています
振り替え後の自席は2階M列32番、センターブロック右から3つ目です。会場は8割くらいは入っていると思われます
オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの読響の編成。コンマスは小森谷巧、その隣は林悠介というダブル・コンマス態勢を敷きます
最初の曲はベルリオーズの劇的物語「ファウストの劫罰」から「妖精の踊り」「鬼火のメヌエット」「ハンガリー行進曲」です 「ファウストの劫罰」はエクトル・ベルリオーズ(1803‐1869)がゲーテの「ファウスト」に触発されて1845年から翌46年にかけて作曲、1846年12月6日にパリのオペラ・コミック座で初演されました
長身スマートでオダギリジョー似のマキシム・パスカルの指揮で演奏に入ります ホルン、トランペット、トロンボーンといった金管楽器が素晴らしい演奏を展開していました 3曲目の「ハンガリー行進曲」を聴きながら、1999年9月3日に開催された「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」で上演された小澤征爾指揮サイトウ・キネン・オーケストラによる「ファウストの劫罰」公演を思い出しました。職場の同僚の車に同乗し松本まで日帰りで往復しました マルグリットをスーザン・グラハムが歌い、ロベール・ルパージュによるアクロバティックな演出が印象に残りました
次の曲はショーソン「詩曲 作品25」です この曲はエルネスト・ショーソン(1855‐1899)がヴァイオリニストの友人ウジェーヌ・イザイのために1896年に作曲、同年12月27日に初演され、イザイに献呈されました
ソリストの前橋汀子は、あの巨匠ヨーゼフ・シゲティやナタン・ミルシテインにも師事したという、いわば日本の音楽界のレジェンド的存在です 真っ赤なドレスで登場した前橋の姿は、「真っ赤な太陽」を歌って一世を風靡した歌謡界のレジェンド・美空ひばりがヴァイオリンを持って立っているように見えます
前橋は序奏に続いて、瞑想的な主題を奏で、詩情豊かな演奏を繰り広げました マキシム・パスカル ✕ 読響はしっかりとソリストを盛り立てました
続いてラヴェル「ツィガーヌ」が演奏されます この曲はモーリス・ラヴェル(1875‐1937)がハンガリーの女性ヴァイオリン奏者イェリー・ダラー二が弾くロマの演奏を聴いたことをきっかけに1924年に作曲、同年4月26日にロンドンで初演されました ツィガーヌとはロマ(ジプシー)のことです
重音、ピッツィカートなどの技巧を凝らしたヴァイオリン独奏による演奏が続き、中盤でハープが幻想的な演奏を繰り広げます 自称”フリーランスの手酌系ハーピスト”高野麗音のハープは、それまでの重い空気を一変し、別世界の到来を告げる素晴らしい演奏でした 後半は前橋によるハンガリー舞曲風の音楽が展開し、熱狂のうちにフィナーレを飾りました
終演後、指揮者から立つように促されたのはハープの高野麗音ただ一人でした 彼女のツイッターによると、マキシム・パスカルとはパリ音楽院2005年入学同士の同級生だそうです ということはピアニストの萩原麻未も同級生ということか こういう3人を巡る偶然を「パスカルの原理」といいます(本気にしないでね)
プログラム後半の1曲目はルベル:バレエ音楽「四大元素」です この曲はジャン=フェリ・ルベル(1666‐1747)が1737年に作曲した作品です 「四大元素」とは地、水、火、大気(風)のことだそうです 飯尾洋一氏の「プログラム・ノート」によると、ルベル家は3代にわたってフランス国王に仕えた音楽一族で、特にジャン=フェリは8歳で巧みにヴァイオリンを弾き、国王とリュリを驚かせたという逸話があるそうです この曲は第1曲「カオス」、第2曲「ルール1 地と水」、第3曲「シャコンヌ 火」、第4曲「さえずり 大気」、第5曲「夜鳴きうぐいす」、第6曲「ルール2 狩」、第7曲「タンブラン 1&2」、第8曲「シシリエンヌ」、第9曲「ロンドー 愛の神のエール」、第10曲「カプリス」の10曲から成ります
第1曲「カオス」は「まだ四大元素が自然の秩序に従う以前の混沌を示す音楽」とのことで、演奏を聴くと 確かに混沌とした動きが感じられますが、そこは18世紀の音楽です 当時としては最先端を行っていたのかもしれませんが、カオスに成り切っていない感じがします また、最後の第10曲「カプリス」はヘンデルみたいな華やかな曲想でした 全体を通じてフルート首席のフリスト・ドブリノヴ、オーボエ主席の金子亜未を中心とする木管楽器が素晴らしい演奏を展開していました
最後の曲はラヴェルのバレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲です この曲は1909年から1912年にわたり作曲、1913年に第3場から編曲したものです 第1曲「夜明け」、第2曲「パントマイム」、第3曲「全員の踊り」から成ります
この曲でもフルート首席のフリスト・ドブリノヴ、オーボエ主席の金子亜未が素晴らしい演奏を繰り広げていました 最後の「全員の踊り」ではマキシム・パスカルが、ほとんどエア・ボクシングのように中空を殴りつけて指揮をしていましたが、打楽器群がそれに負けじと会場が割れんばかりの大音響で”芸術を爆発”させていました
前日は「ダフニスとクロエ」全曲を沼尻竜典 ✕ 東響で聴き、この日は「第2組曲」をマキシム・パスカル ✕ 読響で聴きましたが、両者ともメリハリの効いた色彩感豊かな演奏ということでは、曲に対するアプローチはそれほど変わらないように思いました
先週は火曜日から日曜日まで6日間連続コンサートだったので、いささか疲れました 腰痛のため毎日コルセット着用でコンサート会場に通いましたが、胴周りが圧迫されて苦しかったです しかし外すと腰に良くないのでジッと我慢の毎日でした ということで、疲れたので しばらく実家に帰らせてもらい・・・もとい、読書しておとなしく過ごそうと思います