人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

アイヴァー・ボルトン ✕ シルヴィア・シュヴァルツ ✕ 池田香織 ✕ 小堀勇介 ✕ トーマス・オリーマンス ✕ 新国立劇場合唱団 ✕ 読売日響でベートーヴェン「交響曲第9番”合唱付き”」を聴く

2019年12月21日 07時19分43秒 | 日記

21日(土)。わが家に来てから今日で1909日目を迎え、英北部スコットランド行政府のスタージョン首相は19日、同地域の英国からの独立の是非を問う住民投票の実施を認める権限をスコットランド議会に与えるようジョンソン首相の英政府に要求した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     ジョンソン対スタージョン  どっちのジョンが勝つか?  スコッチ飲んで占おう!

 

         

 

昨夕、サントリーホールで読売日響の第627回名曲シリーズを聴きました プログラムはベートーヴェン「交響曲第9番ニ短調作品125”合唱付き”」です 出演は、ソプラノ=シルヴィア・シュヴァルツ(スペイン出身) 、メゾ・ソプラノ= 池田香織(二期会会員)、テノール=小堀勇介(日本音楽コンクール優勝)、バリトン=トーマス・オリ―マンス(オランダ出身)、合唱=新国立劇場合唱団、管弦楽=読売日本交響楽団、指揮=アイヴァ―・ボルトン(イギリス出身)です

 

     

 

「交響曲第9番ニ短調作品125”合唱付き”」は、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1818年頃から1824年にかけて作曲、1824年5月7日にウィーンのケルントナートーア劇場で初演されました ベートーヴェン最後の交響曲「第九」は、独唱と合唱を伴う、当時としては画期的な作品となりました この作品は第1楽章「アレグロ・マ・ノン・トロッポ、ウン・ポコ・マエストーソ」、第2楽章「モルト・ヴィヴァーチェ」、第3楽章「アダージョ・モルト・エ・カンタービレ」、第4楽章「プレスト~アレグロ・アッサイ」の4楽章から成ります

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの読響の編成。オケの後方には新国立歌劇場合唱団の男女混声コーラスが約80名スタンバイします。コンマスは小森谷巧です

ボルトンが指揮台に上がり第1楽章が開始されますが、彼はタクトを持ちません 大きな身体で、音楽を鷲づかみする感じです かなりテンポが速く、サクサクと進めます。弦楽器の集中力がハンパありません 第2楽章は第1楽章に輪をかけた速さで音楽が進みます。小気味よく打ち込まれるティンパニが良いアクセントになっています 第2楽章終了後、4人のソリストが入場しオケの後方にスタンバイします 第3楽章のアダージョはいつ聴いても素晴らしいと思います 第九の後に作曲された一連の弦楽四重奏曲のアダージョ楽章を先取りしたような穏やかで天国的な音楽が奏でられます

第4楽章は何と言っても独唱と合唱です 最初に歌うトーマス・オリ―マンスのバリトン独唱が素晴らしい そしてソプラノのシルヴィア・シュヴァルツとメゾ・ソプラノの 池田香織が加わりますが、とくに池田香織の底力が素晴らしい(彼女は女声コーラスが歌っている間も、座ったままコーラスに参加して歌っていました)。予想外に良かったのはテノールの小堀勇介です。明るく良く通る声で説得力を持っていました そして、新国立劇場合唱団のコーラスがそれに輪をかけて素晴らしい これこそプロのコーラスだと思わせる透明感と訴求力のある合唱です 世界中のオペラ関係者から高く評価されていることが良く分かります 言うまでもなく、バイロイト音楽祭に祝祭合唱団指導スタッフとして5年間従事した経歴を持つ三澤洋史の合唱指導の賜物です

管楽器ではオーボエの蠣崎耕三、フルートのフリスト・ドブリノヴ、ホルンの日橋辰朗らの演奏がとりわけ素晴らしかったです

この日のコンサートは、スピード感のある現代に即した極めてテンポの速い演奏でしたが、それだけに、終始 弛緩することのない集中力に満ちた演奏が展開されました

この組み合わせによる読響の「第九」は本日と明日 東京芸術劇場で、24日に大阪フェスティバルホールで演奏されます    ソリストと合唱が活躍する第4楽章を聴くだけでも価値のあるコンサートです

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東京新聞 望月衣塑子記者を追う森達也監督映画「 i ー 新聞記者ドキュメント」を観る ~ 今年の「マイベスト3」に入ること間違いなしの近年稀にみる「面白くも考えさせられる映画」

2019年12月20日 07時18分48秒 | 日記

20日(金)。わが家に来てから今日で1908日目を迎え、トランプ米大統領による「ウクライナ疑惑」をめぐり、米下院は18日、トランプ氏を「権力の乱用」と「議会の妨害」で弾劾訴追する決議を賛成多数で可決したが、トランプ氏は中西部ミシガン州バトルクリークで選挙集会に臨み、支持者に「民主党があなたたちを弾劾しようとしている。でも、我々が弾劾されているという気分ではない。米国はかつてないほど成功している。我々は何も悪いことをしていない」と叫んだ というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       弾劾したのは「あなたたち」じゃなくトランプ個人だよ  一蓮托生にしないでよ!

 

         

 

昨日の夕食は「白みそ鍋」にしました 材料は豚バラ肉、キャベツ、モヤシ、玉ねぎ、水菜です。寒い夜は鍋ですね

 

     

     

   

         

 

昨日、渋谷のユーロスペースで森達也監督「 i ー 新聞記者ドキュメント」(2019年・120分)を観ました これは官邸記者会見で官房長官に鋭い質問を投げ続ける東京新聞(中日新聞東京本社)社会部記者・望月衣塑子(もちづき・いそこ)さんの日常の記者活動を追ったドキュメンタリー映画です

結論から先に書きます。近年、これほど面白い映画はありませんでした それと同時に、これほど日本のメディアが置かれた現況について深く考えさせられる映画はありませんでした

 

     

 

森監督が望月記者の取材活動を撮りたいと思った原点は「望月記者はなぜこれほどに目立つのか。周囲と違うのか。言葉が残るのか。特異点になってしまうのか」という疑問です その背景には、「官邸記者会見で、納得できるまで何回も質問を繰り返す望月記者は、記者として当たり前のことをやっているに過ぎないのに、なぜ目立つのか」という単純な問いがあります そこに森監督はメディアの危機を感じ取っています。その結果「日本のメディアはおかしい。一部のメディアはジャーナリズムが機能していない」という結論に達します

映画の中であらためて明らかにされるのは、政権に対する批判媒体としての毎日新聞、東京新聞と、政権べったり媒体としての産経新聞、読売新聞という構図です さらに付け加えれば、反中国・韓国勢力からは「朝日新聞は読むな」という図式があります ただ、政権寄りの新聞社でも、現場の取材記者が政府に批判的な記事を書いても 上層部で直されてしまうという事情はあるようです 「言論の自由」の立場からは新聞社によって主義主張が異なるのは理解できますが、政権の都合が良いことばかりを報道する「政府の広報」のようなあり方には極めて危険な匂いを感じます 発行部数が数百万部という実態に照らすと なおさらそう思います

ところで、望月記者が官房長官にしつこく質問を重ねることができるのは、彼女が社会部記者だからだ、という一面があることは否定できないでしょう 政治部記者が望月さんと同じような質問の仕方をしたら、次の日から出入り禁止になるかも知れません この辺の事情は今年の9月14日、同29日の当ブログでご紹介した相場英雄著「トップリーグ」及び「トップリーグ2  アフターアワーズ」をご覧いただくと理解できると思います

映画には菅官房長官をはじめ、前川喜平氏、籠池夫妻、伊藤詩織さんなど、ここ数年よくメディアに登場した渦中の人物が登場しインタビューに答えています 前川氏の「現在の政権は、国民は皆バカだと考えている」という言葉は重いと思います 一方、籠池夫妻のインタビューはとても面白く館内は大爆笑でした とくに夫人の言動は傑作です

余談ですが、この映画を観て、75年生まれの望月さんには 夫とお子さんがいらっしゃることを初めて知りました てっきり、独身だから怖いもの知らずの「闘う新聞記者」でいられるのだろうと思い込んでいました

最後まで気になったのはタイトル「 i ー 新聞記者ドキュメント」の「 i 」です 大文字なら一人称の  Ⅰ  で「私ー新聞記者」と読めますが、小文字なので違います。しかし、小文字の「 i 」をよく見ると小さな人の形に見えます 「一人の新聞記者は小さいが 大きな存在である」と勝手に解釈しましたが、真相は森監督にしか分かりません

エンドロールが終わると会場のあちこちから拍手が沸き起こりました それは この映画の主役である望月衣塑子さんの頑張りへの拍手であり、「よくぞ映画にしてくれました」という森達也監督への拍手でした

望月さんは昨日のツイッターに「詩織さん勝訴。4年半前に逮捕されていたら刑事事件は全く違った結果が出ていたのではないか。逮捕状執行は見送られ、山口氏は不起訴処分、一か月前には著書『総理』を出版。改めて当時の中村格・警視庁刑事部長の逮捕見送りの判断に問題なかったか。追及重ねたい」と投稿しています

これを見て、望月さんは今この瞬間にもどこかで「闘う新聞記者」として取材活動を続けているんだな、と身の引き締まる思いがしました

この映画は、私が今年観た作品の中で間違いなくベスト3に入る傑作です 是非ご覧になることをお勧めします

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コバケン、池袋西口公園”グローバルリング”でアイーダ「凱旋行進曲」を振る ~ Tokyo Music Evening ”Yube” / アフタヌーン・コンサート~4館連携」のチケットを取る

2019年12月19日 07時20分23秒 | 日記

19日(木)。わが家に来てから今日で1907日目を迎え、トランプ米大統領は17日、野党・民主党のペロシ下院議長に書簡を送り、「ウクライナ疑惑」で自身を弾劾訴追する方針について、「弾劾訴追は民主党議員による前代未聞かつ違憲の権力乱用だ」と批判し、方針を撤回するよう主張した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     よく言うねぇ  前代未聞かつ違憲の権力乱用をしたから 弾劾訴追されたんじゃね?

 

         

 

昨日、夕食に「鶏のトマト煮」を作りました 缶詰のカットトマトを使い、味付けは塩とブラックペッパーだけなので簡単に出来ます 今回も美味しく出来ました

 

     

 

         

 

昨夕、東京芸術劇場前の池袋西口公園に新しく誕生した野外劇場「Global  Ring Theatre」で「Tokyo  Music  Evening  ”Yube” 」のオープニング・コンサート」がありました

 

     

 

コンサートは午後6時半からということで、6時頃に行ってみたら、すでにオープニング・セレモニーが始まっていて、臨時椅子席はもちろんのこと、立ち見(聴き)の人が多数集まっていました 豊島区長や来賓のあいさつの後、公園内のイルミネーションが点灯されました

 

     

 

     

 

次に豊島区管弦楽団のメンバーがステージに登場、舞台奥の2階部分には中学生を含めたバンダ(金管楽器別動隊)がスタンバイし、”炎のコバケン”こと小林研一郎氏を迎えました

コバケンはいつものように身振り大きくタクトをとり、オケは祝祭感溢れる華やかな演奏を繰り広げました

 

     

 

     

 

ヤマハに話をつけて本物のアイーダトランペットを借りて来たそうです オープニングに相応しい演出です

 

     

 

コバケンが退場した後は、豊島管弦楽団の常任指揮者に交代し、シベリウス「フィンランディア」を熱演、次いで聴衆の手拍子を求めてヨハン・シュトラウス1世「ラデツキー行進曲」を軽快に演奏しました 演奏の模様は正面の大スクリーンに映し出されていました

 

     

 

     

 

豊島区では、来春からこの会場でライブのクラシックコンサートを定期的に開く予定とのことです 今夏には東口の豊島区役所跡地にミュージカル等を上演するホールを含めた「ハレ座池袋」がオープンしています 池袋は今、文化都市を宣言して大きく変わろうとしています 私は「ふるさと納税」の企みには参加せず、25年以上 豊島区に住民税を収めているので、とくに文化、防災、子育て支援に力を入れて欲しいと思います

 

         

 

来年3月1日(日)午後2時から東京文化会館小ホールで開かれる「アフタヌーン・コンサート」のチケットを取りました これは東京文化会館、東京芸術劇場、サントリーホール、第一生命ホールの「4館連携若手アーティスト支援  東京ネットワーク計画」の一環として開かれるコンサートです プログラムは①サンジュレ―「サクソフォン四重奏曲」より、②グラズノフ「弦楽四重奏曲第3番」より、③ベッリーニ「清教徒」より「あなたの優しい声が」、④ドビュッシー「弦楽四重奏曲」、⑤フランセ「オーボエ、ファゴットとピアノのための三重奏曲」です

知らない曲の方が多いですが、若い演奏家の皆さんを応援したいですね

 

     

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柚月裕子「あしたの君へ」を読む / 西加奈子「 i アイ」、諸井誠「クラシック名曲の条件」、許光俊「オペラ入門」、ジェフリー・ディーヴァ―「煽動者(上・下)」他を買う

2019年12月18日 07時22分43秒 | 日記

18日(水)。昨日午前、池袋に買い物に出たのですが、行きつけの喫茶店でコーヒーを飲んでいたら、マスカーニの歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」の「間奏曲」が流れてきました つくづく良い曲だと思います 午後、コンサートのチケットを買うため上野の東京文化会館に行ったのですが、何と保守のため休館でした 月曜が定休日であることは知っていたのですが、保守のための休館日があることは初めて知りました ところで、JR上野駅のホームに流れる列車出発時のチャイムがワーグナーの「ニュルンベルクのマイスタージンガー」の「前奏曲」になっていました 去年の今ごろはプッチーニの「トゥーランドット」の「誰も寝てはならぬ」だったのを思い出します これは「オペラ夏の祭典」(東京文化会館、新国立劇場ほかの共同企画:6月開催)で上演されるオペラのPRを兼ねて流されているものです

ということで、わが家に来てから今日で1906日目を迎え、萩生田光一文部科学相は17日、2020年度から始まる大学入学テストで導入される国語と数学の記述式問題について、「導入見送りを判断した」と記者会見で表明した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       採点者が1人なら 正誤について不公平感が出ないけど そういう訳にはいかないし

 

         

 

昨日の夕食は、勝浦市のS君が送ってくれた「あこう鯛」を煮つけ、「具だくさん味噌汁」を作り、買ってきた「鯛の刺身」とともに食べました お酒はもちろん日本酒の熱燗です

 

     

 

     

 

         

 

本を7冊買いました 1冊目は柚月裕子著「あしたの君へ」(文春文庫)です これについては、下に感想を書きましたので ご覧ください

 

     

 

2冊目は西加奈子著「 i  アイ」(ポプラ文庫)です

 

     

 

3冊目は諸井誠著「クラシック名曲の条件」(講談社学術文庫)です

 

     

 

4冊目は許光俊著「オペラ入門」(講談社現代新書)です

 

     

 

5,6冊目はジェフリー・ディーヴァ―著「煽動者(上下)」(文春文庫)です

 

     

     

 

7冊目は武田博幸著「古典つまみ読み~古文の中の自由人たち」(平凡社新書)です

 

     

 

いずれも読み終わり次第、このブログでご紹介していきます 12月中に上記のうち6冊を読めば今年の年間目標である65冊を達成します 頑張らなくっちゃ

 

         

 

さっそく、柚月裕子著「あしたの君へ」(文春文庫)を読み終わりました 柚月裕子は1968年岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞しデビュー 2013年「検事の本懐」で第15回大藪春彦賞を、2016年「孤狼の血」で第69回日本推理作家協会賞を受賞しています このブログでは「朽ちないサクラ」「ウツボカズラの甘い息」「慈雨」など、文庫化されるたびにご紹介してきました

 

     

 

この小説は、少年事件や離婚問題の背景を調査し解決に導く「家庭裁判所調査官補」の研修の一環として、九州の福森家裁に配属された望月大地の奮闘ぶりを描いています 次の5つの物語から構成されています

第1話「背負う者(17歳 友里)」:ネットカフェで母親と妹と暮らす少女はなぜ窃盗を犯したのか、その真相を探ります

第2話「抱かれる者(16歳 潤)」:進学校に通う男子高校生のストーカー行為の本当の原因を探ります

第3話「縋(すが)る者(23歳 理沙)」:資産家に嫁いだが、夫からDVを受け離婚を決意する女性の心理を探ります

第4話「責める者(35歳 可南子)」:嫁ぎ先でのモラハラを訴え、離婚調停を求める主婦の心理を探ります

第5話「迷う者(10歳 悠真)」:親権を争う夫婦とその息子のそれぞれの立場や考えを探ります

どの物語も、なかなか心を開かない人物を相手にして、先輩調査官のアドヴァイスを受けながら、目の前の問題を解決するために悩み、そして行動に移す主人公の真摯な姿が清々しく描かれています 読んでいて感じるのは、社会的には未熟な若き調査官補や、それぞれの物語の主人公たちに向ける著者の温かい眼差しです

この本を読んで、家庭裁判所には「家庭裁判所調査官」がいて、調査官になるためには「調査官補」という立場で実地研修を受ける必要があることがよく分かりました ただ、彼らのお世話になることは避けたいと思います

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アラン・ギルバート ✕ 東京都交響楽団でマーラー「交響曲第6番イ短調”悲劇的”」を聴く / 「オーケストラの日(3月31日)コンサート」のチケットを取る

2019年12月17日 07時19分04秒 | 日記

17日(火)。大学時代の友人で千葉県勝浦市在住のS君からアジ、サバ、サンマ、あこう鯛が箱一杯送られてきました わが家は肉食中心なので、魚を夕食のローテーションに入れる上で助かります 持つべきものは友だちです。S君ありがとう

 

     

 

ということで、わが家に来てから今日で1905日目を迎え、中国がウイグル族に対して使っている顔認証など人工知能を駆使した監視技術を60カ国以上に輸出していることが米シンクタンクなどの調査で15日までに分かった というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     さすがは資本主義的社会主義国家だ!  国民を監視する技術は超一流みたいだね

 

         

 

昨日の夕食は、娘のリクエストで「ビスク鍋」を作りました 「トマト+エビ」ベースの、鶏と野菜の煮込み料理で、チーズをかけて食べるのですが、とても簡単で美味しいです

 

     

 

         

 

来年3月31日(火)午後7時から東京文化会館大ホールで開かれる「オーケストラの日」コンサートのチケットを取りました プログラムは①ベートーヴェン「交響曲第7番」、②チャイコフスキー「眠りの森の美女」よりワルツ、③ドヴォルザーク「スラブ舞曲集」より、④バーンスタイン「ウェストサイド物語」より「シンフォニック・ダンス」です 演奏は管弦楽=オーケストラの日祝祭管弦楽団、指揮=角田鋼亮です

 

     

     

 

         

 

昨夜、サントリーホールで東京都交響楽団の第894回定期演奏会(B定期)を聴きました プログラムはマーラー「交響曲第6番イ短調」です 指揮は都響首席客員指揮者アラン・ギルバートです

 

     

 

グスタフ・マーラー(1860-1911)の「交響曲第6番イ短調”悲劇的”」は1903年から1905年にかけて作曲(1906年改訂)されました マーラーは交響曲第2番から第4番までの3曲は「歌」入りの作品を作りましたが、第5番から第7番までの3曲は器楽だけの絶対音楽を作曲しました アルマと結婚し長女が誕生したのが1902年、次女の誕生が1904年なので、この第6交響曲を作曲している時は公私ともに乗りに乗っていた時期だったと言っても過言ではないでしょう

この曲は第1楽章「アレグロ・エネルジーコ、マ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アンダンテ・モデラート」、第3楽章「スケルツォ:重々しく」、第4楽章「フィナーレ:ソステヌート~アレグロ・モデラート~アレグロ・エネルジーコ」の4楽章から成ります 

と書きましたが、私がこれまでライブやCDで聴いてきた演奏は、第2楽章が「スケルツォ」で、第3楽章が「アンダンテ」という順番になっていました これは国際グスタフ・マーラー協会の「全集版」による順番です 今回、なぜギルバートが「アンダンテ―スケルツォ」の順にしたのかは不明です

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの都響の編成。コンマスは矢部達哉です

指揮をとるアラン・ギルバートは、2017年まで8シーズンにわたりニューヨーク・フィル音楽監督を務めました 現在は都響首席客員指揮者のほか、NDRエルプフィル首席指揮者、ロイヤル・ストックホルム・フィル桂冠指揮者、ジュリアード音楽院指揮・オーケストラ科ディレクターを務めています

ギルバートの指揮で第1楽章が決然とした”行進曲”で開始されます テンポはやや速めの現代的な演奏です。オーボエ、クラリネットは時にベルアップ奏法を見せます ギルバートはテンポを自在に動かし、歌わせるところはテンポを落としてじっくり歌わせ、速いパッセージではオケを煽り立てます 第2楽章ではオーボエ、コーラングレの演奏が素晴らしい そして弦楽器の渾身のアンサンブルが美しい 第3楽章では金管楽器の咆哮と打楽器の決然とした演奏が冴えわたりました 第4楽章では、再びオーボエ、クラリネットがベルアップ奏法を見せ、ホルン奏者の後方にスタンバイした打楽器奏者により、ハンマーが時間差を置いて3度打ち下ろされました 私がこれまで聴いてきた演奏はほとんど例外なく2度でした マーラーはこの曲の初演の練習過程で3度あったハンマーの打撃を2度に減らしているのです ギルバートがなぜ3度の打撃を選んだのか不明ですが、ギルバートもタクトをとったニューヨーク・フィルの常任指揮者として長年にわたり君臨したレナード・バーンスタインが「3度」打たせていることと関係あるかも知れません

ところで、この作品は「悲劇的」というサブ・タイトルが付いています これは初演時に付されていたと言われていますが、マーラー自身が付けたものかどうかは不明です おそらく第1楽章冒頭の行進曲がまるで「死への行進曲」であるかのように響くのと、第4楽章のハンマーが「悲劇的な運命の打撃」を思わせるからではないかと思います

この曲を聴くたびに思うのは、公私ともに絶頂期にあって、なぜこのような絶望的で悲劇的な曲を書いたのか、ということです マーラーはこの交響曲の中で、ほとんど同時に「愛と死を見つめて」いるかのようです

【訂正】

文中、第2楽章「スケルツォ」、第3楽章「アンダンテ」が国際グスタフ・マーラー協会の「全集版」による順番である旨書きましたが、現在 同協会は第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「スケルツォ」という見解を採っているようです。ともさん からご指摘をいただき、改めて調べたところ指摘の通りだったことが判明しました。当初、当たった資料が古かったようです。なお、私は2018年録音のテオドール・クルレンティス指揮ムジカエテルナのCDを愛聴していますが、第2楽章「スケルツォ」、第3楽章「アンダンテ」の順となっています。ご指摘いただいたともさんにあらためてお礼を申し上げます

 

     

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アンソニー・ホロヴィッツ「メインテーマは殺人」を読む ~ 自身の葬儀の手配をしたその日に絞殺された老婦人は自分が殺されるのを知っていたのか?

2019年12月16日 07時20分03秒 | 日記

16日(月)。わが家に来てから今日で1904日目を迎え、フィギュアスケート女子で2018年平昌冬季オリンピック金メダリストのアリーナ・ザギトワ(17歳・ロシア)が13日、同国の政府系テレビ「第1チャンネル」の番組で競技活動の休止を表明した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      秋田犬保存会から贈られた 勝るとも劣らない人気のマサルは 引退しないよね?

 

         

アンソニー・ホロヴィッツ著「メインテーマは殺人」(創元推理文庫)を読み終わりました アンソニー・ホロヴィッツはイギリスを代表する作家。近年では、アガサ・クリスティーへのオマージュとして書いた「カササギ殺人事件」で「このミステリーがすごい!」と「本屋大賞(翻訳小説部門)」で第1位になるなど、注目を集めました 傑作「カササギ殺人事件」については2018年11月30日付 当ブログに感想を書きましたので、興味のある方はご覧ください

 

     

 

資産家の老婦人ダイアナ・J・クーパーは、自分の葬儀を手配したその日に、何者かの手によって絞殺された   果たして彼女は自分が殺されるのを知っていたのか 「わたし」=作家ホロヴィッツはドラマの脚本執筆で知り合った元刑事ホーソーンから、この奇怪な事件を捜査する自分を取材して本にしないかと誘われる 「わたし」はドキュメンタリー作家ではないので気乗りしなかったが、事件の奇異性に興味を抱き、彼の捜査に同行することにする 捜査の過程で分かったのは、殺人事件の犠牲者ダイアナ・クーパーは、9年11か月前に人身事故を起こし、ゴドウィン家の幼い双子を轢き、そのうちの一人ティモシーを即死させ、もう一人のジェレミーには脳に後遺症の残る重傷を負わせていたという事実だった クーパー夫人は運転時にメガネをかけておらず前方が良く見えない状態で事故を起こしていたが、裁判官は当時の法律に照らして彼女に無罪を言い渡していた。ホーソーンはゴドウィン家の遺族がクーパー夫人への恨みを晴らすために殺したのではないかと推理する しかし、事故現場に赴き、あらためて目撃者などから話を聞くうちに、新たな事実が明らかになる 一方、クーパー夫人の息子で売れっ子俳優のダミアンと、夫人が葬儀を依頼した葬儀社の代表者ロバート・コーンウォリスとが演劇学校時代の同窓生だったこと、二人の間にトラブルがあったことが判明する 果たして、誰がどのような動機でクーパー夫人を殺害したのか? ホーソーンはホロヴィッツを従えて難解な謎解きにかかる

この物語の設定は、シャーロック・ホームズとワトスンとの関係を念頭に置いています つまり、ホーソーン元刑事がホームズで、ホロヴィッツが記録者ワトスンということになります

何気なく読み進めていき、後で振り返った時に、「ああ、あそこに伏線が張られていたんだな」と気付かされることがそこかしこにあります ホロヴィッツは強引な謎解きを仕掛けません 推理にはきちんとした根拠が事前に示されています。杉江松恋さんが巻末の「解説」を書いていますが、そのことについて「惚れ惚れするフェアプレイ」と表現しています 「カササギ殺人事件」では、上巻から下巻に移る際、アッと驚くストーリー展開を見せ、意表を突かれましたが、この「メインテーマは殺人」でも本筋だと思っていたことが実はそうではなく、別の流れの方がメインストリームだったと気づかされます

あまりの面白さに一気読みしました 「カササギ殺人事件」「メインテーマは殺人」の次は何か いま、アンソニー・ホロヴィッツから目が離せません

 

     

     

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中山七里「悪徳の輪舞曲(ロンド)」を読む ~ 自殺か? 自殺に見せかけた殺人か? またしても見事などんでん返しが待っている / 池袋で18日夜に無料野外コンサート ~ コバケン出場

2019年12月15日 07時21分54秒 | 日記

15日(日)。わが家に来てから今日で1903日目を迎え、米野党・民主党指導部がトランプ大統領の弾劾決議案を来週にも下院本会議で採決する方向で調整している中、ペロシ下院議長がツイッターで「かつての共和党の下院議員は(合衆国憲法を守る)宣誓の意味を理解していた。いまの共和党議員もそうしたらどうか」と書き込んだが、トランプ氏は「緊急時に使われる弾劾訴追という手段が使われるのはひどい。米国民はうんざりしている」と記者団に語った というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      うんざりしているのは トランプの自己チュー政治に振り回されている全世界だよ

     

         

 

豊島区の広報紙「広報としま」最新号によると、18日(水)午後6時半から池袋駅西口公園野外劇場(グローバルリング)で、豊島区主催の野外コンサートが開かれます 当日は小林研一郎が指揮し、豊島区管弦楽団がヴェルディ「アイーダ」から凱旋行進曲他を演奏するほか、区内の中学生らによる演奏もあるそうです ”炎のコバケン”を人寄せパンダみたいに利用して良いのか?と思うけれど、良いのでしょう。クラシック音楽を広めるためには コンサートは野外だけに入場無料で、直接会場に行けば聴けるとのこと 会場は東京芸術劇場のすぐ前です。皆さん、気軽に聴きに出かけましょう

 

         

 

中山七里著「悪徳の輪舞曲(ロンド)」(講談社文庫)を読み終わりました 中山七里の作品は文庫化されるたびに購入し、このブログでご紹介してきました 中山七里は1961年、岐阜県生まれ。「さよならドビュッシー」で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、1010年にデビュー その後、「おやすみラフマニノフ」「いつまでもショパン」「どこかでベートーヴェン」など クラシック作曲家タイトル・シリーズを発表する一方、2011年に刊行した「贖罪の奏鳴曲(ソナタ)」を皮切りに「追憶の夜想曲(ノクターン)」「恩讐の鎮魂曲(レクイエム)」といったタイトルによる、悪徳弁護士・御子柴礼司シリーズを展開してきました 「悪徳の輪舞曲」は同シリーズの第4作です

 

     

 

高い報酬を得るためなら手段を選ばない悪徳弁護士・御子柴礼司の事務所に、妹の梓が30年ぶりに現れる 梓の依頼は、旦那殺しの容疑で逮捕されたという母・郁美の弁護だった 御子柴礼司は30年前の14歳の時に、幼女を殺害して身体の部位を幼稚園の玄関や神社の賽銭箱の上に放置するという猟奇殺人事件を起こし、”死体配達人”の悪名で恐れられた過去を持っていた 妹の梓も母親の郁美も加害者家族として世間から迫害される日々を送ったことから、本名の園部信一郎から名前を変えて弁護士として活動する御子柴礼司には恨みを抱いていた しかし、梓はその憎き兄に母親の弁護を引き受けて欲しいと頼んできたのだった。逮捕された郁美の容疑は、再婚相手の夫を自殺に見せかけて殺害し、生命保険金を入手したというものだった 御子柴は母親と接見し事情を訊き 裁判に臨むが、判決が下された後になって、郁美は御子柴に意外な事実を告白する

どの作品を読んでも、最後の最後には「してやられた!」感が半端なく押し寄せてきます   30年前の事件の後、父親は「世間に顔向けができない」として自殺を図っていますが、自殺の方法が今回と酷似しており、その時にも夫に保険金が掛けられていたことから、御子柴は「母親は”自殺”と主張しているが、本当は自殺に見せかけて殺したのではないか? 前回も今回も。母子二代にわたる殺人者になるのか?」と疑いを持ちます その疑問に対する回答が判決後の郁美の告白に表れています 今回も、見事に してやられました

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ジャフリー・アーチャー「運命のコイン」(上・下)を読む ~ コイン・トスで二つの人生を生きる

2019年12月14日 09時19分58秒 | 日記

14日(土)。昨夜、元の勤務先が入居する内幸町のNPCビル地下1階の「焼き鳥O」で、同じ階に入居するW調剤薬局主催のクリスマス・パーティーがあり、同僚OBのS氏とともに参加しました 現役時代から声をかけていただいているパーティーですが、この会では毎年「プレゼント交換会」があります 参加者は各自1200円以上のプレゼントを持参して主催者に渡し、それに番号を付して、くじ引きで誰かのプレゼントをもらえるというものです 私はハンディな携帯ポケットボトル(お茶カップ1杯程度入る)を用意しましたが、調剤薬局の若い女性に当たりました。一方 私がクジで引いたのは13番で、調剤薬局Fさんからのプレゼントでしたが、何と一回り大きい携帯ボトルでした これにはビックリしました 最初ビールを飲んで、焼酎のお湯割りに変えましたが、あまりの口当たりの良さに7~8杯はお代わりしたと思います 主催者のWさんご夫妻、サンタクロース姿で登場した弁護士のKさん、調剤薬局のダイアナさんをはじめご参加の皆さん、お陰様で楽しいひと時を過ごせました。ありがとうございました

ということで、わが家に来てから今日で1902日目を迎え、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん(16)が米タイム誌の「今年の人」に選ばれたことに関して12日、「今年の人」の最終候補に選ばれていたトランプ大統領がツイッターに「全くばかばかしい。グレタは(怒りをコントロールする)アンガーマネジメントをしてから、友だちと懐かしの映画を観に行くべきだ!落ち着け、グレタ、落ち着け!」と投稿したが、このコメントの直後、グレタさんは自分のツイッターの自己紹介欄を「アンガーマネジメントに取り組むティーンエージャー。今は落ち着いて、友だちと懐かしの映画を観ている」と変更し、落ち着いた対応を見せた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

        大人気ないトランプと 大人の対応を見せたグレタさんのどっちが上手か明らかだ

 

         

 

昨日、夕食に「ポトフ」を作りました 寒い冬は暖かい調理が食べたいですね

 

     

 

         

 

昨日、バッハ・コレギウム・ジャパンから来シーズンのチケット5枚が送られてきました さっそく来年の手帳の日程表に書き加えておきました これで、現時点で手許にある来年1年間のコンサート・チケットは105枚となりました

 

     

 

         

 

ジェフリー・アーチャー著「運命のコイン(上・下)」(新潮文庫)を読み終わりました ジェフリー・アーチャーは1940年英国生まれ。オックスフォード大学卒。1966年に大ロンドン市議会議員として政界デビュー。69年には最年少国会議員として下院入りを果たす 一代貴族。彼の作品は全7部・14巻から成る「クリフトン年代記」をはじめとして、新作が発売されるたびに当ブログでご紹介してきました これは英国のベストセラー作家ジェフリー・アーチャーの最新作です(以下、ネタバレです。ご注意ください)

 

     

 

この作品は、上巻・下巻ともに第1部から第7部までの7つ部分からなります 上巻の「第1部」では、1968年のソ連で、前途有望な青年アレクサンドル・カルペンコは、父親が同級生ウラジーミルの密告によって当局に惨殺され、母エレーナと共に国を捨て国外に脱出する決意をし、コインの表が出たらアメリカへ、裏が出たらイギリスへ密航するという”賭け”が描かれます そして「第2部」に移るのですが、最初の章で「サーシャ」という名前と「サウサンプトンへ」という文字が目に入ります。読み進めていくと、サーシャとは主人公のアレクサンドルのことで、密航船はイギリスへ向かっていることが分かります 驚くのは、次の章ではまったく別の「アレックス」という名前と「ニューヨークへ」という文字が目に入ってくることです 言うまでもなく「アレックス」とはアレクサンドルのことで、密航船はアメリカに向かっていることが分ってきます つまり この作品は、主人公のアレクサンドル・カルペンコが、コインで決めた2つの亡命先での生き様を、主人公の名前を変えて同時並行的に描いているのです これには意表を突かれました

その後、イギリス労働党に入党し政治家としても階段を上り詰めていくサーシャと、ヴェトナム戦争への参加を経てアメリカの経済界でのし上がっていくアレックスの姿が描かれます やがて東西冷戦の終結、ベルリンの壁崩壊などを経て20世紀が終わる頃、それぞれの主人公であるアレクサンドルは、生まれ故郷に錦を飾るべくロシアに向かうことになります しかし、そこで待っていたのは歓迎の嵐だけではありませんでした 果たしてそれぞれの主人公アレクサンドル・カルペンコの運命はどうなるのか 最後の1行を見て読者は唖然とします。「ああ、そういうことか。してやられた」と

 

     

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クァルテット・エクセルシオ ✕ 吉井瑞穂 ✕ 影山梨乃でベートーヴェン「弦楽四重奏曲第10番”ハープ”」、モーツアルト「オーボエ五重奏曲」、ドビュッシー「神聖な舞曲と世俗的な舞曲」他を聴く

2019年12月13日 07時17分59秒 | 日記

13日(金)。わが家に来てから今日で1901日目を迎え、国連の安全保障理事会は11日、アメリカの要請により国連本部で北朝鮮の核・ミサイル開発を議論するための公開会合を開いたが、米国のクラフト国連大使は「明確な安保理決議違反だ」と北朝鮮を非難した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       トランプ大統領が短距離の弾道ミサイル実験を容認してきたのをどう思うのよ?

     

         

 

昨日、夕食に「塩だれ豚丼」と「ビスク鍋」を作りました 「ビスク鍋」は市販の「ビスク鍋の素」(エビとトマト味のスープ)に、鶏もも、キャベツ、シメジ、玉ねぎ、ブロッコリを入れて煮込み、とろけるチーズを乗せたものです。簡単で美味しいです

 

     

 

         

 

昨夕、紀尾井ホールでクァルテット・エクセルシオの「Quartet Plus」を聴きました プログラムは①カプレ「エドガー・アラン・ポーの『赤死病の仮面』によるハープと弦楽駆使重奏のための『幻想的な物語』」、②ベートーヴェン「弦楽四重奏曲第10番変ホ長調作品74”ハープ”」、③モーツアルト「オーボエ五重奏曲ハ短調K.406」(原曲:「弦楽五重奏曲第2番」)、④ドビュッシー「神聖な舞曲と世俗的な舞曲」、⑤クヴィエシュ「オーボエ、ハープと弦楽四重奏のための六重奏曲『フルビーン変奏曲』」(日本初演)です

演奏は クァルテット・エクセルシオ(西野ゆか、北見春菜、吉田有紀子、大友肇)、オーボエ=吉井瑞穂(元マーラー室内管・首席)、ハープ=影山梨乃(東響・首席)です

 

     

 

自席は1階5列17番、センターブロック右通路側です

1曲目はカプレ「エドガー・アラン・ポーの『赤死病の仮面』によるハープと弦楽四重奏のための『幻想的な物語』」です この曲はフランスの作曲家アンドレ・カプレ(1878-1925)が、1842年に発表されたエドガー・アラン・ポーの恐怖小説『赤死病の仮面』に触発されて1919年に作曲し、1923年にパリで初演された作品です

左から西野、北見、影山、大友、吉田という並びです エクセルシオの女性陣は赤系統の衣装で統一しています チェロとヴィオラの不気味な低音に乗ってハープがおどろおどろしい音楽を奏でます 全体を聴く限り、恐怖の物語を音として表したような描写的な音楽が続きます 幼児に聴かせたら怖がって耳を塞ぐこと間違いなしです

2曲目はベートーヴェン「弦楽四重奏曲第10番変ホ長調作品74”ハープ”」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770‐1827)が1809年に作曲、フランツ・ヨーゼフ・フォン・ロブコヴィツ侯爵に献呈された作品です 第1楽章のヴァイオリンのピッツィカートがハープを連想させることから「ハープ」という通称があります 第1楽章「ポコ・アダージョ~アレグロ」、第2楽章「アダージョ・マ・ノン・トロッポ」、第3楽章「プレスト~ピゥ・プレスト・クアジ・プレスティッシモ」、第4楽章「アレグレット・コン・ヴァリアツィオー二」の4楽章から成ります

第1楽章では4人のピッツィカートが楽しく聴けました 第2楽章では、第1ヴァイオリンの西野の悲しみを湛えた演奏が身に沁みます 次いでチェロの大友の深みのある演奏がいっそう悲しみを増長します 演奏を聴いて「やっぱり、ベートーヴェンはアダージョ楽章が一番素晴らしい」と再認識しました 第3楽章は一転、緊迫感に満ちた演奏が展開し、交響曲第5番の”運命のテーマ”が短く刻まれて繰り返されます 第4楽章はベートーヴェン得意の変奏曲です。4人の演奏はとても楽しく聴けました

休憩時間にロビーでハープの第一人者、吉野直子さんの姿を見かけました 普段着でしたが、すぐ分かりました。プログラム冊子掲載のプロフィール欄の影山梨乃さんの経歴には、師事した先生に吉野さんの名前が書かれていませんでしたが、何か接点があるのでしょう


     


プログラム後半の1曲目はモーツアルト「オーボエ五重奏曲ハ短調K.406」です この曲ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)が、1782年に作曲した「セレナード第12番ハ短調K.388”ナハトムジーク”」(2Ob、2Cl、2Fg、2Hr)を、彼自身が1788年に「弦楽五重奏曲第2番k.406」(2Vn、2Va、Vc)に編曲したものを、アメリカのオーボエ奏者ハンバート・ルカレッリ(1937~)が「オーボエ五重奏曲」に編曲した作品です 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「メヌエット・イン・カノーネ~トリオ・イン・カノ―ネ・アル・ロヴェッシオ」、第4楽章「アレグロ」の4楽章から成ります

オーボエの吉井瑞穂が一番左サイドにスタンバイし演奏に入ります 弦楽4人のバックでオーボエが主役を務めるので、主役のオーボエが良く通ります それにしても良く歌うオーボエです モーツアルトの短調特有の哀しみを切々と歌い上げます 第3楽章のカノンがとても美しく響きます 第4楽章ではオーボエと弦との丁々発止のやり取りが素晴らしく、歓喜のフィナーレに至ります

次の曲はドビュッシー「神聖な舞曲と世俗的な舞曲」です この曲はクロード・ドビュッシー(1862-1918)が、楽器メーカーのプレイエル社からの依頼により1904年に作曲したハープと弦楽四重奏のための作品です プレイエル社は「ペダル・ハープ」に対抗するため、弦を増やして半音階を容易に出せるようにした「クロマティック・ハープ」を開発しましたが、ブリュッセル音楽院に設置された「クロマティック・ハープ」専用講座のコンクール課題曲としてドビュッシーのこの曲が用いられたのです

ハープと弦楽四重奏で聴くこの曲は優雅で威厳のある音楽で、冒頭部分を聴いていたら古代中国の宮廷を思い浮かべました この曲ではハープの影山梨乃のニュアンスに満ちた鮮やかな演奏が際立っていました

プログラムの最後はクヴィエシュ「オーボエ、ハープと弦楽四重奏のための六重奏曲『フルビーン変奏曲』」です この曲はチェコの作曲家クヴィエシュが1999年に作曲した作品です 作品は「モルト・モデラート」「アレグロ・モルト・ヴィーヴォ・エ・リソル―ト」「アダージョ・モルト」「アレグロ・リソル―ト」の4つの部分から成りますが、続けて演奏されます 日本初演ですから初めて聴きます

ヴィオラ独奏による息の長い旋律から始まるこの曲は、現代音楽にありがちな「わけが分からんちん」の無調音楽ではなく、しっかりしたメロディー・ラインをもった聴きやすい曲です とくにオーボエによる息の長い旋律と、ハープの鮮やかなカデンツァが印象に残りました それにしても、ハープとオーボエと弦楽四重奏という風変わりな組み合わせを良くも思い付いたものだと思います

ロビーにはクリスマスツリーが飾られていました


     


外に出ると、ホール正面入口から見える ホテル ニューオータニ のクリスマス・イルミネーションが輝いていました


     

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ブラームス「ピアノ五重奏曲」「ハンガリー舞曲第5番」「愛の歌」を聴く~第22回「芸劇ブランチコンサート」:松田理奈、崎谷直人、佐々木亮、向山佳絵子、清水和音の熱演

2019年12月12日 07時23分16秒 | 日記

12日(木)。わが家に来てから今日で1900日目を迎え、11月に閉幕したラグビールドカップ日本大会で初の8強入りを果たし、列島を熱狂させた日本代表チーム”桜の戦士”たちが11日、東京都千代田区の丸の内周辺でパレードを行い 多くの人々から声援を受けた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      同じ桜でも 政府の「桜を見る会」の方は 声援を受けるどころか非難ごうごうだ

     

         

 

昨日、夕食に「ポーク・カレー」と「生野菜サラダ」を作りました カレーは久しぶりですが、いつ食べても美味しいです

 

     

 

         

 

昨日、池袋の東京芸術劇場コンサートホールで第22回「芸劇ブランチコンサート~ブラームスはお好き?」を聴きました プログラムはブラームス①愛の歌、②ハンガリー舞曲第5番、③ピアノ五重奏曲 ヘ短調 作品34 です 演奏はヴァイオリン=松田理奈(2004年日本音楽コンクール第1位)、崎谷直人(神奈川フィル・コンマス)、ヴィオラ=佐々木亮(N響首席)、チェロ=向山佳絵子(元N響首席)、ピアノ=清水和音です

 

     

 

会場はいつもの通りほぼ満席状態です

1曲目は「愛の歌」です この曲はヨハネス・ブラームス(1833‐1897)が1877年に書いた歌曲集「5つ歌 作品71」の第5曲に当たる作品です

グリーン系のエレガントな衣装の向山佳絵子が清水和音とともに登場し 演奏に入ります チェロが演奏する最初のメロディーを聴いた瞬間から「何と情感豊かで ふくよかな音だろう」と感嘆しました

ここで、ヴァイオリンの崎谷、清水両氏によるトークに入りました 清水氏が今回初めてこのコンサートに崎谷氏を招へいしたのは、「神奈川フィルのコンマスとして演奏しているのを聴いて、目立とうとしないのに実に良い音で演奏していると感心したからだ」と説明しました 彼はウエールズ弦楽四重奏団の第1ヴァイオリンとしても活躍していますが、読響首席チェロ奏者・富岡廉太郎氏も同じメンバーであることは良く知られています 今回、第1ヴァイオリンでなく第2ヴァイオリンを選んだのは、滅多に第2ヴァイオリンを弾く機会がないことと、ファンである松田理奈さんと一緒に演奏したかったから、だそうです。本音の理由は後者でしょうね 清水氏は「演奏前にリハーサルをやりましたが、弦楽だけで演奏するところを聴いていたら、ピアノが入らない方が良いのではないかと思うほど素晴らしい演奏でした」と語りました。自覚してますね

2曲目は「ハンガリー舞曲第5番」です この曲は1869年と1880年に出版されたピアノ連弾曲集「ハンガリー舞曲集」(全21曲)の一つです 清水和音の伴奏で松田理奈が演奏しますが、松田はメリハリを付けながら緩急自在に弾き切りました

 

     

 

最後は「ピアノ五重奏曲 ヘ短調 作品34」です   この曲は、最初「弦楽五重奏曲」として完成しましたが、その後1864年に「2台のピアノ用のソナタ」に改作され、さらにピアノと弦楽四重奏による「ピアノ五重奏曲」として完成、1866年にライプツィヒで初演されました 最初の構想から完成・初演まで10年以上かけた労作です 第1楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アンダンテ・ウン・ポーコ・アダージョ」、第3楽章「スケルツォ:アレグロ」、第4楽章「ポーコ・ソステヌート~アレグロ・ノン・トロッポ」の4楽章から成ります

最初に告白しておくと、何をトチ狂ったか、予習するのに「弦楽五重奏曲 作品111」を聴いていたのです この曲が最初に「弦楽五重奏曲」として作曲されたからという高度な理由ではありません よく考えれば、このコンサートのメイン・プログラムは必ず清水氏のピアノがからむので、弦楽だけの五重奏曲はあり得ないのです わたしばかよねおばかさんよね

5人の演奏で第1楽章に入りますが、冒頭から「ほとばしる情熱」を感じます 第2楽章は、まさに厚みのある弦とピアノとの「極上のアンサンブル」です こういう演奏を聴くと しみじみ「ブラームスはいいなあ」と思います 第3楽章はピアノと弦楽器、あるいは弦楽器同士の丁々発止のやり取りが素晴らしく、思わず引き込まれます 第4楽章は神秘的な序奏から徐々に熱量が高まり、ハンガリー風のメロディーを奏でながらアンサンブルの極致に達します

1時間強のコンサートのためにどれほどのリハーサルをこなしたのか分かりませんが、各自が忙しい身であることを考えるとそれほど多くの時間は費やせなかったのではないかと思われます それだけに、5人の実力とプロ根性を認めざるを得ません。素晴らしいコンサートでした

コンサート後、会場入口近くのチケット売場で来年4月以降のチケットが先行販売されたので、さっそく4月、6月、8月の3回分を押さえました 一般発売は明日からのようです

 

     

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