人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「N響2022ー23シーズン定期公演」案内届く / 伊集院静著「女と男の説妙な話。」を読む ~ 週刊文春に連載の「人生相談」:電車の中で読まないようにしましょう

2022年04月20日 07時14分47秒 | 日記

20日(水)。NHK交響楽団から「2022ー23シーズン定期公演(2022年9月~2023年6月)のご案内」が届きました 首席指揮者がパーヴォ・ヤルヴィからファビオ・ルイージに代わりますが、これはN響にとってベスト・チョイスだと思います 新シーズンのラインナップについては、すでにN響の機関誌「PHILHARMONY  4月号」等で明らかになっていますが、会場についてはNHKホールの改修工事が6月に終了することに伴い、AプログラムとCプログラムが東京芸術劇場からNHKホールに戻ります このうちCプロは今期の「休憩なしのコンパクトな公演」を踏襲するとのことです NHKホールが「紅白歌合戦」の会場から音響面でどれほど改善されたのか全く分からないので、個人的にはCプロは池袋の芸劇のままでよいのではないかと思ってしまいます しかし、経営判断でしょうから仕方ありません

各プログラムのラインナップは次の通りです

 

     

 

Aプロはヴェルディ「レクィエム」、マーラー、ショスタコーヴィチ、ブルックナー、R.シュトラウスの各交響曲といった大編成による作品が多く組み込まれています

 

     

 

Bプロはヴァイオリン、ピアノ、ヴィオラ、ホルン等のソリストを迎えての「協奏曲」が多く組み込まれています 会場がサントリーホールという点もメリットです

 

     

 

Cプロは休憩なしで60分~80分に収まるように変化に富んだプログラムが組まれています

私の場合は、会場に不満が残るものの ラインアップから見ればAプロしかありません N響は定期会員向けの新シーズンへの継続案内を5月中旬以降に送付するとしているので、それを待つことにします

ということで、わが家に来てから今日で2657日目を迎え、世界に13億人の信者を抱えるローマ・カトリック教会の指導者・ローマ教皇フランシスコが、ロシアのプーチン大統領について、「時代錯誤の権力者が戦争を引き起こしている。他国への侵攻や核による脅迫は大昔のおぞましい記憶だと思っていた」と指弾した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     ローマ教皇以前にロシア正教は何もしないのか?  ロシアでは宗教は死んだわけね

 

         

 

昨日、夕食に「ビーフカレー」と「生野菜とアボカドのサラダ」を作りました ビーフはいつものバラ肉です。とても美味しいです

 

     

 

 

         

 

伊集院静著「女と男の説妙な話。」(文春文庫)を読み終わりました 伊集院静氏は1950年、山口県生まれ。立教大学文学部日本文学科卒業。1991年「乳房」で第12回吉川英治文学新人賞受賞 92年「受け月」で第107回直木三十五賞受賞をはじめ受賞多数

 

     

 

本書は「週刊文春」に連載の人生相談「悩むが花」の第4弾で、2017年3月9日号から2019年3月7日号までに掲載された「悩むが花」に、2019年の単行本化にあたり抜粋・加筆したものを、今回 文庫化したものです

本書は「大人の男の常識」「恋愛のかたちに同じものはない」「男の本当のやさしさは不器用で不格好」「人生は誤解と間違いの連続」「打たれ強いのが最後は勝つ」「女は愛嬌と度胸」など便宜的に付けられた20タイトルの中に、111の人生相談と伊集院氏の回答が収録されています

「名回答」あり「迷回答」あり「珍回答」ありですが、共通点はあいまいに逃げを打たず、ズバッと回答しているところです

例えば、「運転の時に人が変わる夫が怖い。事故でも起こしたらと心配」という34歳・女性の相談には、「一番良い対処法は、ハンドルを握らせないことだネ。ご主人に言いなさい。『私を取るの? 車を取るの?』。おそらく車を取ると思いますが」と回答します

「競馬で大一番のレースを外した 勝ち続ける秘訣を教えてほしい。たまには子供たちにお小遣いを渡したい」という39歳・男性の相談には、「ギャンブルの必勝法はありません。私の友人に釣りバカがいます。彼は坊主の日のために、イイ魚屋を知っています それが、私がその男を尊敬する一点です。あなたにとっての魚屋さんを探しなさい」とアドヴァイスします

「顔で男性を選んでいつも失敗している。将来性のある、長く愛してくれる男性と結婚したい。どうすれば、イケメンでない男性に恋心を抱けるようになるでしょうか?」という29歳・女性の相談には、「イケメンと呼ばれている男の大半はバカですから、魔が差すというケースは十分考えられる イケメン=うぬぼれ、傲慢。うぬぼれ、傲慢=思慮浅く、迂闊ですから、その浅智恵と迂闊につけこむのです。あなたの場合はGOGO!」という名回答です

一方、40歳の会社員からのこんな人生相談もあります

「息子が小さい頃から『サンタは本当にいる』と教えてきたが、小学5年生になり、友達からサンタのことをからかわれたらしく、『本当のことを教えてほしい』と言われた どう言えばよいか?」

これに対し、伊集院氏は次のように回答します

「お父さん、よくここまで真っすぐな子に育てたね。まずそれを誉めたいよ 人間で一番情けない奴は、人を信じられない輩だから。息子さんの性根が歪んでないところが嬉しいじゃないか 人を信じられない奴が、淋しい人生で終わるのは、昔からの常識だからね。息子さんにきちんと言いなさい。『この家には本当にサンタクロースが来てくれたんだ。それを君が、友達が言うように嘘だと思うんなら、今年からわが家にはサンタクロースは来てくれない気がする』とね サンタクロースはいたんですよ。だから息子さんが目を覚ました時、枕元にプレゼントがあったんですよ。あなたたちが買ってこようが、サンタクロースがいたから買わせたんだよ サンタクロースが来た家なんですよ。私の話がおかしく聞こえるかね?」

また、43歳・会社員の女性からはこんな相談が寄せられます

「週刊文春を見たら自分の勤務先の会社が文春砲に撃たれていた 誰かが情報を文春に流したのではないかと疑う人も出てきて職場の空気が妙な感じになった 今後、社内で文春を読んでも大丈夫だろうか?」

これに対し、伊集院氏はこう答えます

「世間で起こることを、対岸の火事なんて考えておってはイカンのだよ。毎日、テレビ、新聞、雑誌で見たり読んだりすることは、明日、自分たちにも起きることだと考えて生きるのが、大人の生き方でしょうが 前と同じように読めばいいじゃないか。この雑誌がいつも正しいなんて、わしも世間も思ってやせんから。どんどん読みなさい

読んでいて、思わず吹き出してしまう回答も少なくありません 絶対に電車の中で読んではいけません。鉄道警察に通報されます

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「フェスタサマーミューザ KAWASAKI 2022」のオーケストラ・セット券(全11公演)を取る ~ 今年は大阪フィルが参加 / 国連UNHCR協会(国連難民高等弁務官事務所)から寄付の令状届く

2022年04月19日 07時15分28秒 | 日記

19日(火)。わが家に来てから今日で2656日目を迎え、ロイターによると、金正恩朝鮮労働党総書記は首都平壌に外見は豪華な高層マンションを続々と建設しているが、脱北者など北朝鮮の人々によると、こうしたマンションはエレベーターが満足に動かず、電気や水道に不備があるため、最上階近くに住みたいと思う人はいない  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     外国から暗号資産を強奪して 欠陥マンションを建設しているとは  張りぼて国家だ

 

         

 

昨日、夕食に「トンテキ」と「エノキダケの味噌汁」を作りました トンテキにはキャベツの千切りが合います

 

     

 

         

 

昨日は、7~8月にミューザ川崎で開かれる「フェスタサマーミューザ KAWASAKI 2022」セット券のミューザ会員先行発売日だったので、WEB上でオーケストラセット券(全11公演)を取りました

 

     

 

今年参加するオーケストラは東京交響楽団(オープニング&フィナーレ)、神奈川フィル、読売日響、NHK交響楽団、東京都交響楽団、新日本フィル、東京シティ・フィル、東京フィル、日本フィルの”レギュラー・オケ”に加え、初めて大阪フィルが参加します このほか、例年通り音大オケから 神奈川県に本部を置く洗足学園音楽大学と昭和音楽大学が参加、パイプオルガンによる「真夏のバッハ」もあります

オーケストラ公演で楽しみなのは、第一に井上道義 ✕ 読売日響のブルックナー「交響曲第9番」他(7/29)です   また、藤岡幸夫 ✕ 東京シティ・フィルの「チック・コリア トリビュートVol.1」(8/4)も面白そうです    リチャード・ストルツマンの独奏によるコープランド「クラリネット協奏曲」、チック・コリア「スペイン ~ 六重奏とオーケストラのための」、レスピーギ「ローマの松」他が演奏されます   藤岡氏の挑戦的な試みが素晴らしいと思います

また、毎年楽しみにしているのは洗足学園音楽大学のバレエ付き公演(7/26)です 今年はオール・ラヴェル・プログラムで、「ボレロ」や「ダフニスとクロエ」第2組曲などが谷桃子、東京シティ、牧阿佐美 各バレエ団によって踊られます これでS席=1200円、A席=800円は格安です

なお、オーケストラ公演では、多くのオケで「公開リハーサル」を実施していましたが、コロナ禍以降は「プレトーク」に代わってしまい とても残念です なお、N響(7/30)はプレコンサートがあるようです

下のパンフレットのスケジュール表を見ると分かる通り、各公演の開催時間がまちまちなので、注意が必要です 毎年5月の連休に開催されてきた「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」が新型コロナ発生以来 開かれなくなってしまった現在、「フェスタサマーミューザ」は貴重な音楽祭となっています

 

     

     

     

 

         

 

国連UNHCR協会(国連難民高等弁務官事務所)から、ウクライナ難民の支援活動のための寄付をしたことに対する令状が届きました   それにはUNHCRのパンフレットとともに「毎月のご支援  申込み用紙」が同封されていました。毎月定額の寄付をしてほしいというものです 一時金として寄付したばかりだし、国連WFP協会(国連世界食糧計画)にも少額ながら毎月支援しているので、慎重に考えてから出来るだけの支援をしようと思います

 

     

     

     

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新国立オペラ、モーツアルト「魔笛」初日公演を観る ~ 鈴木准、砂川涼子、安井陽子、升島唯博にブラボー! / 盗難にあった1360万円のヴァイオリン戻る ~ パリのヴァイオリニスト

2022年04月18日 07時14分39秒 | 日記

18日(月)。わが家に来てから今日で2655日目を迎え、米国防総省のスペシャリストによると、ロシアのウクライナ侵略でロシア軍がキーウの北方20~30キロで停止し前進を阻まれたのは、ロシア軍が使用したタイヤが中国製の格安のものだったことから引き起こされた可能性がある  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     その調子で格安の商品をロシア軍に輸出すれば ウクライナを助けることになるかも

 

         

 

16日(土)付の朝日夕刊に「1360万円の盗難ヴァイオリン 高すぎて売れず?」という見出しの記事が載っていました 超略すると次の通りです

「シャンゼリゼ管弦楽団のエンリコ・テデ氏が所有するヴァイオリン(10万ユーロ=約1360万円)が、昨年11月末に欧州ツアーを終えてパリに戻る列車内で盗難に遭った テデ氏は3月末になって、「のみの市」で知られるパリ市北部クリニャンクールの路上のゴミ箱の横に放置されているのを通りがかりの人が発見した という連絡を受けた ヴァイオリン・ケースの中にイタリアの著名楽器製作者ジュリオ・デガーニ氏の名が刻まれた楽器と一緒にパスポートが入っており、持ち主が分かったという 仏紙パリジャンは、楽器の盗難が増えているとしたうえで、専門家の言葉を引きながら、貴重で高額な楽器を売却して現金化するのは、ほぼ不可能だと伝えた

ずいぶん気の抜けた泥棒がいたものですね たぶん、楽器を(フランスの)質屋に持って行ったのはよいけれど、「鑑定書」とか「身分証明書」とかを求められて焦ったのかもしれません もしパスポートが入っていなかったら、無事に本人のもとに戻ったかどうか分かりません しかし、危機管理の観点からは大事なものは分散して所有するのが鉄則です。ヴァイオリニストの皆さん、盗難防止のため楽器にペンキで大きく住所・氏名を書いておきましょう

 

         

 

16日(土)、新国立劇場「オペラパレス」でモーツアルト「魔笛」初日公演を観ました 出演はタミーノ=鈴木准、パミーナ=砂川涼子、ザラストロ=河野鉄平、夜の女王=安井陽子、パパゲーノ=近藤圭、パパゲーナ=三宅理恵、弁者・僧侶1・武士=町英和、僧侶2・武士1=秋谷直之、侍女1=増田のり子、侍女2=小泉詠子、侍女3=山下牧子、童子1=前川依子、童子2=野田千恵子、童子3=花房英里子、モノスタトス=升島唯博。合唱=新国立劇場合唱団、管弦楽=東京フィル、指揮=オレグ・カエターニ、演出=ウィリアム・ケントリッジです

私が新国立劇場で「魔笛」を観るのは2006年、2009年、2013年、2016年、2018年に次いで今回が6度目ですが、ケントリッジの演出では2度目です

 

     

 

「魔笛」はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756ー1791)が死の年=1791年に作曲、同年9月30日にウィーンのアウフ・デア・ヴィーデン劇場で初演された 全2幕から成るジングシュピール(歌芝居)です

ある国の王子タミーノ(日本の狩衣を着ている)は大蛇に襲われ、夜の女王に仕える3人の侍女に助けられる     夜の女王の娘パミーナが悪者ザラストロ(ゾロアスター)に捕らえられていると聞いたタミーノは、パミーナを救い出すことを決意する 身を守るためタミーノは魔法の笛を、夜の女王に仕える鳥刺しパパゲーノは魔法の鈴を与えられ、一緒にザラストロの神殿へ向かう タミーノはザラストロが徳の高い高僧だと知り、パミーナと結ばれるために修行することになる 試練を乗り越えた二人は、祝福のうちに結ばれる 夜の女王は3人の侍女、奴隷たちのリーダーでムーア人のモノスタトスとともに雷鳴轟く中 疑獄に落ちる こうして善と光明の世界が勝利し、悪と闇の世界は滅び去る

 

     

 

タミーノを歌った鈴木准はこの役が当たり役で、何度も歌い演じているので極めて高い安定感があります   今回も第1幕のアリア「何と美しい絵姿」をはじめ甘美な歌声で魅了しました

パミーナを歌った砂川涼子は新国立劇場の多くのオペラで主要な役柄を歌い演じていますが、何を歌っても美しい声で卒なくこなします 最近では「愛の妙薬」のアディーナを歌いましたが、本公演でも情感豊かな表現でヒロインのパミーナを歌い演じました

ザラストロを歌った河野鉄平はやや明るめのバスですが、今回は最低音部の表現にやや難があったように思います

夜の女王を歌った安井陽子は、この役が代名詞になっているほどの当たり役です 今回も第2幕の「夜の女王のアリア『復讐の心は地獄のようにわが胸に燃え』」を超絶技巧のコロラトゥーラで見事に歌い上げました

パパゲーノを歌った近藤圭は歌唱力は申し分ありませんが、コメディータッチの演技がもう一歩欲しいところです

パパゲーナを歌った三宅理恵は歌唱力・演技力ともに申し分ありません。明るく楽しいパパゲーナにピッタリでした

今回の殊勲賞はモノスタトスを歌った升島唯博です。明るいテノールで、棒を使ったパントマイムはプロ級の演技力でした

弁者・僧侶1・武士を歌った町英和、僧侶2・武士1を歌った秋谷直之はともによく声が通っていました

今回は3人の侍女=増田のり子、小泉詠子、山下牧子もそれぞれ歌唱力が素晴らしく、第1幕のアンサンブルが美しかったです

いつもながら素晴らしいと思ったのは世界に誇る新国立劇場合唱団の力強いコーラスです

オレグ・カエターニ指揮東京フィルは歌手に寄り添いながら、暗黒の世界と光明の世界を音で表現していました

 

     

 

ウィリアム・ケントリッジの演出は、素描とアニメーションを用いた美しく神秘に満ちた舞台で、実際の舞台と映像の世界とのコラボにより、視覚と聴覚に同時に訴える独特の手法でストーリーを展開しました     第1幕の「夜の女王」の登場シーンは宇宙的な映像をバックに立体感溢れる演出で、思わず背筋が寒くなりました   楽しい演出なので子どもたちにも解りやすいと思います シカネーダーが21世紀の現代に生きていたら、こういう演出をしたかもしれません オペラ入門にピッタリの「魔笛」の魅力的な演出と言えます

今回は最初から代役なしのオール・ジャパニーズ・キャストによる公演でしたが、初日公演としては概ね成功裏に終わったのではないかと思います

 

     

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

クリストフ・エッシェンバッハ ✕ NHK交響楽団でマーラー「交響曲第5番」を聴く ~ N響池袋Cプログラム:指揮者の「一般参賀」を考える

2022年04月17日 07時08分03秒 | 日記

17日(日)。わが家に来てから今日で2654日目を迎え、北欧フィンランドのトゥップライネン欧州問題相は15日、英スカイニューズ・テレビに出演し、ロシアによるウクライナ侵攻は「われわれすべてに対する警鐘だ」と強調し、フィンランドの北大西洋条約機構(NATO)加盟申請の可能性は「高い」と明言した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     ウクライナ侵略はNATOの加盟国を増やす原因になりそうだ どこまでも考えが甘い

 

         

 

15日(金)19時半から東京芸術劇場コンサートホールでNHK交響楽団「4月度池袋Cプログラム1日目公演」を聴きました プログラムはマーラー「交響曲第5番 嬰ハ短調」です 私はCプロ2日目の会員ですが、新国立オペラ「魔笛」初日公演と重複するためN響を前日に振り替えたものです

振り替え先の席は3階A列35番、何と3階ながら1列目のど真ん中の席です チケットにはD席の表示がありますが、D席でこの席なら申し分ないと思いました

開演前に室内楽の演奏がありました 伊藤亮太郎、横溝耕一(以上ヴァイオリン)、中村洋乃理(ヴィオラ)、藤村俊介(チェロ)によりウェーベルン「緩徐楽章」が演奏されましたが、初期の作品らしく、ちゃんと調性があり、安心して聴くことが出来ました

さて本番です。楽団員が配置に着きます オケは左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対抗配置。コンマスは伊藤亮太郎です

「交響曲第5番 嬰ハ短調」はグスタフ・マーラー(1860ー1911)が1901年から翌02年にかけて作曲、その後何度か改訂を加え、1904年10月にケルンでマーラー自身の指揮でにより演されました 第1楽章「葬送行進曲:規則正しい歩みで厳格に、葬列のように」、第2楽章「嵐のように激動して、非常に激烈に」、第3楽章「スケルツォ:力強く、速すぎずに」、第4楽章「アダージェット:極めてゆっくりと」、第5楽章「ロンド・フィナーレ:アレグロ」の5楽章から成ります

 

     

 

ピアニスト出身の指揮者クリストフ・エッシェンバッハが登場し指揮台に上ります N響に客演する指揮者でスキンヘッドが”サマになっている”のは彼と、2年後に引退を表明している井上道義の二人です

エッシェンバッハの指揮で第1楽章がトランペットのファンファーレで開始されます 長谷川智之のソロが素晴らしい エッシェンバッハはこの楽章に限らずクラリネットにベルアップ奏法を求めていましたが、楽譜通りなのでしょう 第2楽章では弦楽器の渾身の演奏が光りました チェロの辻本玲などはスケートを滑っているように足を動かし、全身で弾いている姿が印象的でした 第3楽章では今井仁志のホルンが心地よく鳴り響きました 全楽章を通じてホルン・セクションの分厚い演奏が冴えていました 第4楽章では、弦楽セクションのアンサンブルが美しく、ヴィスコンティ監督「ヴェニスに死す」のシーンを思い浮かべました 第5楽章は、アルマと出会い結婚した幸せの気持ちが音楽として表れているかのような底抜けに明るく喜びに満ちた演奏が繰り広げられました 全体的にエッシェンバッハはN響の各セクションを思う存分鳴らしていました

 

     

 

終演後、何度かカーテンコールが繰り返され、楽団員が引き揚げた後も拍手が続きました 「これは『一般参賀』があるな」と直感したので、「分散退場のお願いアナウンス」が入る前に引き上げました 「一般参賀」とは指揮者を天皇に見立て、指揮者だけをステージに呼び戻し拍手喝さいを浴びせるものです 多くの場合、内外の高名な指揮者の公演で見られる現象です。この現象で困るのは、なかなか拍手が止まないので、正直に分散退場に協力しようとする良心的な聴衆がいつまで経っても帰れないことです 熱心なファンは、指揮者への賞賛の思いを伝えたいという気持ちで拍手を続けるのだと思いますが、「正直者」にとってはいい迷惑です 早く帰りたい聴衆と「一般参賀」で拍手を送りたい聴衆の双方を満足させる唯一の方法は「分散退場のお願いアナウンス」を止めることです コロナ前のように自然に任せておけば、早く帰りたい人と「一般参賀」に参加する人で分散退場になるのではないか、とも思います どこのコンサート会場でも「マスクの着用」の協力依頼をしています。退場にはそう長い時間はかからないので、マスクさえしていれば罹患は避けられるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか 主催者側・会場側のご検討をお願いしたいと思います

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

久石譲 ✕ リーウェイ・キン ✕ 新日本フィルでムソルグスキー(ラヴェル編)「展覧会の絵」、サン=サーンス「チェロ協奏曲 第1番」他を聴く ~ 「すみだクラシックへの扉 第6回演奏会」

2022年04月16日 07時19分25秒 | 日記

16日(土)。わが家に来てから今日で2653日目を迎え、米連邦捜査局(FBI)は14日、声明を出し、北朝鮮のハッカー集団「ラザルス」と「APT38」がオンラインゲームのネットワークにサイバー攻撃を仕掛け、暗号資産(仮装通貨)約6億2000万ドル(約780億円)を不正に奪い取ったと発表した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     世界一の殺人国家はロシアだけど  世界一の泥棒国家は北朝鮮だ 自慢にならないが

 

  昨日はコンサートのハシゴのため夕食作りはお休みしました  

 

         

 

昨日 午後2時から、すみだトリフォニーホールで新日本フィル「すみだクラシックへの扉   第6回演奏会」を、午後7時半から「N響4月度池袋C定期演奏会」を聴きました ここでは新日本フィルのコンサートの模様を書くことにします

プログラムは①ドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」、②サン=サーンス「チェロ協奏曲第1番 イ短調 作品33」、③ムソルグスキー(ラヴェル編):組曲「展覧会の絵」です  演奏は②のチェロ独奏=リーウェイ・キン、指揮=久石譲です

指揮者の久石譲氏は言うまでもなく、1984年の「風の谷のナウシカ」以降、宮崎駿監督作品の音楽を担当してきた作曲家として有名な人です

 

     

 

拍手の中、楽団員が入場し配置に着きます。オケは左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対抗配置。コンマスは崔文洙です 全体を見渡してみると、コンマスの隣にはゲスト・コンマス(元読響コンマス)の伝田正秀が、クラリネットのトップには元読響首席の藤井洋子がスタンバイしています 新日本フィルから読響へはオーボエの金子亜未、クラリネットの中館壮志が移籍していますが、読響と新日本フィルとの間には人的交流の契約でもあるのか、と思ってしまう起用です

先月までは弦楽奏者がマスク着用で演奏していたのが、今回はヴァイオリン・セクションの数人を除く全員がノーマスクで演奏していたのがとても新鮮に感じました 新シーズンを迎えて初コンサートということで、”新春顔見世興行”的な試みでしょうか

1曲目はドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」です この曲はクロード・ドビュッシー(1862-1918)がマラルメの詩「牧神の午後」をテーマに1892年から94年にかけて作曲、1984年にパリで初演されました 印象主義音楽を確立した最初の作品として大きな反響を呼びました

この曲ではフルート首席の野津雄太が、牧神がまどろむ どこかアンニュイな雰囲気を見事に表現していました

2曲目はサン=サーンス「チェロ協奏曲第1番 イ短調 作品33」です この曲はカミーユ・サン=サーンス(1835-1921)が1872年に作曲、1873年にパリで初演されました 第1楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アレグレット・コン・モート」、第3楽章「モルト・アレグロ」の3楽章から成りますが、切れ目なく演奏されます

新日本フィルは新型コロナ禍の影響で外国人指揮者や演奏家が来日できない期間が長く続き、日本人の指揮者や演奏家の代役でしのいできましたが、久しぶりに”予定通りの”外国人演奏家を迎えることになりました ソリストのリーウェイ・キンは中国系オーストラリア人のチェリストで、第11回チャイコフスキー国際コンクールで銀メダルを受賞しています

CDを持っていないので初めて聴く曲でしたが、第1楽章冒頭のオケの総奏の後の独奏チェロのアグレッシブな演奏が印象的です 曲自体はサン=サーンスらしい古典的なところとロマン的なところが融合した音楽で、独奏チェロがよく歌いました かなり技巧的な曲ですが、リーウェイ・キンは余裕で弾いていました

満場の拍手に、ソリストはアンコールにジョバンニ・ソッリマ「Alone」を超絶技巧で鮮やかに演奏、会場割れんばかりの拍手に包まれました それでも鳴りやまない拍手にバッハ「無伴奏チェロ組曲第4番」から「サラバンド」をしみじみと演奏し、聴衆のクールダウンを図りました

休憩時間にパトロネージュ部・登原さんから「定期会員継続特典CD」を受け取りました 佐渡裕指揮新日本フィルによるモーツアルト「交響曲第41番」とベートーヴェン「交響曲第8番」のカップリングです あとでゆっくり聴こうと思います

 

     

     

 

プログラム後半はムソルグスキー(ラヴェル編):組曲「展覧会の絵」です この曲はモデスト・ムソルグスキー(1839-1881)が1874年に、前年に死んだ友人の画家ガルトマンの追悼展覧会が開催された時の印象をもとに作曲したものです それをモーリス・ラヴェル(1875ー1937)が1922年に指揮者セルゲイ・クーセヴィツキーの依頼を受けて管弦楽用に編曲しました 曲は「プロムナード」、第1曲「グノームス」、第2曲「古城」、第3曲「テュイルリーの庭」、第4曲「ビドロ(牛車)」、第5曲「卵の殻を付けた雛の踊り」、第6曲「2人のユダヤ人、サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ」、第7曲「リモージュの市場」、第8曲「カタコンべ:ローマ時代の墓」、第9曲「鶏の足の上に建つ小屋(バーバ・ヤガー)」、第10曲「キエフの大門」から構成されています

久石氏の指揮で演奏に入りますが、冒頭のトランペットの演奏が素晴らしかった ここでコケたら台無しですから 第2曲「古城」におけるサクソフォンの演奏が郷愁を誘いました この辺はラヴェルの管弦楽への編曲の天才を感じます どうなるかな、と思っていたのは第4曲「ビドロ」です この曲は牛車が重々しい足どりで通り過ぎていく様子をチューバが描いています チューバって相当演奏が難しいのだと思います。不安定な箇所がいくつかありました 前日の公開リハーサルで久石氏から「音が少し大きすぎる」と指摘を受けていたので、その言葉がプレッシャーになったのだと推測します 2日目の今日の公演では修正してくると思います。いつ聴いても面白いと思うのは第6曲「サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ」です。裕福で威厳に満ちたユダヤ人(オケ総奏)と貧しく卑屈で弱々しいユダヤ人(ミュート付きトランペット)のキャラクターが対比されます 前回この曲を聴いたのは昨年12月11日のN響定期公演(デスピノーサ指揮)ですが、その時と違い今回聴いて頭に浮かんだのは次のような会話です

ゴールデンベルク(プーチン):我々はネオ・ナチからウクライナの国民を救うために「特別軍事作戦」を実行したんだ。命が欲しかったら武器を捨てて投降しろ

シュムイレ(ゼレンスキー) :我々の国ウクライナは主権を持つ独立国家です。何の罪もない住民を殺すのは許せません

ゴールデンベルク(プーチン):うるさい ロシア、ベラルーシ、ウクライナは一心同体なんだ。NATOになびくなんて許せん

シュムイレ(ゼレンスキー) :何の権利があってそんな強権的なことを言うんですか。我々は自由のために闘います

ゴールデンベルク(プーチン):東部マリウポリは我々が制圧したぞ

シュムイレ(ゼレンスキー)  :我々はロシアの巡洋艦「モスクワ」を撃沈しましたよ

・・・こんな風に思い浮かべたのは初めてです

第8曲「カタコンベ」ではブラスの分厚い演奏が光りました 最後の曲「キエフの大門」のキエフとは言うまでもなくウクライナの「キエフ」=ウクライナ読みで「キーウ」のことです 元・駐ウクライナ大使の黒田祐次氏は「物語  ウクライナの歴史 ヨーロッパ最後の大国」の中で、「キエフの大公ヤロスラフ(在位1019ー54)はキエフの街の整備に務め、城壁を強化し街の門を立派にした。その門のうち黄金の門のみが旧市街に残っている。ムソルグスキーは、ある展覧会で観た複数の絵の印象を組曲『展覧会の絵』として作曲しているが、この黄金の門を描いた絵に基づく曲もその中に入っている」と書いています

今までは第10曲「キエフの大門」を、管弦楽を総動員して音の大伽藍を築き上げた壮大な曲として聴いてきましたが、今回は「ロシアの侵略によって大門が破壊されないでほしい」と祈るような気持ちで聴きました こんなことは初めてです。久石氏指揮新日本フィルの演奏はそういう想いを込めた演奏だったように思います

アンコールには予定通り、ラヴェル「亡き王女のためのパヴァーヌ」が演奏されました この曲は、ウクライナで不条理にも死んでいった人たちへのレクイエムとして聴きました

 

     

     

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新日本フィル「すみだクラシックへの扉 第6回演奏会」公開リハーサルを聴く ~ 久石譲の指揮でムソルグスキー(ラヴェル編)「展覧会の絵」

2022年04月15日 07時18分04秒 | 日記

15日(金)。わが家に来てから今日で2652日目を迎え、14日付の朝鮮労働党機関紙は、平壌に建設された高級住宅街の竣工式の様子を伝えたが、北朝鮮の重要ニュースを読み上げてきた看板アナウンサーのイ・チュンヒさんが「国の功労者」として住居が与えれた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     要するに金正恩を無条件で褒め称える人物が優遇されるわけね  これが独裁主義だ

 

         

 

昨日、夕食に「すき焼き」を作りました たまにはいいでしょう

 

     

 

         

 

昨日午後、新日本フィル「すみだクラシックへの扉  第6回演奏会」公開リハーサルを聴きました 15(金)、16(土)の本公演のプログラムは①ドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」、②サン=サーンス「チェロ協奏曲第1番」、③ムソルグスキー(ラヴェル編):組曲「展覧会の絵」ですが、この日は「展覧会の絵」のリハーサルが公開されました

 

     

 

自由席なので1階11列12番、左ブロック右通路側を選びました リハーサルは14時からですが、開始前に楽員たちがそれぞれの練習に励んでいました 何気に聴いていたら、ホルンが「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」の有名なメロディーを吹いていました この曲は今回の演奏会を含めて、近々新日本フィルで取り上げられる予定はないと思いますが、アルバイト先のリハーサルだろうか

オケは左奥にコントラバス、ヴァイオリンが左右に分かれる対抗配置をとります コンマスは崔文洙です

指揮者の久石譲氏は、1984年の映画「風の谷のナウシカ」以降、宮崎駿監督全作品の音楽を手がけている作曲家でもあります

久石氏がラフな服装とスニーカーで登場、さっそく「展覧会の絵」の演奏に入ります リハーサルは、演奏しては止め、演奏上の注意点を伝え、やり直し、次の進む、というペースで進められました 面白かったのは第4曲「ヴィドロ(牛車)」です。この曲は冒頭から重低音のチューバが大活躍しますが、しばらく演奏したあと、久石氏は演奏を止め、会場の方に振り返って、「チューバの音が大き過ぎませんか?」と尋ねます リハーサルの場合、副指揮者とか指揮研究生とかが会場にいて、指揮者の質問に答えることがあるので、どこかにいるのかと思いましたが、そうでもないようでした 私を含めて 聴衆はまさか自分が訊かれているとは思わないので誰も答えません     そのうち、会場後方の誰かが両手で大きな〇を作ったようで、それを見た久石氏が「それって大きくないってこと? 大きいってこと?」と尋ね、どうやら大きすぎたことが判明したようです こういうやり取りを見ると、指揮者は全体のバランスを考えながら曲を仕上げていくことが良く分かります こういうところはリハーサルならではの風景です

途中15分程度休憩があったのでロビーに出て、パトロネージュ部の登原さんと立ち話をしていたら、年配のご婦人から「ちょっとすいません」と声をかけられました どうやら私を新日本フィルのスタッフと勘違いされたようです 登原さんが「〇〇さん、こちらはスタッフではなくお客さまです」と言ってくれて誤解が解けました 私はコンサートの時はいつも 黒のジャケットを着ているので紛らわしいのかもしれません もっとも、下はジーンズですが

リハーサルは休憩後も前半と同じやり方で進みました。その後 アンコール曲のリハーサルがありました   何の曲か教えろって?  私にそんな無粋なことが出来るわけないでしょうが

ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」です

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「METライブビューイング 2021ー2022」の3枚組ムビチケを買う / ジャン=ピエール・ジュネ監督「ビッグバグ」を Netflix で観る ~ コロナ禍の中で作られたSFコメディー

2022年04月14日 07時11分50秒 | 日記

14日(木)。新宿ピカデリーで「METライブビューイング 2021ー2022」の3枚組ムビチケカード3枚セットを買いました 今年の初めから腰痛のため長時間座っていることが辛いため、今年1月から始まった今シーズンのMETライブも観ないまま過ごしてきました すでに「ボリス・ゴドゥノフ」「エウリディーチェ」「シンデレラ」「リゴレット」などが上映されてきました 最近、腰痛の痛みもほとんどなくなったので、久しぶりに観ようと思い、ムビチケカード3枚セットを購入しました 単券は@3,700円ですが、3枚セットだと9,600円(@3,200円)と1枚当たり500円安くなります 今シーズンでこれから上映されるのは「ナクソス島のアリアドネ」「ドン・カルロス」「トゥーランドット」「ランメルモールのルチア」「ハムレット」の5作品です 取り合えず22日から上映されるリヒャルト・シュトラウス「ナクソス島のアリアドネ」を観ようと思います 今から楽しみです

 

     

     

 

ということで、わが家に来てから今日で2651日目を迎え、ロシアのプーチン大統領は12日、ウクライナの首都キーウ近郊ブチャで多数の民間人が殺害され、ロシアへの批判が高まっていることについて「挑発でありフェイクだ。ウクライナで起きていることは悲劇だが、ロシアには選択の余地がなかった」と侵攻を正当化し、「欧米諸国が全面的な制裁の戦争を仕掛けている。ロシアを孤立させることはできない」と主張した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     強気なことを言ってるが すでにロシアは世界から孤立してる 自滅は時間の問題だ

 

         

 

昨日、夕食に「メカジキのソテー」「生野菜とアボカドのサラダ」「マグロの山掛け」「冷奴・ウニ醤油かけ」「平茸の味噌汁」を作りました 魚はヘルシーでいいですね

 

     

     

         

 

久しぶりにNetflixで映画を観ました    ジャン=ピエール・ジュネ監督による2022年製作フランス映画「ビッグバグ」(111分)です 数多く配信されているNetflixの映画の中からこの作品を選んだのは、ジャン=ピエール・ジュネが不朽の名作「アメリ」の監督だったからです

物語の舞台は2045年の近未来。家庭用アンドロイドが普及し、人間たちは生活や仕事のほとんどをAIに頼るようになっていた ある日、最新世代のアンドロイド「ヨ二クス」が人類に反旗を翻し、世界を乗っ取ろうと動き出す レトロ趣味のアリスの家で暮らす4体の旧型ロボットたちは、主人を守るため家を外界から遮断してしまう アリスは偶然彼女の家に居合わせた恋人や元夫、隣人女性たちと一緒に家の中に閉じ込められてしまう そこへ「ヨ二クス」が侵入し彼らを支配する。アリスたちは外へ脱出しようと旧型ロボットとともに奮闘するが上手くいかない アリスたちは無事 外に出ることが出来るのか

 

     

 

Netflixだからできた「金のかかった映画」です アリス役のエルザ・ジルベルスタインが魅力的です

映画のラスト近く、やっと家から脱出できそうだ、と皆が期待するシーンで、旧型ロボットが「新型コロナウイルス COVID50の感染拡大によって、全世界で3か月のロックダウンが宣言されたため、外出が禁止されました」と語ると、閉じ込められた皆から激しいブーイングが出ます このシーンなどは、コロナ禍のもとで製作せざるを得なかった恨みつらみをアイロニカルに映画にぶつけたように思いました

さて、音楽です 映画のタイトルロールで流れるのは、冒頭が「泥棒カササギ」序曲、ラストが「セヴィリアの理髪師」序曲と、いずれもロッシーニの歌劇の序曲です コメディー映画に使うクラシック音楽としてはピッタリの音楽で、さすがはジャン=ピエール・ジュネ監督だと思いました

 

     

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

クルレンティス ✕ ムジカエテルナ ⇒ ウィーンのコンツェルトハウスが出演をキャンセル / 小泉悠著「現代ロシアの軍事戦略」を読む ~ なぜロシアはNATOを恐れ、なぜウクライナに侵略したか?

2022年04月13日 07時08分24秒 | 日記

13日(水)。月刊音楽祭は12日、「コンツェルトハウスがクルレンティス & ムジカエテルナのコンサートをキャンセル」という記事をツイートしました    内容は次の通りです

「ウィーンのコンツェルトハウスが11日に行われる予定だったテオドール・クルレンティス率いるムジカエテルナのコンサートを突然キャンセルした    ウクライナ支援のためのチャリティー・コンサートだったが、ホール側は、ウクライナ大使から、ウクライナのためのコンサートにロシアのアーティストを参加させないよう正式に要請があり、その意向を尊重して決定したと説明している    クルレンティス率いるムジカエテルナは、ロシア第二の銀行VTB銀行が設立に関わり、長くスポンサーを務めてきた団体。VTB銀行はプーチン大統領に近く、ウクライナ侵略により制裁を受けている クルレンティス自身は3月末、首席指揮者を務める南西ドイツ放送交響楽団と共同声明を出し、ヨーロッパ・ツアーでロシアとウクライナの作曲家の作品を同時に取り上げる姿勢を表明してきたが、個人的にはロシアの侵略に対して特別なアクションは起こしていない コンツェルトハウスは、『ロシア連邦のウクライナに対する侵略戦争によって計り知れない苦しみがある時、サンクト・ペテルブルクを拠点とするオーケストラの演奏が政治的側面を持つことを無視することはできない 私たちは、ウクライナにおける戦争犯罪についての絶望を理解し、共有し、この侵略を遠慮なく非難します』と述べている

記事は、「コンツェルトハウス」という”コンサート会場”がロシアのオーケストラの演奏を拒否しキャンセルした、という内容です クルレンティスにしてみれば、チャリティーコンサートを開いてコンサートの収益をウクライナの人々のために寄付しようとしたのでしょうから、せっかくの善意が台無しになり、不本意だと思います 一方、会場を貸す側のコンツェルトハウスの立場から言えば、ウクライナ大使から”正式に”中止の要請があったわけですから、これを拒否すれば国内外から批判を浴び、今後の営業にも支障が出ることは必至だと考えたのだと思います 私はこれが普通のコンサートだったら仕方ないと思いますが、ウクライナ支援のためのチャリティーコンサートだっただけに、”偽善”ではなく文字通り”慈善”と解釈して実現させてあげた方が良かったのではないかと思います ロシアの音楽家をひとまとめにして「悪」と決めつけるのは良くないと思います

ということで、わが家に来てから今日で2650日目を迎え、ベラルーシメディア「ベラルーシ・ガユン」はSNSで、ウクライナ侵攻中のロシア軍兵士が民家などから略奪したと見られるテレビや自動車部品、楽器などの大量の物資を母国に送った様子を伝えた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     民間人の虐殺だけでは物足りないのか? 悪い事なら何でもやる犯罪のデパートだ

 

         ]

 

昨日、夕食に「鶏肉のソテー・香味醤油かけ」と「冷奴・ウニ醤油かけ」を作りました いつもはチキンステーキにするのですが、今回は切り分けて味付けも豆板醤を使ってピリ辛にしました とても美味しかったです

 

     

 

         

 

小泉悠著「現代ロシアの軍事戦略」(ちくま新書)を読み終わりました 小泉悠氏は1982年千葉県生まれ。早稲田大学社会学部、同大学院政治学研究科修了。民間企業勤務、外務省専門分析官、ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所客員研究員を経て、現在は東京大学先端科学技術研究センター専任講師。専門はロシアの軍事・安全保障

 

     

 

著者はロシアのウクライナ侵略をきっかけに、あちこちのテレビの報道番組でロシアの軍事問題専門家として引っ張りだこの存在になっています コメントを聞いていると、かなりロシアの軍事政策に詳しいことが窺えます 本書はそのロシアの軍事専門家が1年前の2021年5月に刊行した300ページの力作です

本書は「はじめに」と次の5章から構成されています

第1章「ウクライナ危機と『ハイブリッド戦争』」

第2章「現代ロシアの軍事思想~『ハイブリッド戦争』論を再検討する」

第3章「ロシアの介入と軍事力の役割」

第4章「ロシアが備える未来の戦争」

第5章「『弱い』ロシアの大規模戦争戦略」

「はじめに」の中で、著者は「本書を理解するための基礎知識」としてロシア軍の実態について下記のように説明しています

「ロシア軍(正式名称はロシア連邦軍)は2021年現在、定数101万3628人、実勢90万人程度とされており、このうち徴兵(18~27歳の男子国民の義務とされ、勤務期間は12か月)は25万人程度。残りは職業軍人として定年まで勤務する将校(約21万人)と、契約に従って限られた期間勤務する契約軍人(約40万人)、各種学校生徒などで占められている 組織的に見ると、ロシア軍は陸軍、海軍、航空宇宙軍の3軍種に加えて、独立兵科の空挺部隊及び戦略ロケット部隊、その他の国防省直轄軍事部隊によって構成される。さらに、軍以外にもいくつかの軍事組織が存在する。例えば国内での反乱鎮圧を任務とする国家親衛軍は火砲や武甲車まで保有し、国防法ではロシア軍に次ぐ「その他の軍」と位置付けられているほか、ソ連国家安全委員会(KGB)の末裔である連邦保安庁の傘下には大規模な国境警備隊と対テロ特殊部隊が存在する

第1章で著者は、なぜロシアがNATOを恐れ、2014年にウクライナに侵攻しクリミア半島を併合したかについて次のように解説しています

「旧ソ連諸国については、ソ連崩壊後もロシアはこれを『勢力圏』と見做し、自国こそが政治・経済・安全保障などの中心であるという理解が存在してきた その意味では、2004年のバルト3国へのNATO拡大は極めて面白からざる出来事だった 当時のプーチン政権は米国との協力路線によって国力と国際的な地位の回復に努めている最中であった上、NATO拡大を力づくで阻止するだけの実力を持ってないなかった しかし、2008年に浮上したウクライナとグルジアへのNATO拡大論に対しては、2000年代の原油価格高騰で国力を回復させていたロシアは、この動きに強硬に反発し、2008年にはグルジアとの戦争にまで発展した その後2014年にウクライナで政変が起きると、クリミア半島とドンバス地方に軍事介入を行った。NATOの拡大をロシアが苦々しく思っていたもう一つの理由は、それが『大国』としてのロシアの地位を損なうものと見做されたからだ 『大国』はロシア語で『デルジャーヴァ』というが、この言葉は単に『規模の大きな国』という意味ではない。ひと言で言えば、外国の作った秩序に従うのではなく自らが秩序を作り出す側の国であるということだ

「ロシアから見ると、旧ソ連欧州部でまだNATOに加盟していない6か国(アルメニア、アゼルバイジャン、ベラルーシ、グルジア、モルドヴァ、ウクライナ)の中立をいかに維持するかは、安全保障上、特別の重要性を有していた この中からロシアの『勢力圏』を脱出しようとする国があれば、軍事力行使に訴えてでもこれを阻止するというのがグルジア戦争以降のロシアの基本方針であり、2013~14年にウクライナで起きた事態はまさにこれに該当していた

その時のクリミア併合が短期間で成し遂げられた結果、プーチンは今回のウクライナへの侵略も短期間に終息することが出来ると考えたのでしょう しかし、現実はウクライナ軍による徹底抗戦によりキーウは生き残り、ロシア軍は親ロシア派住民が多いとされる東部地方に攻撃の矛先を向け支配しようとしています

なお、著者は2014年当時のロシアの戦闘方法について次のように解説しています

「ウクライナで実際にロシアが用いたのは、国家・非国家を問わずに幅広い主体を巻き込み、現実の戦場に加えてサイバー空間や情報空間でも戦うという方法であった このような戦い方は西側諸国において『ハイブリッド戦争』と名付けられ、現代の安全保障を語るうえで必須の概念となりつつある

この戦法はロシアの専売特許ではなく、ウクライナ側は若い副首相を中心に、SNSなどによる情報戦や、ドローンによる敵陣偵察・攻撃などを展開しています

また、第3章では「『精密攻撃』と残虐性の価値」というテーマで次のように書いています

「ロシア軍は人々の生活インフラを意図的に攻撃していると見られる 2019年4月にロシア軍とアサド政権軍がイドリブに対して実施した空爆では、家屋、学校、医療施設、市場が標的とされ、少なくとも1600人の民間人が死亡したほか、シリア全土で足掛け7年にもわたって続けられていることを考えれば、悲惨極まりない人権侵害であることは言うまでもない だが、純軍事的に見ると、そこには一定の合理性も(極めて不愉快なことだが)見い出せる 子供たちの頭上に爆弾が降り注ぎ、負傷者が出ても手当てもままならず、水道も電気もこないという状況になれば、敵はその領域を放棄せざるを得なくなるためだ ガレオッティはこれを『残虐性の価値』、つまり非人道的な攻撃を敢えて行うことで軍事的成果につなげることに価値を見出していると評価する

これは、今ロシア軍がウクライナでやっていることそのものです プーチン・ロシアはシリアで得た教訓をウクライナで生かしていることになります

ロシアのウクライナ侵略から1か月以上経った今なお戦争は続いています すでに多くの人々が殺害され、あるいはウクライナの内外に避難していますが、キーウを諦めたロシア軍は、第二次世界大戦の対独戦勝記念日にあたる5月9日までに何らかの戦果を得たいとみられ、東部地方ではこれから攻撃が激化すると報道されています はたしてウクライナはどうなるのか、予断を許さない日々が続きます そんな中、攻撃する側のロシアの論理を理解してニュースに接することは大事なことです 本書はそのためのガイドブックとして役に立つ入門書です。お薦めします

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新日本フィル「室内楽シリーズ ~ 渡辺泰プロデュース編 第149回 春の夜の夢」を聴く ~ ラヴェル「ダフニスとクロエ」第2組曲(フルート五重奏版)他

2022年04月12日 07時22分55秒 | 日記

12日(火)。わが家に来てから今日で2649日目を迎え、ウクライナ当局は10日までに、ロシア軍が一時制圧したチェルノブイリ原発の研究所から133個の放射性物質を略奪した  と発表したというニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     ならず者のプーチン・ロシアが 殺人兵器に利用しないか?  その前に被爆してるか

 

         

 

昨日は暑かったので、今年初めて夕食に「豚肉の冷しゃぶ」を作りました あとは「生野菜とアボカドのサラダ」「エノキダケの味噌汁」「冷奴ウニ醤油かけ」です

 

     

 

         

 

昨夕、すみだトリフォニーホール(小)で新日本フィル「室内楽シリーズ ~ 渡辺泰プロデュース編 春の夜の夢」を聴きました プログラムは①アルビージ「3本のフルートのための小組曲第2番」、②ロレンツォ「5つのフルートのための『シンフォニエッタ』作品75」、③福島弘和「シリンクスの主題による幻想曲」、④ラヴェル:バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲(フルート五重奏版)です 演奏はフルート=渡辺泰、野津雄太、野口みお、斎藤光晴、梶原一紘です

本番前に本公演の”仕掛け人”フルート奏者・渡辺氏のプレトークがありました 私はこの人の話を聞くのは初めてでしたが、飄々とした話しぶりに「ああ、こういう人なんだ」と、本人の人柄が良く分かるトークでした 渡辺氏は聴衆に語り掛けます。「ほかの楽器にないフルートの特徴は何でしょうか?」。首をかしげていると、「それは、音を出すのに振動するものを使っていないところです オーボエのようにリードを振動させて音を出していないし、ヴァイオリンのように弦を振動させて音を出しているわけでもないし、打楽器のように叩いて音を出しているわけでもない 直接フルートに風を送り込んで音を出しているピュアな楽器なのです」と説明します ここで頷く聴衆多数あり 久しぶりにプレトークらしいプレトークを聞きました

会場を見渡して思うのは、小ホールとはいえ よくもこれだけの聴衆が集まったものだ、ということです    かつての閑散とした室内楽シリーズを知っている私にとっては隔世の感があります    とくに若い聴衆が多いのもこのシリーズの最近の特徴です これはオーケストラにとってはすごく良いことです 新日本フィルにとっては、この人たちのコンサート離れを阻止しなければなりません。「なぜこのコンサートのチケットを購入したのか」アンケートを取って聞いても良いかもしれません

 

     

 

1曲目はアルビージ「3本のフルートのための小組曲第2番」です この曲はアべラルド・アルビージ(1872-1938)が1910~20年代に作曲した作品です 第1曲「春の歌」、第2曲「鐘」、第3曲「ヴェニスの舟唄」、第4曲「泉(噴水)」の4曲から成ります

鉢村優氏のプログラム・ノートによると、アルビージはトスカニーニと対立してミラのスカラ座を辞任したそうです 「なかなかやるじゃん」と思いますが、彼のように辞めていった演奏家が何人いることやら 多くの場合「無能」呼ばわりされて辞めていったようですが しかしトスカニーニは断固として独裁者に徹底抗戦した信念の指揮者です

野津、野口、渡辺の3人が登場し、演奏に入ります 私のイメージとしては「フルート=鳥の鳴き声」というイメージが強いのですが(あくまでも個人の感想です)、第1曲「春の歌」をはじめ各曲で鳥の囀りが聴こえました 4曲の中では最後の「泉(噴水)」の速いパッセージの演奏が軽やかでとても印象に残りました

2曲目はロレンツォ「5つのフルートのための『シンフォニエッタ』作品75」です この曲はレオナルド・デ・ロレンツォ(1875ー1962)が1961年に出版した作品です 第1楽章「マチネッタ・エ・フゲッタ」、第2楽章「セレナータ・ブレヴ・ア・パン」、第3楽章「アレグロ・フィナーレ」の3楽章から成ります ロレンツォはニューヨーク・フィルで首席奏者を務めていたそうです

ここで、野津、野口、渡辺の新日本フィル・トリオに、アルト・フルートの斎藤光晴(日本フィル)と梶原一紘が加わります。この曲では第2楽章を中心にアルト・フルートの斎藤光晴が活躍します ピッコロの渡辺からアルト・フルートの斎藤まで同一楽器ながら高低差と色彩感に富んだ演奏が繰り広げられました

 

     

 

休憩後の1曲目は福島弘和「シリンクスの主題による幻想曲」です この曲は福島弘和(1971~)がドビュッシーが無伴奏フルートのために書いた「シリンクス」をモダンな感性で自由に展開したフルート三重奏のための作品です 野津、野口、渡辺による演奏ですが、3人それぞれの演奏が光り、そのうえで美しいアンサンブルが強く印象に残る演奏でした 仕掛け人・渡辺氏が「この日のプログラムの中で一番演奏したい曲」とプレトークで告白していた曲でしたが、本人は会心の出来だったのではないでしょうか

最後の曲はラヴェル:バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲(フルート五重奏版)です この曲はモーリス・ラヴェル(1875‐1937)が1909年から12年にかけて作曲した「ダフニスとクロエ」を1913年に組曲として編曲したものです 第1曲「夜明け」、第2曲「パントマイム」、第3曲「全員の踊り」の3曲が続けて演奏されます

再び5人の出演者全員が登場し、演奏に入ります 「夜明け」の冒頭を聴いた時に思ったのは、フルートだけの同族楽器による演奏がいかに難しいか、ということです 個々の演奏者が優れていても、アンサンブルとして”聴かせる”演奏をするのは並大抵のことではないと思います とくにラヴェルやドビュッシーなどの”フランスもの”の演奏においてはなおさらです。5人の演奏は後にいくにしたがってどんんどん良くなっていきました

ここだけの話、私もン十年前にヤマハ・フルート教室に1年間通ったことがあり(そういえば、パトロネージュ部の登原さんは音大のフルート科出身でした)、他の楽器よりもフルートに親近感を覚えるのですが、演奏者たちはいとも簡単そうに吹いているように見えて、とんでもない技巧で演奏しているのです 私はフルート教室のン十年後に、初め受けた人間ドックの肺活量検査で「人並以下」の烙印を押されました その時思ったのは、「よくもこんな情けない肺活量で あの頃フルートをやろうと思ったものだ」ということでした

 

     

 

5人はアンコールにドビュッシー「6つの古代墓碑銘」より第1番、第2番、第3番、第6番を鮮やかに演奏、大きな拍手でコンサートを締めくくりました

次回も満席近い集客があるといいですね

 

     

 

本日toraブログのトータル閲覧数が690万PVを超えました( 6,900,309 PV )。これもひとえに普段からご覧いただいている皆様のお陰と感謝いたします これからも毎日根性で書き続けてまいりますので、モコタロともどもよろしくお願いいたします

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アンナ・ネトレプコ ⇒ ヴェローナ音楽祭「アイーダ」&「トゥーランドット」に出演 ~ 月刊音楽祭より / 道尾秀介著「カエルの小指」を読む ~ 元詐欺師と女子中学生の騙し合いが楽しい

2022年04月11日 07時01分40秒 | 日記

11日(月)。月刊音楽祭は10日、「ヴェローナ音楽祭が2022年の公演ラインナップを発表」という記事をツイートしました 概要は次の通りです

「イタリアの夏の音楽祭を代表するアレーナ・ディ・ヴェローナが2022年の公演ラインナップを発表した 開幕はビゼー『カルメン』で、エリーナ・ガランチャが音楽祭デビューする アンナ・ネトレプコの出演も予定通り

6月17日 ビゼー「カルメン」 エリーナ・ガランチャ、ヴィットリオ・グリゴーロ、ロベルト・アラーニャ他。

6月18日 ヴェルディ「アイーダ」 リュドミラ・モナスティルスカ、アンナ・ネトレプコ、フェルッチョ・フルラネット、アンナ・マリア・キウリ他。

6月25日 ヴェルディ「ナブッコ」 アマルトゥブシン・エンクバット、セバスティアン・カターナ他。

7月 2日 ヴェルディ「椿姫」 エンジェル・ブルー、ヴィットリオ・グリゴーロ、ルカ・サルシ他。

8月 4日 プッチーニ「トゥーランドット」 オクサナ・ディカ、アンナ・ネトレプコ、フェルッチョ・フルラネット、ヨンフン・リー他。

上記の通り、アンナ・ネトレプコは「アイーダ」と「トゥーランドット」に出演します 記事に「アンナ・ネトレプコの出演も予定通り」とあるので、当初から出演が決まっていたのでしょう ネトレプコは3月30日付の Facebook にロシアのウクライナへの侵略を非難するメッセージを投稿しましたが(4月3日付toraブログ参照)、それが効いているように思います 気になるのは5月に上演予定の米メトロポリタン歌劇場の「トゥーランドット」です 5月7日の公演はMETライブビューイングでも上映されます(6月10日~16日)。この件に関しては、トゥーランドット役のネトレプコが降板し、ウクライナ出身のリュドミラ・モナスティルスカが代役を務めることが発表されていますが(3月6日付toraブログ参照)、今さら元に戻すことはできないでしょうね 個人的には1公演でも早くネトレプコがMETに復帰してほしいと思います

ということで、わが家に来てから今日で2648日目を迎え、5年に1度のフランス大統領選挙は日本時間の10日午後3時から投票が行われているが、再選を目指すマクロン大統領が優勢であるものの、経済政策を前面に掲げる極右政党のルペン候補が激しく追い上げている  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       何度もプーチンと会談を重ねたけど 暴走を止められなかったのは お先 真っ黒ん

 

         

 

道尾秀介著「カエルの小指」(講談社文庫)を読み終わりました 道尾秀介は1975年生まれ。2004年「背の眼」で第5回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞しデビュー 2009年「カラスの親指」で第62回日本推理作家協会賞を、2011年「月と蟹」で第144回直木賞を受賞したほか受賞多数

 

     

 

武沢竹夫は詐欺師から足を洗い、口の上手さを武器に実演販売士として真っ当に生きていた しかし、謎めいた訳あり中学生・キョウが目の前に現れ、「死んだ母の恨みを晴らしたい。責任を取ってくれ」と、とんでもない依頼を持ちかける 母親・寺田未知子が残忍な詐欺被害に遭い自殺を試みたのを境に厳しい現実を生きてきたキョウを見て、竹沢は彼女の力になるべく、かつての仲間たちを再結集し、超人気テレビ番組「撲滅ヴォリアーズ」を巻き込んだ派手な大仕掛けを計画し実行に移す いったいなぜ、キョウは竹沢に話を持ちかけたのか? 果たして竹沢らはキョウの恨みを晴らすことができるのか

本作は「カラスの親指」の登場人物である竹沢、まひろ、やひろ、貫太郎、てつ(2代目) 達が再登場しています 私も10年くらい前に読みましたが、忘却力が一段と進み、内容をすっかり忘れていました したがって、ほとんどゼロベースで読んだので新鮮な感じがしました 女子中学生のキョウと竹沢の騙し合い的なストーリー展開ですが、中学生がそこまでやるか?と思う強引なところもあります そこは小説と割り切って読んだとして、複雑な仕掛けは道尾秀介ならではです

15年前、竹沢はある女性が橋の欄干から飛び降り自殺しようとするところに遭遇し、引き留めるシーンがあります その女性はクイズに3秒以内に答えられたら死ぬのを止める、と言います 竹沢は成り行きでその話に乗りますが、クイズとは「5人家族の中で、ほかの全員と円満な関係もつくれればダメな関係もつくれてしまうのは誰でしょう?」というものです 私も先を読むのを中断して考えてみました。何となく父親ではないかとは思ったもののその理由が思い浮かびません しかたなく先を読むと、竹沢が親指を見せ「父親?」と言うと、女性は「正解です」と言います その理由は「5本の指のうち、お母さん指とも、お兄さん指とも、お姉さん指とも、赤ちゃん指とも、〇 も ✕ もつくれるのは親指だけ」というものです この女性は約束通り自殺を思い止まります。しかし、彼女は15年後に別の理由で再び自殺を試みます キョウはその女性(母親)の恨みを晴らすため、15年前の母親の命の恩人である竹沢に接近したのでした

逆転に次ぐ逆転劇が楽しい小説です お薦めします

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする