「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

2009・07・11

2009-07-11 08:20:00 | Weblog


今日の「お気に入り」は、加島祥造さん(1923- )の「『タオ――老子』第七十六章」から。

  生まれたときは
  みずみずしく柔らかだ。
  死ぬ時は、こわばって
  つっぱってしまう。
  人ばかりか
  あらゆる生きものや草や木も
  生きているときは
  しなやかで柔らかだ。
  死ぬと、
  しぼんで、乾き上がってしまう。
  だから、固くこわばったものは
  死の仲間と言っていいだろう。
  一方、みずみずしく、柔らかく
  弱くて繊細なものは
  まさに命の仲間なのだ。

  剣も、ただ固く鍛えたものは、折れやすい。
  木も、堅くつっ立ったものは、風で折れる。
  もともと強くて、こわばったものは、
  下にいて、根の役をすべきなんだ。  
  しなやかで、柔らかで、弱くて
  繊細なものこそ、
  上の位置を占めて、
  花を咲かせるべきなんだ。

コメント
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