「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

声を荒げてはいけない Long Good-bye 2022・08・01

2022-08-01 05:15:00 | Weblog

  今日の「 お気に入り 」 。

  「 上司が部下の失敗を正す場合 ・・・
    部下に声を荒げてはいけません 。荒げても何の目的も達しないのです 。
   自分の怒りをぶつけるだけ 、怒りをアクセンチュエイトする ( accentuate
   強調する ) だけです 。相手に『 俺は怒っているぞ 』と強調して怒りを
   伝える意味しかありません 。相手の反発を買うだけです 。
   『 言いたいことを言うな 、相手の胸に残したいことを言え 』というこ
   とです。
    少なくとも相手はディフェンシブになって 、こちらの言うことを真摯に
   受け止めることはできなくなります 。相手の胸に残したいこと 、相手が
   『 反省して 、悪かったなぁ 』と自分で思うような優しい言い方で 、注意
   するということです 。
    たとえば 、『 怒りたい 』ことがあったとします 。しかし 、自分の欝憤
   ( うっぷん ) を晴らすために 、『 馬鹿野郎 !』と怒鳴るのは最低です 。
   何のために怒るのかと言えば 、相手が再びその間違いを犯さないように 、
   自分の怒りを相手が受け止めるようにするためです 。
    では 、どういう言葉で彼の胸の中に残しておくか 。怒りをぶちまける
   なんていうのは 、一瞬の快楽 、いや快楽ですらありません 。
    それよりは 、どういうことを相手の胸の中に残すかです 。当然 、言い
   方も優しくした方がいいでしょう 。その相手の弱いところを突くなんて
   ことは 、絶対にしてはいけないことです 。
    相手の立場を配慮しながら言う 。反射的に 、怒られている側の人間の
   立場に身を置くということです 。
    繰り返しになりますが 、国際人になる人というのは 、『 常に 、反射
   的に 、相手 、特に弱い相手の立場に 、自分の身を置くこと 』です 。
   自分が話している相手 、今この人はどういう思いで聞いているのか 、
   ということです 。これを常に 、常に 、考えながらいかなければなら
   ないと思います 。」

   ( 出典:岡本行夫著 「 日本にとって最大の危機とは?
             〝 情熱の外交官 〟岡本行夫 最後の講演録 」 文芸春秋社刊 )

   「 声を荒げてはいけない 」のは「 上司 」に限ったことじゃありません 。
   「 国際人になる人 」に限ったことでもありません 。

    相手の立場に 、自分の身を置く 。
    相手の立ち位置で考える 、視座を変えてみる 、見える景色がかわってきます 。







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