「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

歳歳年年人不同 Long Good-bye 2022・08・05

2022-08-05 04:44:00 | Weblog

  今日の「 お気に入り 」 。

  「 代悲白頭翁 劉希夷

    洛陽城東桃李花
   飛來飛去落誰家
   洛陽女兒惜顏色
   行逢落花長歎息

   今年花落顏色改
   明年花開復誰在
   已見松柏摧爲薪
   更聞桑田變成海

   古人無復洛城東
   今人還對落花風
   年年歳歳花相似
   歳歳年年人不同


   寄言全盛紅顏子
   應憐半死白頭翁
   此翁白頭眞可憐
   伊昔紅顏美少年

   公子王孫芳樹下
   清歌妙舞落花前
   光祿池臺開錦繍
   將軍樓閣畫神仙

   一朝臥病無人識
   三春行樂在誰邊
   宛轉蛾眉能幾時
   須臾鶴髮亂如絲

   但看古來歌舞地
   惟有黄昏鳥雀悲 」

  「 白頭を悲しむ翁に代る 劉希夷

    洛陽城東 桃李の花
   飛び来たり飛び去たって誰が家にか落つ
   洛陽の女兒(じょじ)顏色を惜しみ
   行くゆく落花に逢いて長歎息(ちょうたんそく)す

    今年(こんねん)花落ちて顏色改まり
   明年(みょうねん)花開いて復(ま)た誰か在る
   已(すで)に見る松柏(しょうはく1)の摧(くだ)かれて薪と爲(な)るを
   更に聞く桑田(そうでん)の変じて海と成るを

    古人また洛城の東に無く
   今人(こんじん)還(ま)た対す落花の風
   年年歳歳花相似たり
   歳歳年年人同じからず


    言(げん)を寄す全盛の紅顔子(こうがんし)
   応(まさ)に憐れむべし半死の白頭翁
   此翁(このおう)白頭(はくとう)真(まさ)に憐れむべし
   伊(こ)れ昔 紅顔の美少年

    公子王孫(こうしおうそん) 芳樹の下(もと)
   清歌妙舞(せいかみょうぶ)す 落花の前
   光禄(こうろく)の池台(ちだい)錦繍を開き
   将軍の楼閣(ろうかく) 神仙(しんせん)を画

    一朝 病に臥して相識(そうしき)無く
   三春の行楽 誰(た)が辺(ほと)りにか在(あ)る
   宛転(えんてん)蛾眉(がび)能(よ)く幾時ぞ
   須臾(しゅゆ)にして鶴髪(かくはつ)乱れて糸の如し

    但(た)だ看(み)る古来(こらい)歌舞(かぶ)の地
   惟(ただ)黄昏(こうこん)鳥雀(ちょうじゃく)の悲しむ有るのみ  」

    ( 筆者註:「 劉 希夷( りゅう きい 、651年( 永徽2年 ) - 679年( 調露元年 ))は 、
           中国・唐の詩人 。字は庭芝 、廷芝 。一説に 名が庭芝で 字が希夷とも
           いわれる 。汝州梁県の出身 。
           略 歴
            幼くして父を失い 、母と共に外祖父の下に身を寄せ 20歳頃まで過ごした 。
            容姿は優れており 、物事にこだわらない性格で 素行が悪かった 。
            酒と音楽を好み 、琵琶の名手であった 。
            675年(上元2年)進士となるが 仕官せずに 各地を遊覧した 。

           “ 年年歳歳花相似 歳歳年年人不同 ” で有名な詩『 代悲白頭翁 』が代表作 。
            この詩を発表前に聞いた母の兄弟である宋之問は 、非常に気にいって
           詩を譲るよう頼んだが 、劉希夷はこれを断った 。怒った宋之問は 下僕に
           彼を殺させたという説がある 。詩集4巻がある 。

           漢詩
           代悲白頭翁
           洛陽城東桃李花 洛陽城東 桃李の花
           飛來飛去落誰家 飛び來たり飛び去り 誰が家にか落ちん
           洛陽女児惜顔色 洛陽の女児 顔色を惜しみ
           行逢落花長歎息 行き逢う落花に長歎息す
           今年花落顔色改 今年 花落ち顔色を改め
           明年花開復誰在 明年 花開いて復た誰か在らん
           已見松柏摧為薪 已に見る 松柏摧れて薪と為るを
           更聞桑田変成海 更に聞く 桑田変じて海と成るを
           古人無復洛城東 古人また洛城東に無く
           今人還對落花風 今人また落花風に対す
           年年歳歳花相似 年年歳歳 花は相似たり
           歳歳年年人不同 歳歳年年 人は同じからず

           寄言全盛紅顔子 言を寄す 全盛の紅顔子
           應憐半死白頭翁 応に憐れむべし 半死の白頭翁
           此翁白頭真可憐 此の翁の白頭 真に憐むべし
           伊昔紅顔美少年 これ昔 紅顔の美少年
           公子王孫芳樹下 公子王孫 芳樹の下
           清歌妙舞落花前 清歌妙舞 落花の前
           光禄池臺開錦繍 光禄池臺に錦繍を開き
           将軍楼閣畫神仙 将軍楼閣に神仙を画く
           一朝臥病無相識 一朝病に臥して相識るなく
           三春行楽在誰邉 三春行楽 誰が辺(ほとり)にか在る
           宛轉蛾眉能幾時 宛転たる蛾眉 能く幾時ぞ
           須臾鶴髪亂如絲 須臾にして鶴髪は乱れ絲のごとし
           但看古来歌舞地 ただ看る 古来歌舞の地
           惟有黄昏鳥雀悲 ただ黄昏 鳥雀の悲しむ有るのみ 」
          以上 ウィキ情報 。白文は同じでも 、訓み下し文は色々 。 )





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